2021.3.2 本会議(3日目)~議決・代表質問

 3月2日 10:00より、藤沢市議会2月定例会(3日目)が開催されました。内容の抜粋は次の通りです。

【建設経済常任委員会(2/18開催)に付託された議案】

議案第81号 市道の認定について(鵠沼944号線ほか4路線)/建設経済常任委員会に付託

議案第82号 市道の廃止について(長後1476号線)/建設経済常任委員会に付託

※上記2議案は、全会一致で可決されました。

議案第89号 藤沢市道路占用料徴収条例の一部改正について/建設経済常任委員会に付託

議案第91号 藤沢市都市公園条例の一部改正について/建設経済常任委員会に付託

議案第96号 藤沢市自転車等駐車場条例の一部改正について/建設経済常任委員会に付託

※上記3議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

【子ども文教常任委員会(2/22開催)に付託された議案】

議案第97号 藤沢市公民館条例の一部改正について

※この議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

【総務常任委員会(2/24開催)に付託された議案】

議案第83号 藤沢市事務分掌条例の一部改正について

議案第88号 藤沢市手数料条例の一部改正について 

議案第92号 藤沢市朝日町駐車場条例の廃止について
 
※上記3議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。 

議案第84号 藤沢市市民センター条例の一部改正について

議案第87号 藤沢市一般職員の給与に関する条例の一部改正について
 
※上記2議案は、全会一致で可決されました。

【補正予算常任委員会(2/25開催)に付託された議案】

議案第98号 令和2年度藤沢市一般会計補正予算(第10号)

※この議案は、共産党とアクティブ藤沢が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

議案第99号 令和2年度藤沢市北部第二(三地区)土地区画整理事業事業費特別会計補正予算(第2号)

議案第101号 令和2年度藤沢市国民健康保険事業費特別会計補正予算(第1号)

議案第102号 令和2年度藤沢市介護保険事業費特別会計補正予算(第3号)

議案第103号 令和2年度藤沢市後期高齢者医療事業費特別会計補正予算(第1号)

議案第104号 令和2年度藤沢市下水道事業費特別会計補正予算(第3号)

※上記5議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。

議案第100号 令和2年度藤沢市墓園事業費特別会計補正予算(第2号)

議案第105号 令和2年度藤沢市民病院事業会計補正予算(第6号)

※上記2議案は、全会一致で可決されました。

ここから、令和3年度一般会計予算ほか11議案に対する代表質問

※なお、代表質問については、私が所属する「民主・無所属クラブ」の質疑は質問~答弁の概要を掲載し、その他の代表質問は、件名・要旨等のみ掲載することとします。なお、竹村議員の質問に対する答弁については、答弁調整をしたデータを基にしていますので、実際の答弁と若干異なる場合があります。

1番 竹村雅夫議員 【民主・無所属クラブ 質問時間110分】

 令和3年度一般会計予算はじめ諸議案に対する代表質問をさせていただきます、民主・無所属クラブの竹村雅夫です。

 先日、大清水中学校の生徒の皆さんが、境川をはさんで向かい合う藤沢市民病院に向けて、医療従事者や患者の皆さんを応援する言葉を校舎に貼り出し、これに市民病院も「応援ありがとう!大清水中学校のみなさん」という言葉を掲げて応えた、というエピソードが報じられました。
 コロナ禍で、ともすれば私たちの心がささくれ立つことも少なくありませんが、そんな中での生徒たちの感性と実行力に、心が温かくなる思いでした。

 昨年、子ども青少年部は、これからの子どもたちに育むべき力として「非認知能力」を掲げてくださいました。
 「非認知能力」とは耳慣れない言葉かもしれませんが、「テストで数値化できる『認知能力』ではなく、コミュニケーション能力や思いやり、共感性、忍耐力・自制心などと言った、テストでは数値化が難しい幅広い能力」のことです。

 ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・J・ヘックマンが提唱した概念で、この「非認知能力」を幼児期から身に付けておくことが、大人になってからの幸せな生活につながる、と言うのです。私は、子ども青少年部が狭い意味の学力だけではなく、点数では計れない「非認知能力」を大切にしよう、と提起してくださったことに、おおいに共感します。

 そして、考えて見てください。大清水中学校の生徒たちは、まさにこの「コミュニケーション能力や思いやり、共感性」という「非認知能力」を、体現してくれたのではないでしょうか。「子どもの学びを止めない」と言う言葉があります。ですが、それは単に「教科書を終わらせる」ことや、感染のリスクを軽視してコロナ以前と同じことをする、という意味ではありません。

 コロナ禍の下だからこそ、「学ぶべきこと」「学べること」があるはずです。なぜ、様々なことを我慢しなければならないのか、その意味を考えること。自分と周囲の人の健康と生命を守ること。デマやフェイクを見抜く情報リテラシー。差別と分断を許さず、共に生きる社会をめざすこと。
 私たち大人も、子どもたちと一緒に考え、学び、私たち自身の「非認知能力」を問い返し、この困難な事態を乗り切っていきたいと思います。

1. 市長の政治姿勢について

(1)市政全般の課題について

 まず、市民の健康と生命を守るため、新型コロナウイルス感染症に日々立ち向かってくださっている保健所や市民病院をはじめとする医療従事者の皆さん、生活に欠かすことのできないエッセンシャルワーカーの皆さんに、心から感謝を申し上げます。

 さて、市民の皆さんの願いはコロナ禍の一日も早い収束であり、市政の最大の課題も新型コロナウイルス感染症への対応です。これは「新型」とはいうものの、対策はこれまでの感染症と同様に「ウイルスへの曝露を防ぐ」ことに変わりはありません。感染の封じ込めは、結局は「人と人との接触を断つ」ことに尽きます。つまり「行動制限」です。

 しかし、行動制限は経済活動の自由を奪い、場合によっては事業者の死活問題となるため、徹底が非常に難しいというのがこの間の実感です。ですが、市民の皆さんにはそのことをお願いせざるを得ません。緊急事態宣言は解除に向かいつつあるとは言え感染者数は下げ止まっており、油断すればたちまち感染は拡大します。

★市民の皆さんに「行動制限」への協力を求めるにあたり、どのような姿勢で臨むのか。鈴木市長の決意をお聞きします。

【答弁:鈴木市長】

 昨年3月に市内で初めての陽性者が判明して以来、4月に1回目の、今年1月に2回目の緊急事態宣言が発出されるという大変な事態となりましたが、その間コロナ禍での生活を守るために働いていただいているエッセンシャルワーカーの皆様、また、感染拡大防止に努めていただいている市民や事業者の皆様には、そのご協力に大変感謝しているものでございます。

 皆様のご理解、ご協力のおかげで新規感染者数につきましては、減少傾向に転じることができていますが、再び感染が急拡大する可能性もあるため、今も予断を許さない状況にあります。人と人との接触機会を可能な限り抑制することは、感染リスクを下げ、感染拡大の防止につながります。

 現在の厳しい状況を好転させ、早期に収束させるためには、市民の皆さまと思いを共にし、歩を進めていくことが不可欠です。本市といたしましては、緊急事態宣言を大変重く受け止め、感染拡大の防止が一番重要ととらえていることから、全庁一丸となってこの危機に対応し、市民の皆さまと共に、オール藤沢でこの誰もが経験したことのない危機を乗り越えてまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 「人と人との接触を断つ」と言っても、学校の閉鎖は児童生徒や親御さんにとって重大な影響があり、極力避けたいところです。また、いわゆるエッセンシャルワーカーが活動できなければ、最低限の社会活動も維持できません。では、学校やエッセンシャルワーカーを感染からどのように守っていくのでしょうか。例えば、世田谷区など一部の自治体では「社会的検査」という考え方のもと、保育園・介護事業所・障害者施設で働く方や学校の教職員などに対しPCR検査をおこない、ウイルス陽性者を早期に発見することで感染拡大を防ぎ、利用者と働く人を守ることをめざしています。

