3月22日 10:00より、藤沢市議会2月定例会(6日目)が開催されました。内容の抜粋は次の通りです。
1. 予算討論
令和4年度予算に対する予算討論が行われました。私が所属する「民主・無所属クラブ」からは、全ての議案に賛成の立場で、安藤議員が行いました。内容は次の通りです(全文)。なお、他の会派の討論は割愛します。
はじめに、国内外の出来事について、3月16日、福島県沖を震源とする震度6強の地震が発生しました。この地震による福島県と宮城県の多くの被害が報告されています。亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、被災地の皆様にお見舞いを申し上げます。その後も余震とみられる地震が起きており、しばらく警戒が必要ですが、これ以上、被害が大きくならないことを願っております。
そして、ウクライナ情勢について、本市議会でも、3月4日にロシアによるウクライナ侵攻に抗議する決議をし、鈴木市長も議場で声明を出されました。また、これに先立つ2月28日には、鈴木市長が副会長を務める「非核宣言自治体協議会」として、ロシア連邦大統領に対し、「平和的解決を強く求める」抗議文を発出しています。
ロシアの、力による現状変更の試みは、国際法違反なのは言うまでもなく、平和をめざす国際社会に対する重大な裏切り行為であり、断じて許されません。こうしている間にも、現地では無差別攻撃により市民の命が危機にさらされています。この一か月の軍事侵攻により、死者925人、避難民は 1000万人と伝えられています。罪のない市民、幼い子どもまで命を奪われている状況は胸がいたく、憤りを覚えます。しかし、停戦協議は先行き不透明で、南東部のマリウポリは降伏勧告を拒否しました。これにより、市民の犠牲がいっそう増えてしまう恐れがあります。
そうした中で、国際社会はロシアに対し圧力を強め、経済制裁の段階を引き上げるとともに、北大西洋条約機構は16日開催の国防相会議でウクライナ支援の増強で一致しました。 日本政府も対ロシア制裁を実施し、ウクライナ政府の打診をうけゼレンスキー大統領が国会で演説することを了承しました。このような国際社会の結束した行動により、ロシアの不法・非道を許さないとの意思を表すことが重要と思います。
とはいえ、現状では戦禍から逃れたウクライナの難民支援が大きな課題となっています。日本も避難民を受け入れる方針で、避難が長期化することも視野に、自治体と連携して体制整備の検討に入るとしています。そこで、藤沢市においても、住宅支援などの受け入れ体制を整えることを要望いたします。
また、ウクライナに対する支援としては、文化芸術分野も重要だと思います。本市との縁という意味では、コロナ禍に入る前は、ウクライナのキエフバレエ団および管弦アンサンブルが藤沢市共催により市民会館で公演していました。この夏も公演予定となっていると聞いています。ささやかな縁かも知れませんが、できることをしたい。文化芸術には人々に勇気と希望を与える力がありますので、この面での支援もお願いします。
今後、戦闘が終結しても、ウクライナの復興は長期間を要し、国際社会の支援は不可欠です。藤沢市も県との連携を含め、できる限りの支援をするよう要望します。
世界中で、平和を求める声がますます大きくなっています。ロシアの軍事行動の即時停止とロシア軍が完全に撤退し一日も早くウクライナに日常が戻ること、そして世界の平和を願っています。
つづいて、新型コロナウイルス対策ですが、全国の新規感染者数の減少は緩やかで、しばらくの間は高いレベルのまま推移することが予想され、軽症や中等症などの医療体制のひっ迫が続く可能性があるとの見解が示されています。
3回目のワクチンの追加接種を進めるとともに、2か月間続いた蔓延防止措置は解除されましたが、多くの人が集まる機会が増える年度末に向け、今後も感染対策の徹底が求められています。藤沢市としても、3回目ワクチン接種を進めていますが、引き続き市民の皆様の命と健康,暮らしを守る取り組みに尽力して下さいますようにお願いいたします。
