2020.12.1 建設経済常任委員会

 12月1日 9:30より、藤沢市議会建設経済常任委員会が開催されました。今議会も密を避けるための運営をしていることから、自宅においてインターネット中継での傍聴としています。内容の抜粋は次の通りです。

議案第55号 市道の認定について(片瀬418号線ほか8路線)

 開発行為などに伴い、9路線を認定するものです。

議案第56号 市道の廃止について(片瀬411号線ほか4路線)

 起終点の変更に伴い、5路線を廃止するものです。

※上記2議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

報告(1)藤沢市企業立地に関する準則を定める条例(藤沢市工場立地法準則条例)の制定及び藤沢市緑の保全及び緑化の推進に関する条例の一部改正に関する素案について

 市内工場敷地内の緑化率について、敷地面積9,000㎡以上、または建築面積3,000㎡以上の製造業、電気・ガス熱供給業の工場は、工場立地法で定められています。また、それ以下の工場については、市緑化条例で定めています。

 工場立地法の緑化基準が平成9年の法改正により、都道府県及び政令市に条例の制定権等が移譲され、平成24年には市に権限移譲されました。藤沢市は、県準則条例の基準を適用してきましたが、この県準則条例が廃止されたことに伴い、経過措置である令和4年3月末までに藤沢市として準則条例を制定する必要があることから、条例を制定するとともに、市緑化条例の改正をするものです。更に、県内他市では県準則条例を緩和した条例を制定していることから、市外への企業転出を防止する観点での視点も必要となります。

1. 市準拠条例素案(緑化面積率等の基準で変更のあるもののみ記載)

【緑地面積率】

(1)工業地域 現行15%以上⇒素案10%以上

(2)工業専用地域 現行15%以上⇒素案10%以上

【環境施設面積率(緑地+緑地以外の環境施設)】

(1)工業地域 現行20%以上⇒素案15%以上

(2)工業専用地域 現行20%以上⇒素案15%以上

2. ガイドライン

 緑化率の緩和により減少する緑地面積について、緑の量を確保するため、立体的な緑地を形成することで緑の「量と質」を守ることや、社会貢献等による緑化の推進に努めることを「(仮称)緑の質が高い緑化手法等に関するガイドライン」として別に定めて、質の高い緑地空間の形成へと誘導します。

3. 市緑化条例等の一部改正

 ガイドラインとの均衡を図る内容を条例や施行規則で定めるものです。ただし、緑化率の変更はせず、工業地域・工業専用地域限り、「質が高い緑地空間」を形成することなどにより、敷地面積の最大5%まで緑地面積とみなすことを規定するものです。

4. 今後のスケジュール

(1)令和3年6月 市議会に市準則条例制定及び市緑化条例一部改正議案の提案(予定)

(2)令和3年10月 条例の施行(予定)

佐野委員

 関係団体との議論は何回したのか?⇒商工会議所の工業部会と4回、みどり保全審議会と5回議論してまとめたもの。

 企業がのりやすい取組みは?⇒CSR活動への関心が高かった。また、質の高い緑化手法に評価があった。

 CSR活動の内容は?⇒草刈り、剪定などに加え、自然観察会など。頻度は草刈りの最低回数を定めることを検討している。

 質が高い緑地空間は、既存の樹木にも適用されるのか?⇒含めることができる。

桜井委員

 県内他市への企業転出について、今回の改正で防げるのか?⇒工場からは緑化規制は投資しにくくなり、事業拡大となっても市内ではできないとの声ある。県内他市では緑に余裕がある地域では5%まで緩和するところもある。本市には都市化、人口増など安定的な雇用の強みもあるので、ただちに企業転出にはつながらないと考える。

 新産業の森における企業誘致への影響は?⇒新産業の森の緑化率は地区計画により25-30%の設定がされているが、地区計画の見直しについて都市計画部門と調整をしていく。

