2021.12.13 本会議(4日目)~一般質問

 12月13日 10:00より、藤沢市議会12月定例会(4日目)が開催され、昨日に引き続き一般質問が行われました。

※一般質問は、質問者と市側で答弁調整をしているため、質問・答弁のメモをとるのが難しいことから、これまでは、質問の抜粋のみを掲載していました。しかし、議長・副議長は議事運営をする立場なので、質問の要旨、答弁の原稿が手元にあることから、そこから抜粋・要約して掲載します。関心のある質疑については、インターネット中継録画、議事録等をご覧ください。

通告3番 清水議員

1. 都市開発について

(1)藤沢駅南口に「公園広場」をつくる提案について

 2016年12月の一般質問で藤沢駅南口に大規模な公園広場をつくるべきと提案したが、現在の考えは?⇒藤沢駅南口駅前広場のあり方については、2月の藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会や、その後のパブリックコメントで様々な意見・要望をいただいている。その中では、広場内への一般車の流入動線の検討、バリアフリーへの対応、緑豊かなにぎわいの創出など、取組むべき検討課題が明らかになったことから、現在、基本計画(素案)の見直し作業を進めている。議員提案の大規模な公園広場の設置は困難だが、広場空間機能について検討していく。

 藤沢駅周辺地区再整備の計画は、今の南口を単に整理しただけである。緑や芝生など、「藤沢らしい」自然環境を感じる空間にすべきだが?⇒南口駅前広場再整備にあたっては、環境空間にも配慮し、既存樹木の伐採は極力避け、利活用するなどの配慮が必要と考える。植栽等の設置により、四季の移り変わりが感じられる癒しの空間や憩いの場を形成していきたい。

 地球温暖化対策からも、車に独占された空間から、環境にやさしい空間に転じるチャンスと考えるが?⇒新たなモビリティサービスであるMaaSの活用・検討などが全国各地で進められており、本市としても将来を見据えたバックキャスティングの視点を持って、新たな交通体系の構築を進める必要があると考えている。基本計画素案の見直し作業において、これらの観点を取り入れて検討していく。

 広場の真ん中のデッキをなくし、周辺部分を広げた方が開放性が高まると思うが?⇒南北自由通路の拡幅位置と空間的な整合を図るとともに、幅員や断面構成についてはネットワークの強化と開放感のある地上部との両立ができるよう検討していく。外周デッキについては、開放感ある駅前広場とするため、民地内に整備することを目指しており、デッキの柱や階段が不要になることで、広場空間の確保が可能となる。

 これからの時代は、まちの「個性」が大事。「公園広場」だけでなく「デザイン性が高くカッコいい駅舎」「美術館のような駅舎」が求められるが?⇒駅舎そのものは鉄道事業者の財産であり、鉄道事業者の協力が必要となることに加え、更なる事業費の増額が見込まれる。内装デザインについては、今後設置予定の(仮称)藤沢駅前街区エリアデザイン会議で検討していく。

 個性的なまちなみをつくるには、市と民間の連携が必要。耐震性の不足している建物への支援も必要。また、現在のデッキの耐震対策も早急な対応が必要だが?⇒耐震性の不足している民間ビルの建替えへの支援策を検討している。また、南口デッキの耐震性については、最新の耐震基準には適合していないが、平成30年度に必要な補修を行っており、大規模地震に対して即時倒壊する危険性は少ないと考えている。

通告4番 北橋議員

1. コロナ後の市民の居場所について

(1)地域拠点について

 新型コロナウイルス感染症の第6波を控えた現状ではあるが、地域活動はどう行われているのか?⇒コロナ禍で、それぞれの地域において、SNSを活用して、市民センターのお知らせの動画配信や災害時の地域情報の発信、郷土づくり推進会議や地域活動団体等の会議の開催、防災講演会や電子版街歩き等の各種事業、アンケート調査、大学生との交流などが行われている。

 コロナ禍での地域活動の取組の効果は?⇒これまで地域に関わりのなかった属性の方々の関心につながっており、新たな意見を聞く機会にもなっている。コロナ禍における地域コミュニティの活性化につながるとともに、地域活動へ参加する機会の創出と活動の負担減につながるなど大変有効である。