鈴木市長は、令和4年度当初予算は20年後を見据えた、持続可能な元気なまち、(サステナブル藤沢)、誰一 人取り残さないまち(インクルーシブ藤沢)安全安心で暮らしやすいまち (スマート藤沢)そして国際 目標であるSDGsや新しい社会インフラとしてのデジタル化、施策・事業の最適化などを踏まえながら進めると示したことに評価いたします。
「家庭裁判所の設置について」
藤沢簡易裁判所の管轄の藤沢市を含む、5市1町の人口は118万人を超え、横須賀支部、相模原支部の各管内より多くなっています。相続や離婚などの藤沢簡易裁判所で取り扱わない家事事件も多くあり、流入人口の増化や高齢化と相まって、今後、家事事件は増加傾向に伴い、地域住民の更なる安全・安心な暮らしの確保ができるよう、積極的に家庭裁判所出張所の設置を要望いたします。
「市政運営を担う職員体制を始めとした諸課題について」
保健所職員の精神的、身体的負担に対する労働安全衛生について、代表質問の答弁では、「今後、メンタルヘルス研修等の充実のほか、特に新型コロナウイルス感染症対応等の業務が集中する所属職員には、精神科医による健康相談の実施などにより、過重労働による健康被害の軽減に努めていく」とのことでしたが、誰一人メンタル疾患を出さないよう、早期の対応をお願いします。また、保健所以外の職場でも長時間労働があれば、同様な対応ができるよう、職員課が各部総務課と連携して、長時間労働の状況把握と適切な対応をするよう要望します。
会計年度任用職員の欠員については、代表質問の答弁でも、「いかなる理由であったとしても、欠員が生じていること、またそのことを起因として正規職員へ過度な負担がかかることについては、誠に遺憾な状況と認識しています。様々な媒体を活用した周知活動、求職者のニーズを的確に捉えた勤務条件や、近隣自治体との給与水準を比較検討するなど、引き続きあらゆる方策を取り入れ、1日も早い欠員解消に努める」とのことでした。
欠員はあってはならないこと。引き続きあらゆる工夫で欠員解消に努めるとともに、解消が見込めない場合は、正規職員を採用して、適切に業務が遂行できる体制とするよう求めます。
市政運営を担う職員が、やりがいを持って仕事をすることで、市民サービスの維持・向上につながることは言うまでもありません。そのやりがいの一つに適正な給与水準があります。職員の給与については、人事院勧告の尊重、情勢適用の原則を踏まえて、関係団体との協議・交渉を経て決定がされるものです。
従って、議会も含めて外部からの圧力により、その関係を決して歪めてはなりません。一部手当が議会でも指摘されていますが、これまでの給与構造改革、給与制度の総合的見直しによる国家公務員以上の給与引き下げは、現在も影響しています。そのことを踏まえて、一部手当の見直しを検討することなく、給与全体の水準について、職員がモチベーション高く、やりがいを持って仕事ができる水準とは何かを十分検討し、市民サービスを低下させない対応を強く要望します。
「スクールロイヤーについて」
藤沢市でもいじめの認知件数は760件で、中にはひどい暴力や金品を隠す、盗むなどのことも起きています。大阪の寝屋川市では、いじめを人権侵害だとはっきり定義し、条例のもと、専門の課を作って、いじめの相談に乗っています。行政自らが教育委員会とは別に重大ないじめだけではなく、小さな相談から対応するのは画期的だと思います。
まずは教育委員会がスクールロイヤーを中心に法的な対応を強化したばかりなので取り組みを見たいと言う事でしたが、藤沢市もいじめは人権侵害だと認識しているとの答弁がありました。今後、行政の積極的な取り組みに期待します。
「ジェンダー平等について」
コロナ禍において、男性にくらべ女性の非正規雇用の割合が高く、都合の良い働き手である扱いの構図が、色濃く根づいていることが浮き彫りになりました。シングルマザーなど様々な立場の女性が増え、将来不安の声を聞きます。病に陥り、命を落とす人も少なくありません。女性の安定した雇用形態と収入をもって活力がわき、子どもや社会活動へ好循環につながると思います。本市としても藤沢市男女参画計画を策定していることから、具体的な行動を先進的に取り組むよう要望します。