塚本委員

 県内他市の緩和状況は?⇒工業専用地域で5%まで緩和するところ多い。

 本市における工場立地法の対象となる工場の状況は?⇒市内には30社32工場があるが、緩和対象は26工場。

 その内、設備投資などを検討している工場はどのくらいあるのか?⇒工業部会との話し合いや企業訪問の中で設備投資の意向は聞いているが、投資のタイミングは把握していない。

 他市では5%まで緩和している。企業転出防止ならもっと緩和しても良いのでは?⇒みどり保全審議会で議論した結果。

 質が高い緑地空間について、本市のようなガイドラインの取組している市はあるか?⇒秦野市。

 2階層、3階層の高さの目安は?⇒樹木名で高木、中木、低木と区分けを考えている。

 市全体の緑化率の目標は30%となっている。工場が占めている緑化面積は市域全体のどのくらいなのか?⇒約4%。

 残りの96%の緑化率を上げていく考えは?⇒みどり基金による緑地取得、公園整備など、今後、緑の基本計画改定の中で質が高い緑地空間も取り入れながら検討していく。

味村委員

 都市公園と保存樹林について、10年前との比較は?⇒都市公園は10年前より14ha増えて234ha、保存樹林は18ha減って108ha。

 開発を進めてきたから緑が減ったのではないか?⇒開発行為には一定割合で緑化される。今後も良好な緑の保全を図っていく。

報告(2)村岡地区のまちづくりの取組について

 本年6月の建設経済常任委員会での報告後の取組等について報告がされたものです。「村岡新駅周辺地区まちづくり方針(素案)」が示されましたので、その中の重要テーマと導入機能のイメージを記載します。