 市民活動推進センターや市民活動プラザむつあいとの連携の状況は?⇒郷土づくり推進会議地区交流会で、各地区の委員の方に推進センター等でどのような支援が受けられるか説明するとともに、ICT活用に関する講座などの紹介をして、推進センター等の活動が地域に見えるよう連携している。

 学校など様々な機関と連携し、支えあいづくりを進めるべきだが?⇒推進センター等で活動するNPOなどの市民活動団体をはじめ、自治会・町内会や地域活動団体、学校、企業等が協働し、幅広い視点から取組むことが重要であり、SDG’sにある「パートナーシップで目標を達成しよう」を踏まえて、様々な主体が連携したネットワークづくりを進めていく。 

(2)デジタル活用について

 アフターコロナを見据えて、高齢者の居場所づくりが課題となるが、高齢者のスポーツ活動に対する認識は?⇒本市では、「健康寿命日本一」を掲げており、各スポーツ施設をはじめ、学校体育施設や公民館の体育室など、高齢者が気軽にスポーツ・レクリエーション活動が楽しめるよう、活動機会の創出と、習慣化を図る取組を進めていきたい。
 来年11月には、60歳以上を対象とした高齢者のスポーツの祭典として「ねんりんピックかながわ2022」の開催が予定されている。このような全国大会が実施されることにより、高齢者のスポーツに対する関心や活動のきっかけづくり、居場所づくりにつなげていきたい。

 eスポーツが新たな高齢者の居場所として可能性があると思うが?⇒eスポーツについては、近年、若者を中心に競技人口が増えており、幅広い世代で関心が高まっている。観光・経済や文化とスポーツの融合などによる、新たな活動の生まれる可能性や、多様化するスポーツ活動について、情報収集や研究をしていく。

(3)公共図書館について

 各地区の市民図書室において、図書館システムが利用できるオンライン化に向けた取組状況は?⇒市民サービスの向上やシステム導入後の執行体制、業務の効率化などの観点を踏まえた検討をしており、引き続き早期実現に向けた対応を図っていく。

 電子図書サービス導入に向けた検討状況は?⇒導入先進自治体では、ベストセラー作品が電子コンテンツにないなど、コンテンツの種類が限られるなどの理由で、利用が伸び悩んでいる事例も見受けられる。今後の導入については、紙と電子図書のバランスやコンテンツ内容など、他市の導入事例や利用者のニーズを見極めながら検討を進めていく。

 新たな南市民図書館の考えは?⇒南市民図書館の再整備にあたっては、市民会館等との複合化施設を意識した蔵書構成や、ICTを活用した自動貸出、自動返却なとせのサービス展開、データベースの活用など新たな図書サービスを導入することで、学習・文化の拠点となるような、新しいスタイルの図書館づくりを検討していく。

通告5番 味村議員

1. 市長の政治姿勢について

(1)新型コロナウイルス感染症対策について

 これまでの本市のコロナ対応の反省と教訓をどう捉えているか?⇒第5波では、職員の時間外が増大するなど一定の課題もあった。第6波に向けては、専従職員の配置など、感染拡大の前兆を早期に捉え、迅速、効果的に対応できるように努めていく。

 政府は、限定的ではあるが、無症状者への検査方針を示した。今後、市としてどうしていくのか?⇒神奈川県は現在、検査を実施する方向で検討しており、本市としては、県の動向を注視しながら対応していく。

 医療機関や高齢者施設などへの定期検査でクラスターを防ぐ対策を徹底すべきだが?⇒施設で陽性患者が出た場合には、速やかに施設調査や濃厚接触者等に対するPCR検査を行うことで、引き続き、クラスターの発生予防や拡大防止に努めていく。

 全国で、自宅で急変するなどして亡くなった方が250人にのぼった。どう捉えているか?⇒今回の対応は、新規感染者が想定を超える状況で急増したため、より必要度が高い方から入所してもらうことにしたものであり、自宅療養となった場合でも、速やかに健康観察が確認できるように実施していることから、適切であったと考えている。

 「原則自宅療養」を撤回し、コロナ病床の拡充、臨時医療施設の増設、往診・訪問看護の体制強化など、体制を構築すべきだが?⇒今後も「神奈川モデル」を基本とする中で、カバーしきれない、例えば自宅療養者への市独自の物資提供などを想定している。今後も状況に応じて、市独自の施策を含めて検討していく。