★本市でも、病院・消防・保健所・ごみ収集など、「人との接触」が避けられない職が少なくありません。職場がクラスターになれば人々の安全安心に欠かせない業務が止まってしまう危険もあります。こうした方々を守る取り組みについて、市の考えをうかがいます。

【答弁:林総務部長】

 まず、全庁的な感染症防止対策としては、職員同士の接触機会を低減するために、週休日や休日に勤務を振り替えることや、執務室を分散させるなどの勤務体制による対策を行っております。また、マスクを外す場面では感染リスクが高くなることから、昼の休憩時間をずらして取得することや、昼食中のマスクなしでの会話は止めることなどにより感染対策を図っております。

 次に、人との接触が避けられない職における対策について、消防局においては、感染症の疑いのある患者等と接触する恐れがある場合は、全身タイプの感染防護衣や高性能マスクを着用することや、勤務体制を2交代制から3交代制にするなどの対策をしております。市民病院では、患者さんごとの医療器具の交換と診療台周辺のアルコール消毒、マスクとフェイスシールドの併用等を実施しており、また、保育園では、登園時における園児及び職員の健康状態の把握や、手に触れることが多い玩具やドアノブの消毒などを行っております。

 なお、個別の感染症対策のマニュアルとしまして、病院においては、独自の対応策を策定するともに、保育園においては、厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」に基づく保育手法の方針を定めており、消防局では、感染症法を踏まえた感染症マニュアルを活用し、感染症対策の徹底を図っております。いずれにいたしましても、さまざまな職域において新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するためには、その職場や職務の実態に即した対策を講じることが重要であると考えております。

※引き続き質問

★「人と人との接触を断つ」ためには、市や学校においてもオンラインによる業務が可能な場合もあるはずです。この一年で準備が進んだ部分もあると思いますが、市や学校におけるオンラインによる業務遂行の現状と課題、今後の更なる取り組みについて、うかがいます。

【答弁:林総務部長】

 本市では、コロナ禍における感染拡大防止の観点から、オンラインを活用した業務の推進を図っているところでございます。
 1つ目は、テレワークシステムの活用でございます。昨年の緊急事態宣言解除後から、テレワーク用端末25台を導入し、基礎疾患のある職員等を対象に運用してまいりました。更には、地方公共団体情報システム機構の自治体テレワーク推進実証実験に参加し、職員向けに80台分のテレワークのテスト運用を開始したところでございます。

 2つ目は、Web会議システムの活用でございまして、こちらもコロナ禍を機に急速に普及したものですが、有償のWeb会議ライセンスを38ライセンス用意し、各課等での利用を開始いたしました。テレワークシステムやWeb会議システムにつきましては、ICTを活用して時間や場所を有効に活用し、柔軟な働き方を可能にする手法と認識しております。

 一方で、市役所の業務においてICTを活用する際は、一定の条件を設けることも必要と考えており、例えば、テレワークシステムを活用する業務や対象者の整理、また、職場と同様のコミュニケーション環境の確保や労務管理の手法など、これまでの運用を踏まえて検証していく必要がございます。また、通信環境も含めたICT環境の整備に要する経費についても、解決すべき課題と捉えております。それらの課題を検証しながら、非接触型社会におけるICTを活用した業務のあり方について、整理してまいりたいと考えております。

【答弁:松原教育部長】

 続きまして、学校における状況についてですが、各教職員に対しGoogleのアカウントを配付し、オンラインによる業務を可能としております。これにより、教職員間における教材等のデータ共有や、web会議などが行えるようになっており、職員会議や学校をまたいでの担当者会議等で活用しております。

 一方で、活用できている教員が限られている現状もあることから、誰もが活用できるスキルを育成するとともに、校務での活用に加え、授業でのオンライン機能を活用した取組を推進してまいりたいと考えております。

※引き続き質問

★この間、電子決済や行政手続の電子化など、「非接触型社会」への転換が加速しています。現在、マイナンバーカードの普及が課題となる中で、手続きが可能な箇所を増やす方針が示されたところですが、電子自治体の実現に向けた現状と今後の取り組み・具体的目標についてうかがいます。

【答弁:林総務部長】

 国では昨年12月25日に「デジタル・ガバメント実行計画」の閣議決定を行い、併せて総務省から「自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画」が発出されております。この中では、自治体の情報システムの標準化やマイナンバーカードの2022年度末までの普及などに向け、自治体が重点的に取り組むべき事項や内容などが具体化されております。

 また、今年度中には、推進させるための手順書なども公開される予定となっております。それら国の動向も注視しながら、本市におきましては、本年4月から設置いたします「デジタル推進室」において、デジタル市役所の実現に向け、行政手続等のオンライン化の促進やICTの利活用による業務効率化を推進させるために必要な施策及びロードマップの策定について検討してまいります。

 今後につきましても、「デジタル推進室」が中心となり、国が示しております国民の利便性向上に資するとされる31手続のうち、都道府県の対象手続等を除く25手続に対し、オンライン化に向けた検討を行っていくなど、行政のデジタル化について取り組んでまいります。

※引き続き質問

 市民広聴や、市民との意見交換・合意形成についても、行動制限があるからといって手をこまねいている訳にはいきません。市議会では今年度、恒例の「カフェトークふじさわ」をオンラインで開催しました。関東学院大学・牧瀬ゼミの皆さんのご協力のもと、中学生、高校生、企業と、異なる立場の方々から意見をいただくことができ、今後の可能性を感じる催しとなりました。

★オンラインによる市民広聴や市民との意見交換・合意形成等について、市の取り組みの現状と、今後の展開をうかがいます。

【答弁:藤本市民自治部長】

 議員ご指摘のとおり、ZOOMなどのICTを活用することは、コロナ禍においても、人と人とが接触をせずに、市民の意見を伺ったり、意見交換を行うことができる有効な方法と捉えております。このコロナ禍にあって、それぞれの地域において、LINE、ツイッター、facebook、YouTubeやZOOMなどを用いて取組が行われております。

 具体的には、市民センターのお知らせの動画配信や災害等の地域情報の発信、郷土づくり推進会議や地域活動団体等の会議の開催、3.11に学ぶ命の大切さを考える防災講演会や電子版街歩き等の各種事業の実施、地区全体集会に代わるアンケート調査、大学生等との交流会などが、地域の様々な活動団体と市民センター・公民館との協働により行われております。こうした取組が、新たな意見を伺う機会にもなっており、これまで地域に関わりのなかった新しい層の方々の関心に繋がっているとも伺っております。

 今後につきましても、こうしたICTを活用した取組を地域の実状に合わせて広げていくことにより、幅広い世代の多様な人たちに関心を持っていただけるよう、積極的な情報発信を行うとともに、市民の意見交換や合意形成の新たな機会として、その環境づくりを進めてまいります。

※引き続き質問

 高齢者施設をはじめとする事業所でのクラスター防止、障害があるため感染症対策が難しい方、言葉の課題がある外国につながる方への対応など、コロナ禍収束のためには「誰一人とりのこさない」取り組みも求められます。また、要介護者を介護するケアラーが感染した場合、誰がどのようにケアを継続するかも、非常に切実な課題です。

★コロナ禍の下における「誰一人取り残さない」市の体制について、現状認識と今後の体制拡大への考えをうかがいます。

【答弁:阿南保健所長】

 高齢者や障がいがある方、言葉の課題がある外国につながる方も含めまして、新規陽性患者が発生した際には、個別に積極的疫学調査を行う中で、症状のほか、他の疾患の状況や、ご家族の状況、ご住居の状況等を伺い、その調査結果に基づき、患者それぞれの事情を考慮した上で、療養先を決めているところでございます。

 また、要介護者を介護するケアラーが感染した場合の要介護者への対応につきましては、個別の事情を考慮した上で、「神奈川モデル」において設置されている、「短期入所協力施設」や「ケア付き宿泊療養施設」等への入所について、神奈川県と調整するものでございます。