【村岡新駅周辺地区まちづくり方針(素案)】『尖る創造と広がる創造を生み出す街』を目指して

1. 将来地区像を実現するための4つの重要テーマ

(1)創造的な場づくり

 知的好奇心を触発し、思考が深まる環境とすることで村岡新駅周辺地区のあらゆるところで創造活動が行われている状態を創出します。

『方針➀』街全体を憩いや交流を促す魅力的な場でつなぐ

『方針➁』クリエイティブ産業やクリエイティブ人材に選ばれる場とする

『方針➂』市民等の感性を育む共創の場とする

(2)新しい交通結節点づくり

 交通だけでなく、人が主役となり暮らしをアクティブにすることで、活動や創造をつなぐ環境を創出します。

『方針➀』「乗り換えの場」だけではなく『過ごしたくなる場』とする

『方針➁』それぞれの人に即したモビリティサービスで、人々の暮らしをアクティブにする起点とする

(3)緑や文化豊かなまちづくり

 緑資源や地域文化を通じ、創造性や地域性が深まる環境とすることで、都市拠点にふさわしい景観と、創造の場にふさわしいグリーンインフラを創出します。

『方針➀』地区周辺にも延びていく新たな緑の軸を形成する

『方針➁』地域の歴史資源や緑の持つ多面的な機能を最大限に生かし、街に多様性を生み出す

(4)安心・安全なまちづくり

 誰もが安心して創造活動が出来る地域の暮らしを守るため、特に懸念される水災害に備えたレジリエンスの高い環境を創出します。

『方針➀』近年多発する豪雨災害に備えた都市基盤で浸水被害を最小化する

『方針➁』浸水時・被災時においても活動を止めない拠点とする

『方針➂』想定最大規模の都市災害においても人命を守る

2. 4つの重要テーマに基づいた導入機能のイメージ

(1)研究・開発の場 ~働く~

 ➀研究系機能

 ➁交流・コンベンション機能
 
 ➂オフィス系機能

(2)憩い・リフレッシュの場 ~暮らす~

 ➀飲食機能

 ➁サービスアパートメント機能

 ➂自然や芸術とのふれあい機能

 ➃生活サービス機能

(3)創造が生まれる場 ~交流・体験・触発~

 ➀体験・展示・情報発信機能

 ➁ヘルスケア機能

友田委員

 村岡地区周辺まちづくりと藤沢地区との連携についての調査結果はいつ頃示されるのか?⇒今年度内に取りまとめる。

 深沢地区のまちづくりの影響も加味されているか?⇒されている。

 深沢地区と村岡地区の交流が藤沢駅へ波及するという根拠は?⇒研究開発拠点と駅設置による居住増などから一定の波及効果が得られると考える。

 新型コロナウイルス感染症が財政的影響ある。JRとの協議を進めているが、計画変更の議論の余地はあるのか?⇒新駅設置についてはコロナの影響はないが、周辺のまちづくりは今後の状況の変化を見ながら、進めていく必要があると考える。

松長委員

 サービスアパートメント機能あるが、海外からの研究者を呼ぶには、長期的で家族同行も考えられる。インターナショナルスクールなども必要と考えるが?⇒研究者の誘致はまちづくり検討会議でも議論あった。アイパークがあり、最先端の技術者が集まっている。駅北側を含めて一体的な土地利用ができないか検討もしている。

塚本委員

 モビリティマネジメントの視点でまちづくりを展開すべきだが?⇒駅からの距離が短くなる。車をなるべく利用しないまちづくりを検討している。魅力ある交通結節点づくりを検討するにあたり、モビリティマネジメントで車の利用軽減を考えていく。

 日本モビリティマネジメント会議との連携の考えは?⇒モビリティマネジメントには啓発が重要。意見を踏まえて具体的な検討に活かしていきたい。

 最終判断につながる経費負担を早く示すべきだが?⇒JRの負担を踏まえて本市の判断となる。

味村委員

 12月下旬からのパブリックコメントの具体的スケジュールは?⇒12/18-1/18に意見募集する。

 全市民的に議論を尽くすべきだが?⇒パブリックコメントを実施する。

報告(3)旧東海道藤沢宿街なみ継承地区における歴史的建築物の取得について

 旧東海道に面する旧桔梗屋は、市内に現存する唯一の店蔵及び江戸時代末期の文庫蔵を含む国登録有形文化財3棟を有する貴重なものであり、旧藤沢宿の景観上重要な拠点としての価値があります。

 この度、所有者の相続に伴い、旧桔梗屋を取得したので、その内容が報告されたものです。

1. 土地(実測)1,467.11㎡

※1467.11㎡のうち、建物(1)~(3)の土地を除く990.42㎡の土地売買契約(土地開発公社)は、2億2,234万9,290円。

2. 建物(公簿)

(1)店蔵 土蔵造 119.00㎡

(2)主屋 木造 178.57㎡

(3)文庫蔵 土蔵造 99.36㎡

※(1)~(3)の建物と土地476.69㎡は市に無償譲渡。

3. 今後の方針

 地域の関係団体との意見交換、有識者へのヒアリング、民間事業者へのサウンディング調査等を実施し、より魅力のある利活用計画の実現をめざします。

桜井委員

 街なみ景観課が事務担当となっている。保存・有効活用することとなったが、庁内の検討経過は?⇒庁内ニーズは4-6月に利活用の調査したが要望がなかった。景観上、重要なものであるため、街なみ景観課が担当となった。

 街なみ継承地区にあったから取得したのか?⇒街なみ継承地区の中心的な場所にあるので取得したもの。

 相続発生前に所有者との協議はしていたのか?⇒パートナーシップ事業の中で所有者へ情報提供してきた。

 文化財保護の考えを市で統一すべきだが?⇒市内の文化財は多くあるので、市が所有することは難しい。所有者と話をしてどう残せるか対応する必要ある。旧桔梗屋の取組が、今後の保護スタイルとなるため、出来る限り保存・継承・活用できるように取組んでいく。

