2021.6.10 建設経済常任委員会

 6月10日 9:30より、藤沢市議会建設経済常任委員会が開催され、副議長として出席しました。内容の抜粋は次の通りです。

議案第14号 市道の認定について(鵠沼945号線ほか21路線)

 寄附や開発行為に伴い起終点が変更となった路線を認定するものです。

議案第15号 市道の廃止について(鵠沼100号線ほか7路線)

 起終点の変更、払下げなどにより廃止するものです。

※上記2議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

議案第18号 藤沢市道路附属物自動車駐車場条例の一部改正について

 湘南台駅地下駐車場の管理運営手法の見直しに伴い、所要の改正をするものです。

山内委員

 湘南台地下駐車場について、これまでの管理運営の経緯は?⇒平成12年に供用開始して以降、まちづくり協会に業務委託して管理運営している。

 62億円の事業費で、起債が20億円。起債の償還金の状況は?⇒償還金は、元金20億7,500万円に対して利子7億4,800万円で、総額28億2,300万円。

 まちづくり協会にはシルバー会員が従事しているが、指定管理となった場合、高齢者の雇用はどうなるのか?⇒高齢者の就業機会の提供など、運用について募集要項に入れていく。

 利用料金は指定管理者が独自で設定できるのか?⇒条例で定める範囲内で独自で設定できる。

 今後の予定は?⇒6月下旬から8月に公募し10月に事業者を選定、その後、12月議会に上程する予定。応募資格は、過去3年で同規模の管理実績があるところ。

栗原委員

 現在、設備面で不具合はあるか?⇒動かしていない機械式設備で若干不具合あり、修繕をする予定。

 消防施設など、建物内の他の設備に不具合はあるか?⇒ない。

※この議案は、山内委員のみ反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

議案第22号 藤沢市自転車等駐車場条例の一部改正について

 藤沢駅北口に新設する有料自転車駐車場を公共の用に供するものです。

栗原委員

 駐輪場までの通路の幅は?⇒北口通り線から入る通路は4m。

 通路に駐輪されるのでは?⇒放置自転車禁止区域なので巡回を強化していく。

 ラックにごみが捨てられた場合の対応は?⇒指定管理者にお願いすることとなる。

 バイク置き場の考えは?⇒今回の所は自転車利用。

 藤沢駅北口周辺はバイク置き場は十分ということか?⇒民間バイク駐車場68台分を2年前に整備したが、利用率が1割程度。分かりにくいので周知していく。

山内委員

 今回は有料で1回100円ということだが、さいか屋は2時間無料としている。無料の時間枠をつくるべきだが?⇒商業施設は店舗利用者への特定サービスにので、無料枠は設けない。

※この議案は、山内委員のみ反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

議案第27号 藤沢市工場立地に関する準則を定める条例の制定について

 工場立地法の一部が改正され、工場の緑地面積等に関する準則を定める権限が、都道府県及び政令市から市町村に委譲されたことに伴い、本市における当該準則を定めるものです。

議案第28号 藤沢市緑の保全及び緑化の推進に関する条例の一部改正について

 質の高い緑の創出を図るため、緑地率の確保に関する基準等を見直すとともに、藤沢市生物多様性地域戦略に係る手続きを規定するため、所要の改正をするものです。

山内委員

 国で定めた緑地面積率は?⇒緑地率は20%、環境緑地面積率は25%。

 他市の状況は?⇒9市で県の基準を緩和している。今回の緩和については、経済団体、みどり関係団体と協議したもの。

 緑化率を緩和しないで企業に理解を求めるべきだが?⇒市内事業者から社屋の建替え時は緑化率が課題と聞いている。他市への企業流出しかねないので緩和は必要。

 CSR活動の協定について、内容を遵守させる取り組みは?⇒協定締結後、活動報告も義務付ける予定。協定に沿った活動ができていない場合は、緑地の確保を指導していく。

 区域外の緑化面積25%分を上限として緩和している。5年経過後の売却に罰則はあるのか?⇒継続的に実施されているか把握していく。罰則はないが、確保できていない場合は、それにかわる緑地の確保を指導していく。

有賀委員

 区域外緑地の距離は?⇒生活圏として、概ね2km以内としている。

 例えば、特別緑地保全地区を買うことも可能か?⇒買わなくても緑地として保全される。

 3大谷戸の民地を民間に買ってもらうことも考えられるのでは?⇒考え方の一つ。

吉田委員

 パブリックコメントの意見は?⇒12人から25件の意見あった。緑地率の更なる緩和が3件、反対が9件、その他、CSRの意見があった。

 具体的内容は?⇒他市の状況見て更なる緩和を求めるもののほか、対象地域の拡大の意見ある。反対は温室効果ガス削減に対する懸念など。

 今回の内容について、今後、検証しながら見直しもしていくことが必要だが?⇒2月に気候非常事態宣言をし、温室効果ガスゼロをめざしている。緑の総量確保をしていく一方で、市内企業の新たな設備投資の課題を踏まえて、みどり関係団体、企業側の意見を聞きながら進めていく。