 第5波における、児童生徒の感染状況は?⇒7月-9月までで、4,163人のうち、中学生は約110人、小学生は約180人。

 第6波では、登校の見合わせ、分散登校、オンライン授業など、柔軟に対応すべきだが?⇒第6波に向けた備えとして、これまでの経験や知見を踏まえて、児童生徒の安全・安心の確保と学びの保障に努めていく。

 学校で1人でも感染が確認されたらクラス全員を検査することや、教職員を含めて定期検査をすべきだが?⇒学校で陽性者が出た場合は、保健所が施設調査をした上で、検査が必要と判断した方にPCR検査をしている。また、教職員を含めた定期検査については、現状では困難。

 学校のコロナ対応の情報提供について、今年4月の水準の情報公開にすべきだが?⇒公表については、いじめや差別、偏見にしながることなく、個人が特定されないよう配慮している。今後も同様の視点で、情報発信していく。

 学生に対する経済支援や食糧支援をすべきだが?⇒国などが実施する支援策の動向を注視するとともに、食糧支援を行う「フードバンクふじさわ」について、案内している。

 コロナ禍における、市内における倒産の状況は?⇒昨年は17件、今年は10月末現在で11件。

 これまで市として、経済対策をしてきたが、評価をどう捉えているか?⇒この間、事業者からは、協力金や融資により、資金繰りの目途が立ったなどの声もあり、国・県の支援策や、本市が実施してきた支援策が市内事業者の事業継続の一助になったと捉えている。

 コロナ危機の終焉まで、事業者へ必要な支援を実施していくべきだが?⇒経済団体とも連携して事業者の声を聞きとり、最善となる支援策を実施していく。

通告6番 井上議員

1. ユニバーサルなまちづくりについて

(1)駅前等におけるバリアフリーについて

 藤沢駅前における、これまでのバリアフリーの取組は?⇒平成16年には、「藤沢駅周辺地区移動円滑化基本構想に基づく道路特定事業計画書」を策定し、整備を順次計画し、平成22年度に完了している。

 完了しているというが、特定道路以外のバリアフリー化の対応と課題は?⇒南口デッキは、現状としてバリアフリー化が困難で、対応が十分でないことは課題として認識している。

 現実問題として、民間ビルのリニューアルが行われているにもかかわらず、障がいのある方が駅からつながるビルに入れないという声もある。周辺ビルの課題について、行政としてどう認識しているか?⇒駅周辺の商業ビルは、昭和40年代から平成の始め頃までに建設されており、現在でも駅や公共施設がつながる商業ビルとの出入りに際して、障がいのある方などに不便をかけていることは認識している。

 新たなビルを建てたり、改修する場合には、バリアフリーに関する市との協議の場を設けるべき。バリアフリーが不足する現状のビルへの対応も必要と考えるが、市の見解は?⇒民間ビルの新築や改修等にあたっては、バリアフリー法や県条例により、一定の床面積以上は、行政との協議が必要となっている。しかし、用途変更が伴わないテナントの入れ替え等の改装の場合には協議対象とはならない。協議対象とならない新築、改修、改装などについても、届け出を義務付けるなど、庁内の横断的な連携と官民連携の仕組みづくりについて検討を進めている。

 今後の駅前のまちづくりについて、市としてユニバーサルデザインやバリアフリーにどう取り組むのか?⇒現在、藤沢駅前街区まちづくりガイドラインを策定している。官民が連携して共生社会の実現を目指し、誰一人取り残さないまち、インクルーシブ藤沢の視点を持ち、駅前のまちづくりに取組んでいく。

 南口において、公共としては、小田急改札前の老朽化したエレベーターしかなく、その他は、民間ビルの昇降施設に頼っており不十分な状況。現状を踏まえて、行政として、できるところは早期に対応していくべきだが?⇒老朽化している小田急改札前のエレベーターは今年度更新をしている。その他の昇降施設については、現在詳細設計をしている南北自由通路拡幅整備の中で、設置の検討を進めている。また、民間ビルの建て替え時を好機ととらえ、ユニバーサルデザインについて協議を進めていく。