 今後につきましても、保健所において、陽性患者の個別の事情を正確に把握し、個別の事情に応じ、速やかに療養の体制が確保できるよう、庁内関係各課と連携して適切に対応してまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 「誰一人取り残さない」課題は、経済的な補償についても当てはまります。現在、「新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金」が交付されていますが、対象店舗が限られています。この協力金については、店舗の規模によっては全く不十分との声もあり、飲食店をはじめ人が集まる業態については時短による厳しい経営環境が続いています。その一方で協力金の対象から漏れている業種も多く、「不公平」との声も聞かれます。

★行動制限への協力を求める以上は業種を問わず幅広い事業者への支援が必要だと思いますが、市の考えをうかがいます。

【答弁:鈴木市長】

 昨年4月、国から緊急事態宣言が発出されて以降、休業や営業時間の短縮要請、イベントの開催制限などにより、本市の経済は多方面で大きな影響を受けてまいりました。また、秋口にかけての第2波は、一度は収束に向かいましたが、年末にかけて新規感染者数が急増して第3波となり、再び緊急事態宣言が発出されたことにより、要請に協力した飲食店に対しては協力金が交付されますが、市内経済への影響はますます厳しさを増しております。

 市民や事業者の皆様には、この間、外出自粛や営業時間の短縮など、感染拡大防止に多大な御協力をいただいているところでございますが、今後の市内経済の回復には、市内の事業者が、引き続き事業を継続していただくことが何より大切であると考えます。
 そのため、売上が半減までは至らずに、 国による最大60万円の一時支援金の対象とならない事業者を含め、コロナ禍で影響を受けた、幅広い業種の事業継続への支援となるような施策を、経済団体と共に講じてまいります。

※引き続き質問

 一方、新型コロナウィルス感染症によりもっとも深刻な影響を受けているのが観光、飲食業などです。施政方針では観光関連産業の早期復興につなげるため、江ノ島サムエルコッキング苑のリニューアルを進めることが示されています。

★観光施策とあわせて市内中小飲食店への支援もぜひ必要ではないでしょうか。お考えをうかがいます。

【答弁:中山経済部長】

 飲食店のうちキッチンカー事業者につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のためにイベントの開催が制限されたことにより、特に大きな影響を受けていたことから、今年度、実証実験を踏まえたキッチンカー支援事業として本庁舎市民広場を販売場所として提供しているところでございます。

 一方で、市内で店舗を営む飲食店につきましては、今般の緊急事態宣言によって、外出自粛及び時間短縮営業が要請されたことで大きな影響を受けており、テイクアウトやデリバリーに対応できない事業所もあると伺っております。そのため、そのような飲食店への支援策として、何らかの形で販売機会の提供などが図れるよう、関係部局や経済団体などと調整を進めてまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 また、文化芸術・エンタテイメント業界も同様で、とりわけ舞台・ライブについては存続の危機とも言える状況です。本市でも、市民会館の利用について、大ホールだけでも300件がキャンセルになり、市財団の主催・共催事業では13本の公演が中止になっています。
 こうした中で、神奈川県は神奈川フィルハーモニー管弦楽団に対し「ふるさと納税」の制度を用いて寄附を募るなどの支援を行っていま。

★本市においても、舞台・ライブ関係者など文化芸術の分野への支援が不可欠だと考えます。現状と今後の取り組みについて、うかがいます。

【答弁:神原生涯学習部長】

 この度の新型コロナウイルス感染症の影響から、国によりイベントの規模やホール等の施設利用に一定の制限がなされたことで、予定していた発表会が行えなくなるなど、多くの文化団体の活動に影響がございました。
 このような中、市民会館や市民シアター、市民ギャラリーにおきましては、一部指定管理者の協力も得た中で、ご利用予定であった方が施設使用を取りやめされた場合には、通常は既納使用料の50%の還付としているところ、その全額を還付させていただくこととし、間接的にではございますが、その支援を行ってまいりました。

 また、アートスペースにおきましては、展覧会の会期の変更やインターネットでの配信等を行うことで、可能な限りアーティストの作品をご覧いただけるように取り組んでまいりました。さらに、公益財団法人みらい創造財団におきましては、中止とした事業の一部について、無観客で演奏会等を実施したうえでインターネットにより配信をすることで、芸術家等の活動の場を確保するとともに、市民が芸術鑑賞を行える機会を提供しました。

 加えまして、みらい創造財団におきましては、コロナ禍で事業費の確保が厳しくなるなか、市民オペラをはじめとする文化芸術活動に対してクラウドファンディングの活用を予定するなど、事業継続にも努めているところでございます。
 文化芸術が置かれている状況は大変厳しいものではございますが、今後につきましても、国・県の動向や社会情勢等を踏まえた上、柔軟な対応を行うことで、芸術家等への支援、並びに文化芸術活動の維持に努めてまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 新型コロナウイルス感染症対策のもうひとつの重要な課題は、ワクチン接種による「集団免疫の獲得」です。日本での接種も開始され、ようやくトンネルの出口が見えてきました。しかし、ワクチンには副反応を伴う場合があり、接種をためらう市民の方も少なくありません。そのためワクチン接種はあくまで「努力義務」であり、国民の「自主判断」です。行政は、リスクがある前提で市民に対して協力を求めるしかありません。

★そこで、どのように市民に対してワクチン接種への協力を求めていくのか、お考えをうかがいます。

【答弁:池田福祉健康部長】

 コロナワクチンの接種は、予防接種法上の「臨時接種」の位置付けであり、被接種者自身の意志によるものとされております。今回のワクチンについては、去る2月14日に医薬品医療機器法に基づく特例承認が行われたところであり、メディアでの様々な情報などによって、市民の期待や不安が交錯している状況であると思料しております。

 そのため、市といたしましては、まずは接種会場での副反応の対応などに万全を期することで、安全で安心できる接種に取り組むことを第一とし、その旨をお知らせすることが重要であると考えております。あわせて、厚生労働省からの情報をもとに表現の工夫を行うなど、正しい情報を分かりやすく提供するよう取り組んでまいります。こうした取り組みを継続することで、ご指摘の集団免疫の獲得という課題の解決に至ることができるものと考えております。

※引き続き質問

 つづいて行財政改革課題についてうかがいます。
 藤沢市では平成8年度からの3次にわたる行革で、763人の人員を抑制し、約508億円の財源効果を生み出しました。しかし、藤沢市の人口はこの20年で約5万5千人増加しているにもかかわらず、職員定数はあまり変わっていません。

 その結果、データのある17年前の平成14年度の残業の年間総時間は約40万3千時間であるのに対し、令和元年度は約51万2千時間と約11万時間も増えています。このことからも、職員の皆さんは目の前の仕事に追われ、余裕を失っていることが想像できます。

 そのような中で、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う新たな業務が発生したわけです。特別定額給付金の給付に関しては、給付に時間がかかったことに議会からも指摘がされましたし、マイナンバーカード申請窓口の待ち時間も課題となりました。

 さらにコロナ対策の最前線に立つ保健所からは、年末年始の陽性者の急増に際して「対応の限界」との悲痛な声が聞かれました。今回のコロナ禍で縮小する業務もありましたが、縮小する業務がない中で災害対応を求められることも当然あるわけです。その時に如何に対応できるか、体制を事前に整えておくことが重要です。

 コロナ禍の下の応援体制については、時機を逸したと言わざるを得ません。先程触れましたが、年間の総残業時間約51万2千時間を所定内労働時間1,860時間で単純換算すると約275人になります。これは275人分の残業を犠牲にして人員抑制していると捉えることができます。この275人分を0にしろとは言いませんが、このことを前提とした人員配置が課題です。

★今回のコロナ禍での経験を踏まえ今後、柔軟な庁内応援体制を可能とした執行体制の構築が必要です。市の考えをうかがいます。

【答弁:林総務部長】

 今回の新型コロナウイルス感染症への対応などのように、当初の想定を大きく上回るような業務が相当量発生し、現行の人員配置体制での対応が困難な場合には、これまでも、緊急的な庁内応援体制を構築し、対応してまいりました。