「湘南台駅地下アートスクエアー整備について」
湘南台駅地下アートスクエアー整備については、湘南台駅地下イベント広場を市民参加型で音楽とアートの文化芸術活動拠点として整備を進めていますが、北部地区の玄関口である湘南台駅周辺の街づくりが必要だと思います。藤沢駅周辺の開発と同様に都市計画として再開発し湘南台地区を盛り上げていくことを要望いたします。
「チームふじさわ2020推進について」
チームfujisawa2020については、市内のボランティア活動という広範で継続的な内容で、幅広い分野からの意見を関係諸団体との調整や協力を得て推進するようお願いします。また、多様なボランティア間の交流や情報交換が可能な、夢や希望を感じられるネットワーク機能の構築にも付加するよう要望いたします。
「デジタル社会推進について」
デジタル社会の推進はこれからの都市基盤として大きな課題であると認識しています。来年度から実際の事業が始まるわけですが、先ずはセキュリテー対策含めた通信環境の確保が求められています。スマートシティを進める上でも有効な通信インフラとして、活用することが期待できることから、ふじさわシティ Wi-Fi の機器更新のスケジュール等を踏まえ、できる限り早い導入をめざし、情報通信環境のさらなる充実に向けて取り組んで行くように要望いたします。
「危機管理対策について」
最近、藤沢上空の騒音がひどくなっています。これは、米軍機は減ったものの自衛隊機のヘリコプターの騒音が増したためです。また昨年、オスプレイの定期整備を厚木基地に隣接する民間会社が選定されました。オスプレイは墜落率が高く、一番危険とされている転換モードで飛んでいる姿が藤沢上空でも確認されています。さらに、昨年夏に生物・化学、放射能・核兵器に対する訓練も行われました。米軍が岩国に移駐した後、厚木基地での使い方が変わっています。今後も、地域住民の不安解消のため、厚木基地の動向については速やかな情報提供を要望します。
「地球温暖化対策について」
気候変動対策として国際社会が「低炭素」から「2050年脱炭素」に大きく舵を取ったことを受け、国内でも地方自治体ベースの地球温暖化対策実行計画の積み上げが始まりました。本市においては気象条件や自然環境に適した再生可能エネルギーは太陽光発電システムであるという認識のもと、新しい取り組みとしてPPA事業が取り上げられていますが、官民連携の中で補助金制度を活用して、実効性を上げる必要があります。
従来の「低炭素」から「脱炭素」に向かうにあたっては、国の交付金・補助金対象も「総合政策」の色合いが濃くなって来ているため、推進体制も従来の枠組みではなく、例えば横浜市の温暖化対策統括本部のような、庁内を横断的に管轄するという考え方も参考なると考えます。「気候非常事態宣言都市」を体現する推進体制が必要です。
現在見直し中の「藤沢市地球温暖化対策実行計画」では各施策のロードマップの考え方が省かれていますが、目標が上がった分PDCAサイクルを回すことが重要で、しっかりした進行管理を求めます。また温室効果ガス排出量の算定方法等の課題については、根拠資料に基づき推計手法を更新し、より本市の実態に合った算定がなされるよう求めます。
「次世代自動車導入について」
今年度予算で拡充していることは、評価いたします。インフラ整備は大変重要な課題であり、国や県の動向を確認し、関係各課と連携を行いインフラ整備の拡大に向け進めて頂きたいと思います。
また自動車のEV化に伴い、産業構造の転換が求められている自動車関連の製造者に対して、専門家などと連携して戦略や計画の策定を伴走型で支援するとのことですが、国が令和4年度から、電気自動車への移行に伴い不要になる部品の製造事業者が、電気自動車などの部品製造への事業転換をサポートするため、専門家の派遣事業を開始する予定があるとのと答弁がありました。引き続き国の動向とともに、本市の基幹産業である自動車関連事業者への影響などについて注視していただけるように要望いたします。
