1月24日 藤沢市議会議会改革推進会議で登米市議会を視察しました。内容の抜粋は次の通りです。
藤沢市議会として、議会基本条例の検証を始めたところですが、先進的な取組みをしている登米市を視察をしました。議会基本条例の検証の他、藤沢市議会として実施していない様々な取組がされていましたので、その部分の概要も報告します。
1. 議会基本条例の検証
(1)背景
議会基本条例の目的が達成されているかを検証し、最高規範性を保ちつつ、必要に応じてバージョンアップさせていく。
➀議会基本条例の実効性を高める。
➁議会活動のPDCAサイクルをまわす。
(2)検証作業
➀議会改革推進会議が担当、検証頻度は2年に1度。
➁条文毎に評価項目を設定、達成度と方向性を確認。
➂検証結果をインターネットで公開。
(3)課題
➀自己評価による検討のため、自己満足の評価となっていないか。
➁議会基本条例制定時の思いを知る議員が減り、基本条例の理念の継承が課題。
※藤沢市議会としては、検証している最中であり、評価まで至っていませんので、達成度・方向性をだす評価方法について参考になると思いました。
2. 政策アドバイザー
(1)背景
議会運営に関する事柄や政策立案に要する専門知識を得たい。
➀議会基本条例の実効性を高める。
➁市民とともに政策を作り上げる仕組みが必要。
➂「登米市議会政策アドバイザー設置要綱」を制定。
(2)政策アドバイザーの概要
政策提言、政策立案が完了するまでの間、議長が委嘱する。
(3)課題
➀論点整理のスキル習得と向上。
➁助言いただきたい事柄の明確化。
※今年度からなので、まだ実績はないとのこと。ワールドカフェからの政策提言や、26人の議員定数が適切かどうかなど、アドバイスをいただきたいとのことでした。
3. 常任委員会のロードマップ
(1)背景
➀本会議主義のため委員会調査が議案中心になりがち。
➁常任委員会の調査に一貫性・継続性がない。
➂多様化する市民ニーズに議会として調査が不十分。
⇒常任委員会活動の活性化が必要。
➃議会内で常任委員会活動の内容が共有されていない。
⇒常任委員会の見える化が必要。
(2)取組
常任委員会ごとに年間活動テーマを決めて、テーマに則した活動「所管事務調査」「行政視察」「意見交換会」「事務事業評価」を行う。そのための「年間活動計画」を策定し、随時、議会事務局職員も入った、政策企画調整会議で情報共有する。
4. 議会モニター
(1)背景
議会運営に関する市民の意見を議会運営に反映させたい。
⇒議会基本条例の実効性を高める。
⇒「登米市議会議会モニター設置に関する規定」を整備。
⇒市民に身近な議会を実現させる。
(2)議会モニターの概要
➀定数 20人以内
➁任期 委嘱日より年度末まで
➂資格 市内在住18歳以上
➃職務
・議会の傍聴
・意見、提案等を文書提出
・アンケートに回答
➄モニターからの意見
・スマホでの議会中継(令和元年6月からスマホ対応を開始)
・議会だよりにQRコード(令和元年6月の議会だよりから対応)
・一般質問を傍聴しても、だれがどんな質問をしているのか分からない(傍聴者に一般質問通告書を配布)
・傍聴案内が分かりにくい(案内看板や表示方法を工夫)
・小中学生が議会に触れる機会を(議場見学、本会議体験を実施)
・議場で市民歌を(1月召集議会開会前に、市内小学校合唱隊と議会、執行部で市民歌を斉唱)
・車いす用傍聴席の設置(大規模改修が必要)
・傍聴席フロアまでのエレベーター設置(大規模改修が必要)
・議会傍聴用資料が分かりにくい(議員が使用するものと同様のものを準備)
※その他、議員の居眠りが多い、夜間土日開催などの意見もあったとのことです。
➅課題
・地域の中心となる現役世代の参画
・議会内でのモニター意見の共有
・議会運営への反映に対する議員の意識改革
・モニター意見の反映状況のフィードバック
5. 視察時の主な質問
・通年議会における災害時の対応について
・議会モニターのターゲット層について
・議会モニターの募集方法について
・議会事務局2係体制の効果について
・常任委員会ロードマップによる常任委員会代表質問の考えについて
・政策調整会議における議員提案条例の取扱いについて
・政策アドバイザーの職種や経費について
6. 所感
議会基本条例の検証については、藤沢市議会が進めようとしている検証のイメージと近いように感じました。その他の「政策アドバイザー」「常任委員会のロードマップ」「議会モニター」については、藤沢市議会として、検討課題となっていないため、今後の議会改革推進会議の中で、今回の視察を踏まえて、検討すべき事項として取り扱うかどうか議論していく必要があると感じました。