通告7番 有賀議員

1. 辻堂のまちづくりについて

(1)C-1街区活用とその関連事項について

 C-1街区について、取得の目的や用途変更の経緯、現在の状況は?⇒C-1街区は、平成22年3月~24年3月にかけて、公共施設整備事業用地とするため、行政財産として土地開発公社から取得した。平成23年10月からは、辻堂駅周辺の渋滞解消を目的とした駐車場として、合同会社湘南辻堂マネジメントへ目的外使用許可をした。その後、公共施設の移転をしない決定がされたため、平成26年5月に行政財産から普通財産として、引き続き、湘南辻堂マネジメントと5年間の賃貸借契約を締結した。現在は、令和6年5月までの5年契約となっている。

 駐車場以外での活用について、検討状況と今後の考えは?⇒現時点では、渋滞緩和に効果がみられる駐車場としての活用が望ましいと考えている。一方、SDG’sの推進を踏まえると、自律的で持続可能な地域社会に向けて、公共施設の活用に関する規制緩和が進むと捉えている。本市としては、こうした動向や時代の潮流を捉えながら、将来に向けた資産となるよう、活用の検討を進めていく。

 辻堂駅周辺の渋滞解消には、JR東海道線を南北に横断する道路の整備が必要と考えるが、市としての考えは?⇒JRを横断する計画道路としては、広域的な道路ネットワークの形成を担う藤沢厚木線と地区間交通を担う(仮称)南北線の計画がある。抜本的な対策としては、藤沢厚木線の延伸区間となる辻堂工区の整備が必要不可欠と考える。

 藤沢厚木線の延伸整備について、平成27年12月の一般質問にて、早期事業化へ導くためには道路用地を市が先行取得してでも市の姿勢を見せることが必要と指摘したが、その後の状況は?⇒これまでも土地開発公社による事業用地の先行取得について検討してきたが、用地の買戻し時期が見通せないことから見送った経緯がある。本市としては、事業化に向けた検討が進むよう、県に対して要望を強く行っていくことが重要と考えている。

 県への働きかけにどう取り組んでいくのか?⇒県に対しては、「かながわのみちづくり計画」の見直しの際に、藤沢厚木線の辻堂工区の必要性についてデータを示しながら働きかけていきたい。
 
2. モビリティ政策について

(1)社会・実証実験について

 本市が行ってきた公道での電動キックボード実証実験の背景やスキーム、目的などの概要は?⇒電動キックボードは、道路交通法と道路運送車両法上の「原動機付自転車」に該当し、速度制限やヘルメットの着用が義務付けられている。今回の実証実験は、現在、国から認可された実施事業者などの団体が、経済産業省の新事業特例制度を活用したものであり、本市としては、当該事業者の依頼を受け、協力したもの。具体的には、本市職員が実際に市内公道で運転することにより、利用状況や走行の各種データを収集し、今後の適切なルール作りや規制緩和に寄与するもの。

 1回目の実証実験の概要は?⇒令和2年11月24日から令和3年3月30日までの間、26名の職員が、2台の電動キックボードを使用して、「自転車レーン」の安全通行についての検証を行った。走行回数が82回、総走行距離が約150km、平均走行距離が約1.8kmとなっている。

 2回目の実証実験の概要は?⇒令和3年5月17日から9月30日までの間、56名の職員が、1回目に行った自転車レーンでの走行実験に加えて、制限速度を15kmに落とすことで、ヘルメットの着用を任意とし、安全走行についての検証を行った。走行の記録などには、現在、実施事業者が集計をしている。

 2回の実証実験を通して、参加者の意見は?⇒「長距離には向かないが、短距離であれば利便性が高い」「右折が困難である」「時速15kmは公道では遅く、車からの圧迫感が強い」など。

 この実証実験を行っている間、民間でも電動キックボードレンタル事業が市内外で立ち上がったが、その状況は?⇒本市のほか三浦市や横須賀市などで主に観光目的のシェアリングサービスとして民間事業者により実施されている。また、原動機付自転車として取扱いされているため、自転車レーンの通行はできず、ヘルメットの着用も必須となっている。

 これらの情報をまとめたうえで、行政としての課題と今後の展望は?⇒自転車レーンの通行ができないことや、ヘルメットの着用などの課題を解決し、利便性が向上すれば普及が進み、新たな産業の創出に繋がることが期待できる。現在、実施事業者を含めた団体が、様々な実証実験の結果をもとに、規制緩和に動いているので、国の動向を注視していく。