※上記2議案は、山内委員のみ反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。

報告(1)藤沢駅周辺地区及び村岡新駅周辺地区の都市整備に伴う経済効果について

 藤沢駅周辺及び村岡新駅周辺は、都市マスタープランにおいて、都市拠点として位置づけられており、この近接する都市拠点の整備にあたり、それぞれの事業実施に伴う経済効果などについて、令和2年度に調査したので、その内容が報告されたものです。

1. 藤沢駅周辺地区再整備に伴う経済効果等について

 本調査においては、駅周辺の公共施設再整備により商業施設の機能更新が誘発されたと仮定し、平成27年度の神奈川県産業連関表等を用いて経済波及効果を算出しています。

(1)試算する際の条件

 ➀更新を想定する民間施設は、サンパール藤沢(さいか屋)、増田ビル・遊行通り共同ビル(ビックカメラ)、湘南藤沢オーパ、江ノ電第一ビル(ODAKYU湘南GATE)、藤沢391街区(フジサワ名店ビル・ダイヤモンドビル・CDビル)の5箇所。

 ➁周辺で予定されている大規模開発による影響・効果を前提に検証する。藤沢駅から3km圏に位置する鎌倉市深沢地区で約31haの開発が計画されていることから、「深沢地域整備事業の土地利用計画(案)」をもとに、本調査で商業立地規模を想定し、前提として加味する。

 ➂藤沢駅周辺で更新が想定される商業施設(5箇所合計)の想定開発パターンを次のように設定する。

【パターン1】売場面積:現状維持

 ・商業(売場面積)68,000㎡(レンタプル比60%)(延べ床面積113,000㎡)

 ・業務/ホテル 28,000㎡(レンタプル比70%)(延べ床面積40,000㎡)

※レンタブル比:延べ床面積に占める収益部分の面積比率

【パターン2】地下1階~3階程度を店舗

 ・商業(売場面積)34,000㎡(レンタプル比60%)(延べ床面積57,000㎡)

 ・業務/ホテル 67,200㎡(レンタプル比70%)(延べ床面積96,000㎡)

【パターン3】売場面積の拡大(現状の2割増)

 ・商業(売場面積)82,000㎡(レンタプル比60%)(延べ床面積137,000㎡)

 ・業務/ホテル 11,200㎡(レンタプル比70%)(延べ床面積16,000㎡)

※容積率を600%から900%に緩和すると仮定(現状利用容積率810%)
※建設費として1,000億円と仮定(200億円/1箇所)

(2)藤沢駅周辺地区の経済波及効果まとめ

【経済活動に対する効果】現状の経済効果からの増減分を算出

【パターン1】

 ➀生産誘発効果

 ・第1次波及効果:直接効果約80億円/年、間接効果約30億円/年

 ・第2次波及効果:約10億円/年

 ➁誘発就業者数

 ・第1次波及効果:直接効果約660人、間接効果約240人

 ・第2次波及効果:約100人

【パターン2】

 ➀生産誘発効果

 ・第1次波及効果:直接効果約320億円/年、間接効果約110億円/年

 ・第2次波及効果:約60億円/年

 ➁誘発就業者数

 ・第1次波及効果:直接効果約2,860人、間接効果約1,340人

 ・第2次波及効果:約400人
 
【パターン3】

 ➀生産誘発効果

 ・第1次波及効果:直接効果▲約60億円/年、間接効果▲約10億円/年

 ・第2次波及効果:▲約10億円/年

 ➁誘発就業者数

 ・第1次波及効果:直接効果▲約390人、間接効果▲約290人

 ・第2次波及効果:▲約30人

【建設投資に対する効果】

 ➀生産誘発効果

 ・第1次波及効果:直接効果約1,000億円(仮定)、間接効果約270億円

 ・第2次波及効果:約250億円/年

 ➁誘発就業者数

 ・第1次波及効果:約10,600人

 ・第2次波及効果:約1,600人

【税収効果(年間)】現状からの増加分を算出(5箇所分)

 ➀固定資産税・都市計画税(建物):効果額(年間)約3億5,000万円

※建築費を1箇所140億円と仮定(建設費200億円のうちの7割として算出)

2. 村岡新駅周辺地区の整備に伴う経済効果等について

 村岡新駅周辺得の整備に伴う経済効果については、令和3年2月の当委員会で報告がされましたが、今回はそれに税収効果が追加されました。

【経済活動に対する効果】現状の経済効果からの増減分を算出

 ➀生産誘発効果

 ・第1次波及効果:直接効果約540億円/年、間接効果約160億円/年

 ・第2次波及効果:約120億円/年

 ➁誘発就業者数

 ・第1次波及効果:直接効果約4,300人、間接効果約1,400人

 ・第2次波及効果:約700人

【建設投資に対する効果】

 ➀生産誘発効果

 ・第1次波及効果:直接効果約350億円(仮定)、間接効果約95億円

 ・第2次波及効果:約85億円/年

 ➁誘発就業者数

 ・第1次波及効果:約3,700人

 ・第2次波及効果:約600人

【税収効果(年間)】現状からの増加分を算出

 ➀固定資産税・都市計画税(土地):効果額(年間)約14億5,000万円

※村岡新駅2km圏の地価上昇効果を1,800億円として算出

3. 藤沢駅周辺地区及び村岡新駅周辺地区の相互の事業による影響・効果(結果)