 一方で、そうした緊急的体制を構築するまでには、応援職員の派遣元において、市民サービスへの影響を最小限とするため、必要性の高い業務の継続確保や業務縮小を行うことなどに一定の時間を要したことは、課題として認識しております。

 こうしたことから、想定外の業務へ即応できる人員を生み出すため、一時的な業務の縮小や緊急配備職員の運用など、適時に庁内応援体制を構築できる事前の仕組みづくりを行ってまいります。また、今後も社会情勢の変化を踏まえ、各職場の業務量に対応した適切な人員配置に努め、柔軟な応援体制の構築につながるよう、課題の解決を図ってまいります。

※引き続き質問

 新年度に向けて、市民病院の夜勤専用看護師、看護助手の病棟配置、学校給食におけるパート職員、保育職場における会計年度職員など、欠員が想定されていると聞いています。

★年度当初の欠員はあってはならないことであり、どう解消していくのかうかがいます。

【答弁:林総務部長】

 令和3年度に向けた会計年度任用職員の募集につきましては、まず、11月以降の公募試験を実施するにあたり、広報ふじさわや市ホームページ、また、民間のフリーペーパーや折り込みチラシ、民間の求人サイトへの掲載など、幅広い媒体を活用し、募集を行ってまいりました。
 現在も募集を行っている中、病院や保育園内にもポスターを掲示するなど、身近な方々に広く目にしていただくよう工夫し、応募につながるよう努めております。
 新年度に向けまして、引き続き、様々な媒体を活用しての募集の周知を図るとともに、職場で働く職員自らが知人に募集内容を紹介するなど、できる限り任用に結び付くよう取り組んでまいります。

※引き続き質問

 2月15日、藤沢市は「気候非常事態宣言」を発しました。2050年までに二酸化炭素排出ゼロを目指すためには、気候非常事態宣言にあるように「市民・事業者・行政などあらゆる主体が広く情報共有し、協働して」取り組むための、強いリーダーシップが欠かせません。

★鈴木市長の、取り組みに向けた決意をお聞かせください。

【答弁:鈴木市長】

 施政方針でも述べたとおり、地球温暖化の影響とみられる気候危機については、国内のみならず、世界が連携して取り組むべき重要課題となっております。脱炭素社会の実現は、行政だけでなく、市民一人一人が行動するとともに、事業者などあらゆる主体が広く情報共有し、協働して取組を進めることが、大変重要であると考えております。

 本市では、「気候非常事態宣言」の、1つ目の柱に「2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指す」として、「ゼロカーボン」を掲げ、美しい砂浜が広がる湘南海岸やみどり豊かな里山など、かけがえのない自然環境を次世代に残し、引き継いでいくため、気候非常事態宣言の趣旨のもと、様々な機会を通じて、広く情報発信に努めてまいります。

 また、気候変動への行動を加速させるため、国や県、ゼロカーボンを掲げている他の自治体や、事業者とも連携し、地球温暖化対策の調査研究などを進めるとともに、「藤沢市環境基本計画」、「藤沢市地球温暖化対策実行計画」等についても前倒して改定し、2050年二酸化炭素排出実質ゼロを見据えた有効な施策を示してまいりたいと考えております。

※引き続き質問

(2)安全で安心な暮らしについて

 防犯にかかわる職員や市民の皆さんのご努力によって、藤沢市の刑法犯認知件数は年々下がり続け、近年は年間3,000件を大きく下回るようになりました。もちろん、特殊詐欺など悪質な犯罪も増加していますから、手放しで喜ぶわけにはいきません。ですが、かつて「暴力団の町」だった藤沢をここまで立ち直らせた市民や警察、そして防犯担当の職員のみなさんのご努力には、心から敬意を表するものです。

 今後の犯罪の抑止について、カギを握るのは「再犯」の防止です。薬物依存症については、刑事司法の場面において「処罰から治療へ」という流れが定着してきました。また来年度からは、少年院に在院する少年が在院中に通信制高校で学べる制度の試行が始まります。

★罪を償い終わった方の社会復帰対策を進めることが犯罪をなくしていく上で大きなカギをにぎります。再犯防止に向けた本市のとりくみについて、お考えをうかがいます。

【答弁:池田福祉健康部長】

 法務省の「令和2年版犯罪白書」によりますと、刑法犯の認知件数は年々減少している一方で、検挙人員に占める再犯者の割合は上昇傾向にあり、令和元年には48.8%を占めるなど、ここ数年高止まりとなっており、再犯防止の取組は喫緊の課題であると認識しております。

 そのような中で、本市では、まず保護司会との連携強化と活動支援の観点から、分庁舎の地域福祉プラザ内に更生保護サポートセンターを設置するとともに、事務局機能をみらい創造財団から藤沢市社会福祉協議会に移管いたしました。そして、保護司の活動に対する市の支援や、コミュニティソーシャルワーカー等との連携、市が取り組む地域共生社会に向けた施策との関連など、保護観察官も交えて意見交換を行い、連携を深めているところでございます。また、今年度は地域福祉計画の改定にあわせ、取り組むべき施策の柱の一つとして、更生支援を位置づけたところでございます。

 今後、地域福祉計画における施策の方向性に基づき、更生支援・再犯防止のための支援と、安全で安心な地域づくりが体系的に推進できるよう、庁内関係部局をはじめ、関係機関や地域の団体とのネットワークを構築し、具体的な取組を検討してまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 市民の人権を守る取り組みでは、とりわけインターネットを使った人権侵害をいかに防ぐかが大きな課題です。一昨年、川崎市の在日コリアンの女性に対し、ツイッターで1万件を超えるヘイト書き込みを行った男が神奈川県迷惑防止条例違反で摘発されましたが、この男は藤沢市に住む51歳の男でした。

 昨年末には川崎でヘイト街宣を繰り返してきたグループが、藤沢駅南口で街頭宣伝を行っています。ヘイトスピーチは藤沢とけっして無縁ではありません。また、インターネットを使ったきわめて悪質な部落差別が、藤沢でも起きています。この問題もけっして看過できません。

★インターネット上の差別的な書き込みが確認された場合、摘発に備えて記録を保存するとともに、迅速な削除要請を行うなどの対応を進めるべきだと思いますが、見解をうかがいます。

【答弁:佐保田企画政策部長】

 インターネットの普及、情報化の進展に伴い、インターネット上において、人の尊厳を傷つける誹謗中傷やいじめなど、人権に関するさまざまな問題が発生しております。特に、インターネット上の情報は一度拡散されてしまうと完全に削除することが困難であり、社会問題となっております。

 本市といたしましても、差別や人権侵害はあってはならないものと認識しており、インターネット上で部落差別やヘイトスピーチのような差別的書き込みを確認した場合には、横浜地方法務局に相談し、削除を依頼するなどの対応を図っております。今後も、一人ひとりの人権が尊重される社会の実現を目指し、国、県及び関係団体等と連携し、意識啓発等に努めるとともに、人権施策を積極的に推進してまいります。

※引き続き質問

 現在、藤沢市には約6,000人の外国人市民が暮らしています。日本国籍は持っているものの外国にルーツを持つ方や、国際結婚によって生まれた「ミックスルーツ」の方たちを合わせれば、外国につながる市民は1万人に及ぶと言われています。

★外国にルーツを持つ市民との共生の課題については、どのように取り組まれるのでしょうか?