「緑地保全について」
藤沢市も温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする宣言を行い、環境対策の計画でも緑地率が、現在25.2%から29%を目標に目指していくと書かれています。しかし藤沢市は最近まで開発が進んで、緑地率の向上は難しいとしてきました。谷戸の保全も大事ですが、藤沢市の価値が都市と自然が調和している点に、あることを考えれば、やはり住宅地や商業地での緑が重要だと考えます。住宅の緑や街路樹が減る中、公園や公共施設の緑を増やすよう具体的な対策を要望します。
「環境保全について」
海洋プラスチックごみ対策は地球規模の課題については、今回の予算説明資料においても記載されていますが、海岸漂着ごみの7割を占めると言われている河川からの流入対策が、置き去りになっています。河川ごみ除去対策事業費額が4年連続して平成30年比の約半額になっていいます。
現在境川だけ設置の除塵機の考え方を、柏尾川や引地川でも展開できるよう、県や流域の自治体と連携するプラットフォームを活用し、海洋プラスチックごみを減らすための「源流対策」を進める必要があります。
また、出口対策のひとつであるボランティアによるビーチクリーン活動が、ボランティアごみ回収BOXに家庭ごみやレジャーごみを捨てるという不適切な行動のあおりを受けて、「BOX撤去」が始まり混乱している状況があります。7~8割が不適切な使われ方をしているという調査結果から、「BOX回収」の運営を断念するのは大変残念です。その代わりにボランティアごみだけの「平場回収」に切り替えるとのことですが、周知方法と活動拠点に合わせた回収場所の設置等、ボランティア活動に寄り添った運営を強く求めます。
「介護人材育成支援について」
介護の人材不足について、現在介護保険制度では「財源」と「介護人材」の2つの不安と不足が上げられます。経済産業省では、2025年には、介護人材は37.1万人不足し、2035年には79万人不足すると予測しています。厚生労働省は基本報酬を上げることなく、様々な加算をつけていますが、対象とならない人への不公平感、加算対応できない事業所があり、介護人材の報酬アップにつながっていない実態があります。
人を支え、人と接する大切な仕事であり、デジタルで生産性の向上ができるような単純な現場ではありません。改定のたびに、「介護の社会化」が後退しないよう、2年後の改定に向けて、現場をしっかり把握し、ICTの活用等による職員の働きやすい職場環境づくりに向けた支援に努め、人材の確保の定着につなげて頂けますように要望いたします。
「健康増進・介護予防等の促進について」
フレイルの予防として高齢者はり・きゅう・マッサージ利用助成事業やふれあい入浴事業での外出機会の確保がありますが、これらについては一部の高齢者の特定事業となっているとの指摘があります。高齢者の外出機会を確保するのであれば、外出の経済的負担の軽減を考えることが重要です。特に高齢者の免許返納が進めば経済負担が重くなり、それに伴って外出機会が減る傾向になることを懸念しています。
一方で、今後の外出支援策として、交通手段の利用検討にとどまらず、自宅近くでの活動など、外出しやすい環境について、広くニーズを把握し検討していく必要性があります。ニーズの把握として、令和4年度に藤沢市高齢者保健福祉計画の次期計画策定に向けてのアンケート調査を実施する予定と伺っております、現在の施策の評価を行うとともに、コロナ禍における外出の状況やニーズなどを分析し、今後効果的な外出支援にいて協議、検討を継続していただけますようにお願いします。
「ヤングケアラーについて」
ヤングケアラーについては、藤沢の先生たちが、まいてくれた小さな種が、ようやく全国的な課題となって実りました。ただ、子どもたちは必ずしも自分がヤングケアラーだと認識してはおらず、そのためSOSを出すことができない、とも言われています。小・中学生への啓発の意味も兼ね、児童生徒本人への調査の実施を検討されるよう、要望します。