 湘南地域自転車観光協議会によるシェアサイクル実証実験について、最新の市内ポート数と台数、累計利用実績は?⇒現在、本市における本年10月末の自転車駐輪ポート数は74箇所で、自転車を停めるラック数は498台となっており、累計利用回数は99,510回で、いずれも参加自治体中最も多く、全体の5割以上を占めている。

 全体的な検証結果と、藤沢市としての分析結果は?⇒全体の検証結果としては、スタート時と比較してポート数は約6倍となり、利用者数・利用回数についても、コロナ禍での公共交通機関の利用控えなどにより増加傾向が顕著となり、昨年4月と本年10月の月次利用実績を比較しても約7倍となっている。全体としてシェアサイクルが海岸エリアを中心とした回遊に大きく寄与していることに加え、本市においては駅周辺から自宅や商業施設への移動など、通勤や買物といった日常生活での利用実績も多くみられることがわかった。

 ここまで実験を行って来て見えてきた課題と今後の方向性は?⇒協議会全体の課題としては、採算がとれるポート数は全体の約4%に留まり、事業者が目標とする採算ラインに届いていないことが挙げられている。このため協議会としては、本事業を持続可能なものとするためには、ポート数を増やし、円滑に自転車を乗り継ぐことができるよう整備する必要があると考えている。このようなことから、現時点での協議会における検討の方向性としては、実証実験の期間を延長し、さらなるポートの設置拡大などについて必要な支援を行い、引き続き取り組むとしている。

 この実証実験を行っている間、別機種のシェアサイクルの実証実験が始まったが、その状況は?⇒本実証実験の連携事業者に江ノ島電鉄が参入し、自己所有地等にポートを配置、スポーツタイプのシェアサイクルによる実証実験が本年4月から開始された。自らが運営する鉄道・バスと連携した利用率の向上や、駅・バス停から目的地へ到達するラストワンマイルとしての活用を目的としており、利用者にとっては交通手段としての選択肢も広がり、利便性が向上することが期待されている。

 シェアサイクルは事業主体によって特徴があってもよいが、観光地をはじめ、利用者にとってのメリットを考えて推進していく必要があると考えるが?⇒本実証実験は当初周遊観光の促進等を目的としていたが、観光目的のみならず、日常生活上での利用実
績があり、本市としては、本市域はもとより、湘南エリア全体の回遊性や利便性の向上に資するツールであると考えている。こうしたことから、シェアサイクルについては、ビッグデータによる利用者の属性や動線などを基に、周遊観光ツールとしての活用を検討するとともに、自転車と既存の交通手段の組み合わせにより円滑に移動できる手法について、都市計画や道路、環境などの庁内各部局と連携して研究を進めていく。

 平成30年、令和元年と江の島の公道において自動運転バスの実証実験が行われたが、本市の関わりと、本年1月にも3回目の実証実験が行われているが、その実証内容と前回との違いは?⇒藤沢市ロボット未来社会推進プロジェクトの一環として、平成30年度から、神奈川県が主体となり市が支援する形で、江の島の公道にて実施している。本年1月の実証実験においては、自動運転専用車両を使用し、一般車両や歩行者等との混合交通下における公道で、GPSによるルート上での自動走行や、センサーによる障害物感知など技術的な検証を実施した。前回との大きな違いは、前回使用した車両が、通常の車両を自動運転用に改造した車両である一方、今回使用した車両は、ハンドルやアクセルペダル、ブレーキペダルのない自動運転専用車両であり、より実装に近い形で実証実験を行ったもの。

 これらの市内で行われた自動運転バスの実証実験で見えてきた課題と今後の対応は?⇒課題は、円滑な走行に向けたインフラ整備が進んでいないこと、将来的にドライバー不在の走行が可能となった場合に車内での転倒などのトラブル、有事の際の責任の所
在などへの対処等があげられる。この12月には湘南アイパークにおいて、自動運転シャトルバスの車内でバイタルデータを計測し、病院とリモート接続してデジタル問診をおこなう、「ヘルスケアMaaS」の実証実験を実施している。今後も引き続き、自動運転の早期実用化に向けた取組を進めていく。