神尾委員

 歴史的建築物を保存していく上での課題は?⇒今回の物件は耐震性、防火性に課題ある。一般的には、国登録文化財を含めて保存・継承していくことが課題。

 今回と同様の建築物は市内にどのくらいあるのか?⇒19か所39件。

 今回と同様なケースが起きたらどうするのか?⇒街なみ継承地区においては、個別の判断となる。

 住民からの意見は?⇒藤沢地区郷土づくり推進会議からは、蔵と歴史的建造物を維持する仕組みが必要、市による購入と保存も必要と提言されている。

報告(4)善行六丁目特定土地の原状回復について

 善行六丁目特定土地とは、前の所有者が、その前の所有者から約3,000万円で購入した土地を市(土地開発公社の先行取得)が1億850万円で「善行地区における地域コミュニティ活動事業用地」として取得するとしたことに対して、市議会から「それはおかしい」として、地方自治法第100条に基づく、調査特別委員会(100条委員会)を設置して、調査した結果、平成24年8月に、市はその土地を買戻ししないと結論に至りました。

 その後、平成25年3月に土地開発公社と前所有者の間で「確認書」が締結され、当該土地の土地売買契約を合意解除し、当該土地と代金1億850万円をそれぞれ元に戻すことを確認しましたが、前土地所有者から原状回復のための資金確保に至らず、期限の延長をしてきましたが、今回、令和2年11月26日に、土地開発公社が1億850万円の支払いを受け、原状回復が完了したことが報告されました。

※この件については、私が市議会議員に初当選してすぐに100条委員会が設置され、精力的に調査を進めてきた案件であり、100条委員会で出した結論に沿った形で解決できたこと(市や土地開発公社に損害がなかったこと)は、本当に良かったと思います。 

報告(5)藤沢市耐震改修促進計画の改定時期の変更について

 藤沢市耐震改修促進計画については、計画期間を平成28年度から令和2年度までとなっており、耐震化率の目標を95%としています。しかし、国が設置した専門家・有識者研究会において、これまでの住宅の耐震化目標は達成困難であるとし、目標を5年間スライドさせて設定するなど、今後の耐震化目標のあり方が提言されました。この提言を踏まえて、今後、国の基本方針や県の目標の見直しが見込まれることから、現計画の期間を1年延長して改定することが報告されたものです。

松長委員

 調査した地区ごとの耐震化データを防災安全部と連携すべきだが?⇒13地区ごとのデータある。防災安全部との連携について、今後検討していく。

報告(6)藤沢市空家等対策計画(素案)について

 空家に関する総合的かつ計画的な取組への考え方を整理し、実施主体や施策内容を見える化した「藤沢市空家等対策計画」を策定し、市民をはじめ様々な関係機関、関係団体、民間事業者等と連携・協働し、空家対策を推進していくものであり、その計画(素案)が報告されたものです。内容は割愛します。

友田委員

 空家の利活用について、マッチング制度や補助金制度の問合せ状況は?⇒補助金制度は年2-3団体から事業したいとの相談あるが、事業計画が決まっていない、貸してくれる所有者がいないなど実施できていない。マッチングね希望所有者がいない状況。

 どう解決していくのか?⇒利活用補助金は審査会の中で、事業内容の緩和したりしているが、建物の耐震性が課題。

 建物の耐震性に課題があっても庭の活用はできる。他市では庭の貸出をしているが?⇒協議会からも提案いただいているので、今後検討していく。

 コミュニティビジネス10年間はハードル高い。緩和が必要だが?⇒現在の利活用は国庫補助によるため制限がある。今後、市単独事業などを検討していく。

 空家の除去、解体費用の助成だけでなく、更地後に公共利用している自治体もあるが?⇒計画策定の中で継続して検討していく。

 活用のメニューを増やすべきだが?⇒課題の1つと捉えて検討していく。

松長委員

 空家予備軍への対応について、具体的な取組は?⇒自治会・町内会との連携の中で、地区内の空家の調査、単身世帯の情報などを共有することで、直接的な啓発、相談会やセミナーの周知などを考えている。

 空家のデータを庁内で情報共有する考えは?⇒庁内ワーキンググループで共通認識ができた。情報連携を図りながら、防犯、防災に取組んでいく。

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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