【答弁:佐保田企画政策部長】

 本市では、「藤沢市多文化共生のまちづくり指針」に基づき、コミュニケーション支援や生活支援など多文化共生施策の取組を進めております。本市の外国につながりのある市民は増加傾向にあり、ルーツとなる国や母語、文化、アイデンティティは様々で、外国につながりのある市民と相互に理解を深めることが重要であるため、一層の取組強化が課題と捉えております。

 これまで、外国につながりのある市民が、必要な情報や支援を必要な時に得られるよう、市ホームページ等において行政情報や新型コロナウイルス感染症の情報等を多言語及びやさしい日本語で提供し、情報提供の充実を図ってまいりました。また、外国につながりのある市民の地域での暮らしには日本語の習得が大変重要であることから、日本語の習得が十分でない方や日本語でのコミュニケーションが困難な方の支援をするため、国や県、関係団体等と連携して日本語教育の推進にも取り組んでおります。
 今後も、国籍や民族・生活習慣の違いを認め合い、人権を尊重しながら、外国につながりのある市民と共に生きる地域社会づくりを目指してまいります。

※引き続き質問

(3)健康で豊かな長寿社会について

 昨年の3月、埼玉県議会において全国初の「家族介護者支援条例」、いわゆる「ケアラー支援条例」が成立しました。また神奈川県においても黒岩知事が「ケアラー支援」を進めていく見解を表明しました。これらが画期的なのは、従来の「より良い介護のため」の家族支援ではなく、家族介護者(ケアラー)が、介護やケアによって自分らしい生活や仕事、人生を奪われることのないような支援を目的としていることです。

★介護によって介護を「する」側の生活や人生が奪われることのないようなケアラー支援が必要です。このことについて、お考えをうかがいます。

【答弁:池田福祉健康部長】

 本市はこれまで、ヤングケアラーへの支援を目的とした研修会や、ケアを担う方の地域での孤立防止、また、介護負担による虐待の予防を目的に、家族介護者教室の開催など、様々な部局において、ケアラー支援を実施し、事業の一部におきましては、介護者自身の生活やメンタルケアの視点を入れて実施してきたものもございます。
 しかしながら、介護離職やダブルケア、遠方介護に老老介護など、社会の状況により多様化してきた現状に、ケアラーの方に対して、丁寧な対応が十分ではないと認識しております。

 昨年12月の議員全員協議会におきまして、お答えさせていただきましたが、ケアラーという言葉が地域との連携や企業との連携の中におきましても、定着されていないと考えていることから、現在、ケアラーを認識していただくためのリーフレットを作成し、新年度から、地域住民の皆様や、支援関係者を対象とした啓発活動にも活用できるよう準備をすすめているところでございます。
 また、ケアラー支援は様々な分野にわたり課題を包含していることから、令和3年4月1日に施行されます共生社会の実現に向けた重層的支援体制の整備におきまして、支援関係機関とも連携し、関係部局とも課題を共有しながらケアラー支援を進めてまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 藤沢市で行われたヤングケアラー調査から5年が経ち、ようやくヤングケアラーの全国調査が実施されるに至りました。さらに、今後厚生労働省は今後、ヤングケアラー支援のプロジェクトチームを発足させると報じられています。いまや課題は、どのような支援を行っていくかに移っています。

 コロナ禍の下、藤沢市で取り組まれた、学校とCSWが連携して困難を抱えた家庭を支援する事業は多くの注目を集め、「全国のモデルとなる」との評価もいただきました。この取り組みは、ヤングケアラーだけでなく子どもの貧困や自殺防止など、様々な課題に応用できるものだと思います。

★この「藤沢モデル」を、今後の支援のあり方のひとつとして検討していく必要があると思いますが、いかがでしょうか?

【答弁:池田福祉健康部長】

 昨年4月の緊急事態宣言下において、教育委員会と連携し、コミュニティソーシャルワーカーが生活課題を抱えるご家庭に対し、食材の配布を行ったことにより、学校及びこれまで相談につながっていない方に対し、コミュニティソーシャルワーカーという地域で活動する相談者の存在を知っていただくこととなった点では、大きな成果であったと考えております。

 議員ご指摘のとおり、学校を起点として、困りごとを抱える世帯に対する早期支援につなげる取組については、包括的な相談支援体制の一つの形であり、また世帯の孤立を防止することにつながる点からも、今後ますます必要性が高まるものと認識しております。

 コミュニティソーシャルワーカーは、地域の様々な支援機関との連携により、個別支援を展開していく役割を担うことからも、今回の取組により得られた学校との関係性を生かし、教育委員会との連携をより一層深めることで、様々な状況に置かれている子どもやその家族が、必要な支援に確実につながる体制を確立してまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 重症心身障害児とは、重度の肢体不自由と知的障害とが重複した状態にある子どものことです。それだけに医療的ケアも含めた手厚い支援が必要です。ですが、現在藤沢には生活介護事業所はありますが、近隣の地区に療養介護入所施設はありません。もちろんこれは藤沢市だけで実現できるものではありませんが、保護者団体からは毎年、切実な要望があげられています。

★湘南東部障がい保健福祉圏域への療養介護入所施設の設置について、お考えをうかがいます。

【答弁:池田福祉健康部長】

 本市といたしましては、神奈川県が設定する茅ヶ崎市、寒川町、藤沢市の同圏域における当該施設の必要性を認識し、長期的な課題として捉えております。施設の整備につきましては、近隣自治体との意見交換を実施するとともに、「重症心身障がい児者の入所施設等の整備促進」について、毎年継続して、県へ要望してまいりました。

 要望に対する県の考え方は、「在宅生活の維持継続を目的とした医療型短期入所事業所の開設支援のほか、医療的ケア等の必要な重度重複障がい者のグループホームや日中活動の場の設置促進を図ってゆく。」となっております。
 また、県内入所施設の利用者が、定員に達していない現状や、県の考え方を踏まえると、圏域内への新たな施設整備は、短期的には難しいと考えております。

 この様な状況の中、市といたしましては、短期的な対応として、まず、医療型短期入所や、平成30年度に制度化された重度の方にも対応した、日中サービス支援型グループホームの利用状況を精査するとともに、県と連携し、医療的ケアが必要な方の将来的な生活の場の確保について検討を進めてまいりたいと考えております。

※引き続き質問

(4)子どもたちの笑顔と元気について

 コミュニティ・スクールは、学校と保護者や地域の皆さんがともに知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させることで、一緒に協働しながら子どもたちの豊かな成長を支え、「地域とともにある学校づくり」を進める仕組みです。その意義は十分に認めますが、ただでさえ多忙な学校に今以上の負荷を負わせるものであっては意味がありません。藤沢市ではこれまでも学校・家庭・地域の連携事業が行われており、その成果の上に立った取り組みを基本とすべきです。

 今後の試行に際してご検討いただきたいのは、子どもの意見の学校運営への反映です。藤沢市議会は過日、湘南台高校の生徒の皆さんから提出された「ハツシユタグ#ふじキュン課を設置してほしい」との陳情を主旨了承しました。これは、子ども・若者にかかわる政策には、ぜひ当事者の意見を反映させてほしいという主旨です。

 「藤沢市子ども共育計画」も「子ども・若者の年齢や発達の程度に応じて、子ども・若者の意見が尊重され‥‥なくてはなりません。」と定めたはずです。「主権者教育」やアクティブラーニングの第一歩は、まず自分たちの学校の課題を、児童生徒自らが考え、論議し、改善していくことではないでしょうか。

★学校運営協議会の論議に際しては、児童生徒の意見の反映についても検討していただきたいと思いますが、お考えをうかがいます。

【答弁:松原教育部長】

 学校運営協議会への、児童生徒の意見反映についてでございますが、学校では子どもたちの「主体的に生きる力」を育む機会として、様々な場面において自ら考え、話し合うなどの自治活動を進めており、このような活動の成果を、協議会の委員となっている学校関係者を介して、学校運営協議会の場に反映することは可能であると考えております。

 教育委員会といたしましては、学校運営協議会の設置に向けては子どもたちをはじめ、地域の方々や保護者、教職員など、関係する皆様からの意見にしっかりと耳を傾け、地域と学校が一体となって藤沢の子どもたちの育ちを支える仕組を構築してまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 来年度から、年次進行で小学校の全学年に35人学級が導入されることになりました。このことはおおいに歓迎しますが、悩ましいのは、いまだに児童生徒が増加を続けている藤沢で、どのように教室を確保していくかです。