(2)安全啓発について

 平成29年6月の一般質問では、本市が3年連続8回目の「自転車交通事故多発地域」に指定されたことを取り上げたが、本
市の自転車の安全運転への取組状況は?⇒市内の小学校などで実施している交通安全教室において、車両の左側通行などの基本的な交通ルールを始め、自転車の安全運転について、周知・啓発を行っている。また、各季に実施する交通安全キャンペーンや、広報ふじさわ・レディオ湘南などの各種媒体に加え、交通指導員による街頭指導などを通じて、交通安全を広く呼びかけている。これらの取組等により、これまで本市が神奈川県交通安全対策協議会から指定されていた「自転車交通事故多発地域」については、令和2年度をもって解除されている。

 小学生対象の交通安全教室は、日ごろ話題に出るものの、自転車の逆走やスマホ運転、イヤホン運転、無灯火、信号無視など危険な行為は中学校以上、高等学校さらには一般の方々への安全啓発を重点的に行うことが事故低減に直結すると考えるが?⇒交通安全教室の開催については、毎年、小学校はもとより市内の中学校・高等学校にも案内を送付し、開催を希望する一定の学校において実施している。一方で、中学校や高等学校の生徒等を含め、広く一般の市民を対象とした安全啓発の取組としては、警察や各地区交通安全対策協議会との連携により、「自転車マナーアップ運動」を展開している。

 ハード面での自転車の安全運転対策は?⇒自転車の速度超過や飛び出し等が起きそうな場所、また通学児・園児が多い道路などを対象として、注意喚起を呼び掛けるシールを電柱などに掲出している。

 過去の一般質問などで、他市とのハード対策の比較で改良アイデアが示される場面があったが、具体的な対応例はあるか?⇒電柱などに掲出する注意喚起を呼び掛けるシールは、他市における取組等も参考にしながら、例えば、基本的に黄色・赤色の目立
つ色彩とするとともに、「とびだし注意」などの短文となっており、自転車の運転者や子どもにも見やすいものとなるよう、随時改良等を行っている。

 平成29年6月の一般質問で提案した、特に安全向上を図る路線の指定や、市をあげて、例えば「逆走、無灯火撲滅キャンペーン」等のインパクトある施策を展開していくべきだが?⇒指摘の安全向上路線の指定や、インパクトのあるキャンペーン等の取組については、実施までには課題があるが、市民の交通安全意識の更なる高揚に繋がるものと考えている。本市としては、今後、庁内関係部局との一層の連携を図るとともに、各地区交通安全対策協議会等の関係団体や警察との協働の上、大規模キャンペーン等の効果的な安全啓発事業の実施を検討するなど、自転車運転の安全向上を含めた安全安心のまちづくりに取り組んでいきたい。

通告8番 東木議員

1. 「スマートふじさわ」実現の取り組みについて

(1)マイナンバーカード普及への取り組みについて

 自治会の方々から「取得のメリットがわからない。財産が全部丸裸にされる。」等、何年か前に、個人情報保護の課題を懸念されたことを誤解されている市民の方もいる。マイナンバーカードの正しい理解と取得のメリットとをわかりやすく伝える工夫が必要だが?⇒マイナンバーカードについては、税や預貯金状況など、プライバシー性の高い情報を国から監視されるといった誤った理解をされている方がいることは認識している。国では、わかりやすい内容の動画配信を行っている。本市としても、正しい理解からさらなる普及につなげていくため、マイナンバーカードの安全性や取得のメリットについて多くの方が興味を持つよう、広報ふじさわや地域回覧をはじめ、SNS、PRキャラクターも活用するなど工夫をして取り組んでいく。

 国は他の事業と一体的に取り組む自治体に対して交付金を出すとのこと。藤沢市として自治体独自のポイント加算について、どう考えているか?⇒本市においては、各自治体の実証事業における健康関連事業や地域振興、子育て支援など、様々なモデル事業についての把握に努め、有効性と継続性などの検証を進めている。今後についても、健康関連事業をはじめとする様々な事業に対して、マイナンバーカードの普及推進につながるよう、国の動向を注視し、関係部局と連携した事業実施について研究していく。