(1)藤沢駅周辺地区再整備の面からみると、パターン1とパターン2の間程度の商業規模の確保が望ましい。パターン3については、販売額は確保されるものの売場効率が大きく低下することから、商業環境の悪化を招く可能性が高い。

(2)村岡新駅周辺地区整備の面からみると、村岡新駅を開発することにより、新たな都市拠点として、大きな産業振興効果、駅周辺地域における大きな資産向上効果、それに伴う税収効果が見込まれる。一方、開発が行われなければ、こうした効果は全く生じない。

(3)相互の影響・効果については、村岡新駅周辺地区の整備を進めることで、村岡新駅周辺従業者の増加に伴う購買需要が藤沢駅周辺地区で見込めるとともに、両地区における業務機能の連携も期待できると判断した。

4. 今後のまちづくりについて

 今回の調査結果を踏まえながら、市全体を見据えて、より効果的な事業となるように取り組んでいく。

栗原委員

 条件では5箇所のビルとあるが、駅周辺にはイトーヨーカドー、OKストア、ドンキホーテなどもある。限定した理由は?⇒駅周辺再整備で誘発される施設を対象としたもの。

 今後、他のビルのシミュレーションもするのか?⇒現在、予定はしていないが、今後の駅周辺の整備が進む中で検討していく。

吉田委員

 令和2年度の調査だが、新型コロナの影響は加味されているのか?⇒既存データによる想定なので、加味されていない。

 コロナにより生活が変化している。業務に対する効果の考えは?⇒働き方の動向に注視していく。

 5つのビルの更新を想定しているが、簡単には更新できないと思う。公共施設再整備により機運を高めていくことが重要だが?⇒令和2年度から、にぎわい、魅力を高めるため、開発の誘導に向けたまちづくりガイドラインの策定をしているところ。

山内委員

 村岡新駅周辺の税収効果が11億6,000万円から14億円5,000万円となった理由は?⇒平成29年度積算との違いは、対象面積、軽減税率の捉え方。

有賀委員

 パターン1と2の間が望ましいとしているが、どうやって反映させていくのか?⇒民間誘導は地域の権利者からすると業務に流れやすい。にぎわい創出の観点から規模の確保をしたい。理解を得られるようにまちづくりガイドラインを策定していく。

 民間は市の意向をどの程度組み入れてくれるのか?⇒民間施設の建替え相談を受けているが、容積率の緩和の話を聞いている。現段階では意向を聞いてくれている。

報告(2)藤沢市街路樹管理計画(案)について

 本市では、近年、街路樹が大きく育ち、根上りで歩道の舗装を持ち上げたり、見通しを悪化させるなど、様々な問題を引き起こしています。このため、街路樹が良好に生育できる環境と安全で快適な道路空間を両立させ、持続可能な管理をめざすものです。

 計画(案)では、本市の街路樹の現状、街路樹管理の課題、街路樹管理の目標・基本方針が示され、街路樹のある路線を景観路線・再生路線・その他路線に位置づけ、交差点や横断歩道の見通し確保など、今年度より、重点取組みを進めていくとしています。

永井委員

 台風の影響による樹木に伴う停電対策は?⇒電気事業者が日々管理している。必要に応じて選定していると聞いている。

 民地側から道路に出ている樹木についての対応は?⇒個人所有の樹木は所有者の管理となっている。

吉田委員

 街路樹の現在の管理業務委託の発注方法は?⇒市内6地区に分けて単年度発注している。

 単年度発注だと、毎年違う業者が担うとなると課題があるのでは?⇒将来的な管理が課題。

 課題解消に向けた今後の考えは?⇒複数年契約が考えられる。業界団体と意見交換して検討していく。

松下委員

 実施スケジュールにある、令和4年度からの実施個所は?⇒決まっていないが、交差点の安全対策を優先的に取り組んでいく。

 路線選定していくうえで、根拠が必要。条例との整合をどう考えているのか?⇒条例基準に合っていないところを、交通量、地域の声を踏まえて路線を選定していく。

 自転車の走行空間の確保も加味した計画にしていくのか?⇒加味していく。

山内委員

 計画実施に対する事業費の確保状況は?⇒限られた予算の中で、スケジュールで示した重点取組みを進めていく。

友田委員

 都市資源の価値として街路樹をどう捉えているか?⇒道路空間の中での課題を解消し、質を上げていくために計画するもの。

 他市の街路樹管理計画では、まちづくりに踏み込んでいるが?⇒指摘の通り、都市のイメージをつくる大きな要素となる。反映できるように検討していく。

 基本方針の中にまちの魅力向上も入れていくべきだが?⇒検討していく。

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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