 将来的な児童生徒の減少を考慮すれば、学校の新設は困難と言うことは理解しますが、横浜市では児童数が減少に向かうまでの期限を定めた学校を新設したり、分校を開設するなどの対応も行っています。児童が急増している白浜養護学校への対応もあわせ、抜本的な対策が必要です。

★少人数学級の導入に向けた、今後の教室確保についてのお考えをうかがいます。

【答弁:須田教育次長】

 本市におきましては、辻堂小学校などの一部の学校において、過大規模の状況が継続しており、解消に向けた対応が必要であることは認識しております。また、国の方針に基づき、少人数学級の段階的な実施にあたり、さらなる教室の確保が必要となる中で、一部の学校におきましては、学級数が保有学級数を上回り、教室不足が見込まれております。

 短期的な教室確保の対応といたしましては、児童生徒推計の推移に注視し、教室不足が予想される際は、適切な時期に、一時的な教室転用や施設内改修による教室の増設、あるいは仮設校舎の設置などにより、教育環境の低下を招くことがないよう対応してまいります。

 なお、中・長期的な対応といたしましては、来年度から設置する予定の「(仮称)藤沢市立学校適正規模・適正配置検討委員会」において、過大規模校の解消に向けた学区の見直しを含めた適正配置の検討や、白浜養護学校における過大規模の解消対策を含め、具体的に学校規模の適正化に向けた方向性について検討してまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 すべての子どもが地域の学校で共に学ぶ「インクルーシブ教育」は、これからの学校がめざすべき重要な課題です。施政方針では特別支援学級の整備についてのみ記載してありますが、障害のある児童生徒が通常学級への就学を希望した場合の合理的配慮も必要な課題です。
 もちろん、合理的配慮には「その負担が過重でない限り」という限定がついています。必ずしもすべてが実現できるわけではありませんが、だからこそ必要なのは「建設的対話」を通して共通理解を深めていくことです。

★「建設的対話」は、障害の問題に限らず学校が児童生徒や保護者に向きあうときの基本だと考えますが、この点の現場理解をどのように深めていくかについて、うかがいます。

【答弁:松原教育部長】

 特別な支援を必要とする児童生徒への配慮につきましては、学校が本人・保護者の意向を最大限に尊重し、互いに信頼関係を築きながら、建設的な対話の下で、合意形成を図っていくことが大切であると考えております。

 教育委員会では、その考えのもと平成28年度に策定した「藤沢市立学校における障がいを理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」を全教職員に周知いたしました。さらに、その要領の趣旨については、校長・教頭会での周知をはじめ、教職経験者研修及び校内支援担当者会等の中で、啓発に努めてきておりますが、現状では十分に理解が進んでおらず、建設的対話の実施に至っていない学校もあるものと認識しております。

 教育委員会といたしましては、今後も障がいのあるなしにかかわらず、配慮が必要な児童生徒やその保護者に対して、支援教育の視点に立ち、共通理解を深め、各学校において建設的な対話による実践が進められるよう、働きかけてまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 お茶の水女子大が平成25年度に行った調査において、家庭の経済的・社会的状況と子どもの学力にはきわめて顕著な相関関係があることが明らかになりました。これは「藤沢市子どもと子育て家庭の生活実態調査」の結果にも、明確にあらわれています。

 子どもたちの「困難」の原因はもちろん経済的な問題だけではありませんが、「経済的貧困」がもっとも中心的な課題であることは明確です。その点をあいまいにすべきではありません。コロナ禍の下、「子どもの貧困」はむしろ拡大しています。進学をあきらめたり、将来に希望を持てない子どもたちが増えています。加えてICT教育の進展が、一方で「デジタル格差」と呼ばれる格差につながることも懸念されています。

★今日的な状況をふまえた子どもの貧困対策について、どのように進めて行くお考えでしょうか?

【答弁:宮原子ども青少年部長】

 少子超高齢化の進展により人口構造は変化を余儀なくされ、核家族化をはじめ、家族の小規模化が進んでいます。また、加速するICT化と情報社会では、便利な生活を享受する一方で、「孤立」という社会課題を表出させました。

 今般のコロナ禍におきましては、経済格差や教育格差がさらに広がりを見せており、かつ、「みんなと同じでなくてはならない」という同調圧力が、子どもたちの生きづらさや、息苦しさにつながっております。孤立と格差、同調圧力は、夢や希望を持つことができない、あきらめることで自分と折り合いをつけてしまう子どもを生みだすことにも繋がっており、子どもの自己肯定感の醸成の阻害要因となっているものと捉えております。

 こうした子どもたちの暮らしを支えるためには、習熟度をあげるための学習支援など、子どもの認知能力を高める取組のほか、食の提供やサードプレイスの充実など、子どもの非認知能力を高める取組を合わせて進めることが重要であると認識しております。
 子どもは可能性の宝庫で、我々大人は、様々な子どものありのままを受けとめられる社会を形成していく必要があると考えております。そのためには、ダイバーシティ&インクルージョン社会の形成が、大変重要であり急務であることから、地域や学校がどうあるべきか、既成概念に捉われることなく徹底的に議論し、これまで以上に、行政、地域、学校が一丸となって、子どもファーストの視点で子どもの貧困対策の取組を進めてまいります。

※引き続き質問

 今日、学校の教職員の抱える課題の代表的なものは、「長時間労働」と「困難な保護者対応」です。このうち「困難な保護者対応」については、今年度よりスクールロイヤーを配置していただきました。これは教職員のコンプライアンス意識の向上という点でも、非常に重要なことと感謝いたします。
 
 一方、教職員の長時間労働については依然として抜本的な改善は見られません。それどころか教職員の劣悪な労働環境が社会的に認知されたことが教員志望者の減少の一因ともなり、あらたな課題を生んでいます。神奈川県の教員採用試験の応募倍率はこの10年で半減しました。藤沢でも産休や療休などの代替者がみつからず、欠員を抱えたまま授業を行っている学校さえ生まれています。

★持続可能な学校教育のために、教職員の「働き方改革」は喫緊の課題ですが、その進展の状況についてうかがいます。

【答弁:岩本教育長】

 本市におきましては、「藤沢市立学校教職員の働き方改革基本方針」に基づき、学校関係者や教育委員会関係課で構成する「働き方改革推進委員会」において、具体的な取組について検討を進め取り組んでおります。これまで、夏季学校業務停止期間の実施や部活動指導員の配置、音声ガイダンスによる時間外電話対応の軽減やグループウエアを活用した出退勤管理など、主に制度面での環境改善を図ってまいりました。

 今年度につきましては、人材活用・人的支援の面において、学校現場が抱える様々な問題に対し、法的観点から助言、指導が受けられるよう、市費でのスクールロイヤーを配置し、併せて、県費によるスクールサポートスタッフが配置されたことで、教職員の負担軽減に大きな効果があったものと認識しております。

 また、業務量の削減に向けて、教員が本来担うべき業務とその他業務との整理を進めるとともに、長時間労働に伴うセルフマネジメントの取組として、 ひと月の超過勤務時間が80時間を超えた教職員を産業医面談につなげられるよう、労働安全衛生の管理体制の強化を図りました。

 今後につきましても、長時間労働の解消に向けた取組を進め、教職員自身が心身ともに健康で、元気でいきいきと働き、児童生徒としっかりと向き合え、子どもたちの豊かな学びや健やかな成長につながる環境づくりに努めてまいります。併せて、魅力ある職業として教員を目指す志願者が増えるよう、引き続き、教職員の働き方改革を進めてまいります。

※引き続き質問

 施政方針ではICTを活用した学習環境の充実を図るため、学校ICT支援員の増強を行い、児童生徒をサポートをすることが示されています。

★ICTを活用した学習教育を進めるためには、小中学校におけるネット環境の改善などインフラ整備について、迅速に対応する必要があります。お考えをお聞かせください。

【答弁:須田教育次長】

 小中学校におけるネット環境の整備につきましては、これまで市内集約型のネットワーク回線を利用していたため、各学校からのアクセスが集中することによりネットワークの遅延が発生しておりました。現在は、各学校から直接インターネット回線に接続することで、ネットワーク上の混雑が回避できるローカルブレイクアウト方式に変更する整備を進めており、年度末までに終了する予定でございます。