 マイナポイントの利用状況、仕組みがわからない方へ学生世代の活用によるサポートの考えは?⇒マイナポイントについては、全国的な統計において、対象者の約半数の申込みにとどまっており、窓口や問合せでも「難しい」「スマホの操作方法が分からない」という声を聞く。こうしたことから、市民窓口センター及びマイナンバーカード北部窓口では、専用ブースにてキャッシュレス決済サービスと紐づけるための支援を行っている。関係部局と協力しながらワンストップとなるよう、必要に応じた環境整備に努めるとともに、市民ボランティアの活用も含めて取り組んでいく。

(2)AIを活用した市民サービスの向上について

 本市におけるチャットボットの検討状況は?⇒AIチャットボットは、市民からの生活に関する行政情報の問い合わせや各種申
請書手続きの仕方などを24時間対話形式等で自動回答する仕組み。本市においては、12月からLINE公式アカウントにおいて、プッシュ型のセグメント配信に加え、会話形式でのシナリオチャットボットを導入し、ごみの出し方や届出の手続きになどついて容易に検索が可能とした。今後においても、様々な情報発信の場面で市政全般の回答が可能となるよう、AIチャットボットの導入に向けて検討を進めていく。

 AIを活用した総合相談の活用に向けた考えは?⇒相談窓口等におけるAIチャットボットの活用については、制度やサービスなどの問い合わせや情報の自動案内などをAIが対応することで、行政側の業務の効率化が図れるだけでなく、相談の支援先や担当窓口を自動案内することにより、電話での問い合わせや市役所へ来庁が難しい方などにも、相談支援につなげられると考えている。今後においては、AIチャットボットの学習機能の充実など、相談支援などにおける課題の解決を図る様々なデジタル化の取組を進めていく。

 会津若松市では「会津若松プラス」というホームページとは異なる、AI機能付きの情報提供ポータルサイトがある。参考にして取組むべきだが?⇒「会津若松+(プラス)」は、官民学等の協議会が運営する地域情報サービスであり、行政、地域、市民のコミュニケーションの強化を目的とした情報提供サイト。本市としては、デジタル市役所やスマートシティの取組を推進していく中で、データ資源の利活用や分析を通して、市民のニーズ等に合わせた地域情報を提供してくことや、いつでもどこでも自らの選択で地域社会に参画できるプラットフォームとして、地域情報発信のあり方について研究を進めていく。

(3)就労支援とデジタル人材育成について

 コロナ禍の中で市として就労に関するセミナーの開催や、マッチングにつながる「合同企業説明会」などを開催したが、状況は?⇒従来から3市1町で実施している湘南合同就職面接会に加え、新型コロナの影響により、離職を余儀なくされた方や、内定を取り消された方等を対象に、本市独自の事業として藤沢商工会議所と共催で、令和3年2月から7月までに7回開催し、79の企業及び218名の求職者の参加があった。説明会後に面接につながった方は66名でそのうち18名の方が就職をしている。また、就労セミナーについては、昨年度、新型コロナの影響もあり、従来の対面式に加え、インターネットによるライブ配信とオンデマンド配信を実施するなど、より安心して参加できる仕組みとした。新型コロナの影響から求人数は減少し、求職者数が増加していることから、就職及び転職活動は厳しい情勢となっており、特にキャリアカウンセリングの相談件数は、令和元年度の78件が令和2年度は120件で、なかでも女性の相談は令和元年度は48件、令和2年度は76件と大幅に増加している。令和3年度は相談日数を週2回から3回に増やしている。

 求職者支援制度に対する市の評価と、制度のアピール、事業者側の制度利用について、市の考えは?⇒求職者支援制度は、再就職や転職、就職を目指す方が、条件によっては給付金を受給しながら、ITスキル等の職業訓練を無料で受講できる国の制度。事業者側にとっては、ITスキル等を習得した人材の雇用は大きなメリットであり、求職者にとっては、給付金を受給し、生活支援を受けながら就労を目指すことができることから、両者にとって有益なものであると認識している。制度の周知は、現在、チラシの配架や市のホームページ上にリンクを貼るなどの方法のほか、本市が実施している就労セミナーやキャリアカウンセリングなどの参加者に情報提供を行っている。