※引き続き質問

 どのような物事にも必ずメリットもあれば、デメリットもあります。ICTの導入は重要な課題ですが、前のめりになるあまり、デメリットへの対応が置き去りになってはなりません。日本眼科医会は、長時間画面を見続けることが成長段階における子どもの視力に影響を与える「IT眼症」に警告を発しています。また視力への影響だけでなく、睡眠の質や依存症など、メンタル面への影響も懸念されます。

★子どもたちの健康を守りながらICT教育を推進するためには、ガイドラインの作成と遵守、さらには家庭への周知が必要と考えますが、見解をお聞かせください。

【答弁:須田教育次長】

 ICTを活用した教育の推進にあたっては、子どもたち一人ひとりの健康に留意して行う必要があると認識しております。現在の取り組みといたしましては、文部科学省よりガイドラインとして提示されている「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」を市内小中学校に配付し、周知を図っております。

 また、本市独自の取組といたしまして、端末を30分使用するごとに休憩し、連続での使用時間の制限を設けたり、画面を見る角度や姿勢等を記載した手引書を作成し、既に1人1台端末の運用が始まっている中学校を対象に配付を行っているところでございます。

 今後におきましては、年度末までに整備が完了する小学校にも中学校と同様の手引書の配付を行う予定でございます。引き続き健康を守りながらICT教育を推進するための方策について、児童生徒や家庭に対し周知してまいりたいと考えております。

※引き続き質問

 昨今、子育てをする人たちの生活環境が大きく変化していることから、母親の身体的回復と心理的安定を促進し、安心して育児を行うことを支援する「産後ケア」事業の必要性が高まっています。今回、施政方針に「産後ケア」事業が具体的に示されたことは高く評価します。ただ、提案されたデイサービスでは利用時間もわずかであり、その内容も休息など限定的なものとなっています。

 産後うつ予防や児童虐待予防の観点を含め、母親が産後の体を休め、子育てや赤ちゃんと過ごす時間を少しずつ受け入れ自信につながっていくことができるように、宿泊型も念頭に置いた「産後ケア」の導入が必要です。

★今後の事業方針についてうかがいます。

【答弁:宮原子ども青少年部長】

 令和3年度に市で実施する産後ケア事業につきましては、ニーズ調査で把握した要望を踏まえ育児自体の不安の軽減を目的に、母親の身体的ケア及び保健指導や栄養指導、産後の身体を気遣う食事提供などの母親の心理的ケアなどを提供するデイサービス型でモデル的に実施をしてまいります。
 令和4年度以降には、宿泊型や訪問型につきましても、利用に地域格差が生じることがないよう日常生活圏域を見据え、施設や医療機関の空き病床の活用、助産師等の専門職の確保など、段階的にサービス提供体制の整備を進めてまいります。

※引き続き質問

(5)都市の機能と活力について

 いま、コロナ禍で「住まい」を失う人たちが激増しています。特に昨年の緊急事態宣言でインターネットカフェが閉鎖された結果、それまで可視化されていなかった「ネットカフェ難民」と言われる人たちが、一斉に路上生活に投げ出されることになりました。

 このことは日本の住宅政策が、いかに脆弱だったかということを端的にあらわしています。高齢、外国籍、あるいは障害などを理由に、アパートへの入居を断られる事例も後を絶ちません。これらのことから、改正住宅セーフティーネット法に盛り込まれた「断らない住宅」への期待は大きなものがあります。

★「居住支援協議会」の現状と、今後の取り組みについてうかがいます。

【答弁:奈良計画建築部長】

 本市の居住支援協議につきましては、令和2年8月に設置をして以降、3回に渡り、会員である居住支援法人、不動産団体、藤沢市社会福祉協議会、行政等において、各々事例を持ち寄り意見交換を重ねてまいりました。それぞれの立場から課題や考え方が示され、居住支援の方法や、賃貸物件オーナーの安心感に繋がる既存の福祉施策について、また、不動産業界の仕組みなどについて、お互いに理解を深めてまいりました。

 協議会の課題といたしましては、賃貸物件オーナーの理解を得ること、そして、住宅確保要配慮者の受け皿となる賃貸物件の拡充を図ることが大きな課題となります。今後、不動産店や賃貸物件オーナーに対して、直接訪問による個別説明を行い、また、啓発セミナーの開催をするなどして、会員全員で居住支援体制の構築を図っていきたいと考えております。

※引き続き質問

 去る2月8日、神奈川県と藤沢市、鎌倉市は東海道本線の(仮称)村岡新駅設置についてJR東日本と合意し、覚書を締結しました。私たちはこの新駅建設について、基本的に反対するものではありません。しかし、新駅設置により、藤沢市にどれだけの将来メリットと課題解決効果があるのか、まだまだ市民の皆さんのご理解をいただけるだけの情報が提供されているとはいえません。

★村岡新駅の建設に際しては市民の声に丁寧に向きあうとともに、積極的な情報提供を進めていくことが必要ではないでしょうか。お考えをうかがいます。

【答弁:川﨑都市整備部長】

 村岡新駅設置に対しては、先進的なまちづくりを期待するご意見をいただく一方で、市の財政負担や全市への波及効果、藤沢駅周辺への影響、藤沢以西の鉄道利用者へのストレス等、事業への懸念に対するご意見を頂戴しております。

 このような市民の皆様から頂戴するご意見に丁寧に向き合いながら、事業に取り組むことが必要であると認識しております。併せて、市民の皆様に、事業にご理解を頂けるよう、また期待していただけるよう、解りやすさ、親しみやすさ等の視点も持ちながら、積極的な情報提供に努めてまいります。

※引き続き質問

 健康と文化の森のまちづくりについては、昨年9月に藤沢市健康と文化の森地区土地区画整理準備会が設立され、「民間企業がパートナーとして地権者と慶応大学と連携して進める」とあります。

★北部地区の特性を活かす健康と文化の森の名にふさわしいまちづくりを進めるための本市としての方向性と、いずみ野線延伸の状況についてお聞かせください。

★また延伸に伴い、スポーツ誘致として、秋葉台公園の未整備区域の整備の見直しについての考え方についてもお聞かせください。

【答弁:川﨑都市整備部長】

 本地区では、組合施行による土地区画整理事業の実施を目指しております。まちづくりの方向性につきましては、平成28年3月に策定した健康と文化の森地区まちづくり基本計画に基づき、「環境共生」「健康・医療」「農を活かす」及び「活力創造・文化・交流」の4つのテーマで、健康の森や農地などの優れた自然環境や、慶應義塾大学、医療施設の立地を活かしたまちづくりを進めることとしております。

 今般、昨年12月に準備会が決定した事業化検討パートナーからは、この4つのテーマと、地権者と検討を進めてきた将来のまちの姿の案を踏まえたまちづくりコンセプトが提案されており、現在、検討を進めております。今後とも、準備会及び事業化検討パートナーと共に、慶應義塾大学、藤沢市の4者が緊密に連携し、周辺の自然環境を活かすことや、慶應義塾大学を核とした研究開発施設の誘致など、地域の特性を活かしたまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

【答弁:奈良計画建築部長】

 相鉄いずみ野線の延伸につきましては、平成28年4月、国の交通政策審議会の答申において、湘南台から寒川町の倉見までの延伸が位置づけられました。その後、神奈川県や鉄道事業者などとともに、まずは、湘南台から倉見までのほぼ中間にある慶應義塾大学付近までを先行区間とし、事業採算性等の検討を行っているところです。