 ひとり親家庭が利用できる高等職業訓練給付金は、今年度から6か月以上の訓練を必要とするデジタル分野の民間資格も対象となったが、今年度の利用状況と、求職者支援制度を含めた就労支援制度の利用を促進することについて、市の考えは?⇒高等職業訓練促進給付金の今年度の利用状況は、11月末現在で18人となっている。当該給付金については、社会の急激なデジタル化にも対応
できるよう、国から令和3年度に限り、6か月以上の訓練を必要とするデジタル分野の民間資格等も新たに給付対象として拡充することが示された。また、ハローワークで実施している求職者支援制度については、訓練期間が6か月以内となっており、高等職業訓練促進給付金よりも短期の訓練かつデジタル分野を含む幅広い資格が対象となるため、選択肢の一つとして活用しやすい制度であると認識している。今後も関係機関と連携しながら、ひとり親家庭の生活向上に向け取り組んでいく。

 現況調査を実施する子育て給付課や福祉部のバックアップふじさわなどの各担当課が、横断的連携で、再就職支援、そしてデジタル人材の育成・創出のために、積極的に活用できるよう取り組みを進めていくべきだが?⇒現在、失業などの困難に直面している方が抱えている事情は複雑で多岐にわたり、就職をする以前に解決しなければならない課題には、様々な支援が必要であると考えている。また、就職活動や就職後の業務に対応できるITスキル等を身に付けることは大事な要件と認識している。これらのことから、求職者支援制度の周知をはじめとする人材育成・再就職支援に関する事業を進めるにあたって、福祉部や子ども青少年部、経済部などの関連部署が協力・連携していくことは重要なことであると認識しているので、庁内の藤沢型地域包括ケアシステム推進に向け、社会的孤立などについて協議を行う専門部会等において、本制度についても、情報の共有を図っていく。

2. ふるさと納税について

(1)参加しやすい環境整備について

 ふるさと納税の最近の実績と利用拡大に向けての市の取組みは?⇒令和2年度のふるさと納税による寄附の受入実績は、件数が5,873件、金額は約1億3,000万円で、前年に比べ854件、約2,700万円の増加となっている。利用拡大に向けて、令和3年度は特に経済部を中心に連携を図り、市内で収穫された野菜の詰め合わせや湘南はまぐりなど、合計で87品を追加し、お礼品の充実に努めている。また、市長定例記者会見でPRしたほか、新たな取組として料理雑誌等への広告掲載を行うなど、市内外への周知の強化を図った。

 これまでの本市への寄附者等からの声に対する工夫と、ふるさと納税自販機の設置についての考えは?⇒寄附者からは、お礼品や本市への好意的な声が多い中、一部の方から寄附金の使い道の選択肢を広げて欲しいとのご意見を伺っている。ふるさと納税自動販売機の設置については、他市の取組事例を参考にゴルフ場への設置に向けて事業者と意見交換をしてきたが、事業者にとって
の導入効果や事務の負担などが課題となり、導入には至っていない。今後は、こうした課題の解決や設置場所の選定も含め、事業者と調整を進めていく。

 クラウドファンディング型ふるさと納税はとても有効だと思うが、なかなか進まない課題は?⇒これまでの事例では想定した金額の寄附が集まらないケースがあった一方で、昨年度に実施した医療・福祉応援寄附金では4,000万円を超える寄附を集めることが
できた。このような結果から、寄附者のニーズを的確に捉えるとともに話題性のある事業を対象とすることや、実施のタイミング、周知方法などが重要であり、今後もこうした視点を踏まえながら、市民の共感が得やすい手法を活用して取り組んでいく。

 藤沢市には限られた基金しかなく、寄附したい気持ちがあってもその受け皿がない。他市では多様な事業について市内外から寄附を集めている。事業に寄附できる仕組みを作るべきだが?⇒現在、ふるさと納税による寄附金の使い道としては、「福祉のために」、「子どもの教育のために」などの目的のほか、行政全般に活用する「市長におまかせ」を加えた10種類の目的から選んでいただき、基金に積み立てた上で、目的に沿った事業に活用する運用を基本としている。今後は、数多くの事業の中から市内外の関心が高い事業、応援したいと思っていただける事業を選択し、メニューに加えるなど、多くの寄附者の想いに応えられる参加しやすい仕組みとなるよう環境の整備に努めていく。

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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