 今後は、鉄道利用者を増やす方策について検討を深めるとともに、鉄道事業のコスト縮減や国の補助金を活用した事業スキームなど、事業採算性の確保に向けた検討を進めてまいります。「健康と文化の森」のまちづくりが動き出す中、鉄道延伸についても、まちづくりと連携して円滑に進むよう、先行区間の早期実現に向けて神奈川県等と連携して取り組んでまいります。

【答弁:川﨑都市整備部長】

 秋葉台公園は計画面積約13.4ヘクタールのうち、現在、約7.72ヘクタールを供用開始し、体育館、球技場、プールなどを整備して開設しているところでございます。未整備区域は、北部第二(三地区)土地区画整理事業区域内であり、用地については土地区画整理事業により確保してまいります。

 また、未整備区域の計画は、平成11年度に基本計画を見直し、野球場1面、テニスコート8面の他、スケートボード広場などを計画しております。しかしながら、見直しから時間も経過しており、市民ニーズや本市財政状況、並びに、スポーツ誘致としての考え方も踏まえ、いずみ野線延伸や土地区画整理事業の進捗による時代の変化に合わせ、公園施設全体計画の見直しが必要であると考えております。

※引き続き質問

(6)藤沢市の未来について

 神奈川県内の文化財は、自治体ごとにその所有者に特徴があります。横浜では、県庁本庁舎に代表されるように公的機関が所有する文化財が少なくありません。鎌倉では寺社仏閣など宗教法人所有、箱根では旅館やホテルなど企業所有の文化財が多く、これらはいずれも維持保存が比較的容易です。

 ところが藤沢の文化財の特徴は、個人所有のものが少なくないことです。この場合、維持も個人の善意に頼るところが大きく、相続によって失われてしまうことも懸念されます。幸い、旧桔梗屋については保存が実現することとなりましたが、このままでは藤沢宿の文化財保護は常に綱渡りを強いられることとなります。全国的には基金を設けるなど、個人所有の文化財保護に知恵が絞られています。

★藤沢市の個人所有の文化財の、長期的な視野での保護政策についてどのようにお考えでしょうか?

【答弁:神原生涯学習部長】

 本市には、市や寺社、民間の法人が所有をしているものを除き、彫刻や工芸品等の指定文化財9件、建造物の国登録有形文化財9箇所14件が個人所有となっており、未指定のものも含めますと、非常に多くの文化財がございます。文化財保護法では、文化財の保存管理については所有者が主体的に行うものとされておりますが、様々な理由から次世代への継承が難しい文化財があることも認識しております。

 そのような個人所有の文化財を保護していくために、所有者の置かれている状況を十分に把握させていただき、所有者の皆様とともに文化財を保存し、活用していけるように取り組んでまいります。また、個人所有のものも含めて、文化財は、現在まで守り、伝えられてきた貴重な市民の財産でございます。本市といたしましては、そうした文化財に対する理解の促進に努めながら、市民の皆様とともに地域社会総がかりで文化財を次の世代へ確実に引き継ぐことができるよう取り組んでまいります。

※引き続き質問

 3R(スリーアール)で最も優先すべきことは、リデュース、つまり廃棄物の発生抑制です。特に、半永久的に残り続けるプラスチックは、その蛇口を締め、排出を抑制すべきです。2020年4月に行なわれた河川調査では、日本各地にマイクロプラスチックが確認でき、その中で人工芝が全体量の14%を占めているとの結果でした。

 人工芝の上を人が動き回ることで表面が削り取られ、風に飛ばされたり雨に流されたりして、側溝や下水道を通じて河川などに流れ出た可能性が高いと言われています。

★引地川に隣接する八部公園のテニスコートにおいて、河川流失を防ぐ対策はできているのでしょうか?また市民から本市においての人工芝施設が増加していることを危惧する声もありますが、市の見解をお聞かせください。

【答弁:神原生涯学習部長】

 八部公園における、人工芝の破片の河川流出につきましては、降雨により下水道管を通じて辻堂浄化センターに流入し、汚水処理のプロセスを経ることにより一定量は除去されているものと捉えております。

 現在、予定しております八部公園テニスコートの改修工事にあたりましては、人工芝の下水への流出の低減を目的とした金属製フィルターの導入など、対策をとってまいります。また、公園外への飛散を防ぐためのネットの設置などの対策についても検討してまいります。

 なお、人工芝については耐久性があり、サトウキビを原料とするバイオプラスチックを採用するなど、CO2削減にも努めてまいります。今後につきましても、人工芝施設を整備する場合は、環境への影響に配慮した施設整備に努めてまいります。

※引き続き質問

 介護職における人材不足は今後さらに厳しくなると予想されています。人材確保・定着、育成、技術向上は大きな課題です。いま、外国人介護職員の受け入れ支援の見直しが予定されています。

★藤沢市として将来を見通して一体的・計画的な外国人介護人材の受け入れ支援策を策定していくべきと考えますが、どのような方針かお聞かせください。

【答弁:池田福祉健康部長】

 介護分野における外国人の参入につきましては、国が、平成28年度の法改正により、介護福祉士の資格を有する外国人に対して在留資格を与えるとともに、技能実習制度に介護職種を導入し、その後も、特定技能制度を創設するなど、介護事業所への受け入れが促進される環境整備を進めております。

 そのような背景のもと、外国人を受け入れる事業所は年々増加する傾向にあり、受け入れをした事業所からは、労働力の確保はもとより、取り組む姿勢が他の職員の刺激となっているケースもあるとの前向きな評価が聞こえてくる状況にあります。神奈川県においては、事業所に就労を希望する外国人を支援することを目的として、外国人留学生と事業所とのマッチング支援事業や住居費等の一部を助成する制度などの事業を展開しております。

 本市におきましても、今年度から、留学生等に対する住居費及び生活必需品費の一部を助成する制度を創設しており、今後につきましても、事業所との情報共有を密にして、助成制度の活用を図りながら、より効果的な支援の検討を進めてまいります。

※引き続き質問

(7)オリンピック・パラリンピックの原点について

 オリンピック・パラリンピックの開催に向けた関係部局の皆さんのご努力には、あらためて敬意を表します。いま、オリンピックの「価値」やその「精神」が問われています。近代オリンピックの提唱者であるクーベルタン男爵は、「スポーツを通じて平和な世界の実現に寄与する」ことをオリンピックの目的に掲げました。だからこそオリンピック憲章はこのようにうたったはずです。

 このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会的な出身、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない。

 オリンピックの原点は、このオリンピズムの精神を実現することです。

★あらためて、この「オリンピック憲章」の理念こそが藤沢のレガシーとなるべきものと思いますが、鈴木市長のお考えをうかがいます。

【答弁:鈴木市長】

 オリンピック憲章では、オリンピック開催の目的に、「スポーツを通じて、平和でより良い世界の構築に貢献する。」とあります。また、憲章では、「人種、肌の色、性別など、いかなる種類の差別も受けることなく享受されなければならない。」と規定されております。
 さらに、東京2020大会においては、大会ビジョンの一つに、「多様性と調和」を掲げており、競技会場となる本市では、これらの理念を具現化すべく、支援方針の中で、「共生社会の推進」を柱の一つに位置づけ、大会を契機とした様々な取組を進めているところでございます。

 このような取組の中で、本市は、平成30年9月に、障がい者が安心してスポーツに親しめる環境を築くことや、市民の障がい者理解を深めることなどを目的として、「藤沢市障がい者スポーツ連絡協議会」を設立、また、令和元年12月には、ポルトガルパラリンピック選手団の事前キャンプ受け入れを契機として、同国の「共生社会ホストタウン」として登録されました。

 本市といたしましては、開催会場としての責務をしっかりと果たす中で、オリンピック・パラリンピックにより、もたらされるレガシーを藤沢の未来に繋げるため、オリンピック憲章の理念がさらに広く浸透するよう、共生社会の実現に向けた様々な取組を着実に進めてまいります。 

2番 西智議員 【市民クラブ藤沢 質問時間100分】

1. 市長の政治姿勢について

(1)今と未来を生きる市政運営について

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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