全国で、これまでの「介護者支援」ではなく、介護者自身の人生の支援という立場に立った「ケアラー支援」の取り組みが広がっています。ぜひ藤沢でも、そのような視点に立った取り組みを積極的に進めてくださるよう要望します。
また「ヤングケアラー支援」とは、子どもが担っているケア役割を誰かがかわりに担うことに尽きます。多機関・多職種の連携による取り組みが必要ですので、どこがコーディネーターの役割を果たすのかを、明確にしてくださるよう要望します。
「子どもたちの意見反映について」
この間、議会も「カフェトークふじさわ」を通して「子どもたちの声を聞く」取り組みを進めてきました。その結果実感しているのは、子どもたちはそれぞれの発達段階に応じてしっかりと自分たちの意見を持っていることでした。とかく、私たち大人は「施設を造ろう」としがちですが、子どもたちは「遊び場」が欲しいだけだと思います。
これまでの子ども・青少年に関わる政策は、大人の視点だけで進められ来たのではないでしょうか。今後、子どもの政策を計画する際には、子どもの権利条約の掲げる「子どもの参加権」「意見表明権」を尊重して、進めるよう要望します。
「生活保護について」
コロナ渦の下で生活に困窮する方が増えているにもかかわらず、生活保護の利用は必ずしも増えていません。この原因は、生活保護に対する偏見が依然として蔓延していることに加え、生活保護を申請した際の親族への「扶養照会」が申請をためらわせていると言われています。
「援助を期待できない場合、親族への問い合わせは不要」とした厚労省通知の内容を「生活保護のしおり」に記載していたのは、首都圏の自治体の3.8%に過ぎなかった中で、藤沢市がこのことをしっかりと「しおり」に記載していたことを評価します。
生活援護課の皆さんの仕事が、非常に困難なものであることも承知しています。今後とも「生活保護は国民の権利」との立場に立ち、引き続き困窮する皆さんに寄り添って頑張っていただきたいとお願いします。
「産後ケア事業について」
産後ケア事業は、産後まもない母子の健康と命に関わるものであり、特にコロナ禍においては里帰り出産ができず、産後の手伝いがいない、相談者がいないなどと、家族の助けが得られないお母さん方は、孤独、孤立を抱えています。
ケアの必要性がさらに増す中で、ケアを必要とする人が利用をためらわないよう、初回は自己負担をなくす、それが無理なら負担額を低く抑えることで利用者の間口を広げるべきだと考えます。今回示された予算案では、利用料に対する自己負担額の割合が高いと考えます。令和4年度から本格実施されるということで、今後、利用者の意見を聴取し、また利用者の属性や回数など利用状況を分析して事業の実効性を高め、必要な人に必要なサービスが届くよう要望いたします。
「市内経済対策について」
新型コロナウイルス感染拡大の影響は、様々な業種に及んでおりますが、中でも飲食業をはじめ特定の業種がまん延防止等重点措置や緊急事態措置により、深刻な打撃を受けている状況となっています。
本市として、売上が減少したにもかかわらず、国・県の支援の対象外となった市内事業者に対し、2度にわたって事業継続支援金事業を実施して頂きましたが、今後についても、感染症の状況や国、県の支援策の動向に注視しつつ、それらの支援が行き届かない事業者や、特に影響を受けた業種への適時、適切な支援策や効果的な消費喚起策を、経済団体とも協働して現場の声の把握に努め、対策を講じて頂きたいと思います。
「都市の機能と活力について」
農業について、気候危機の食料やエネルギーの争いはいつの時代にも共通しています。いま、そして今後やってくると言われている食糧危機の問題があります。パンデミックや戦争により、輸入に依存していることへの不安定さが露呈されたのではないでしょうか。
地域循環型社会が求められる時だと考えます。「欧米諸国は、農業保護を国家安全保障の要としている」ように、持続可能な藤沢を目指すうえで、農家が安定して生産できるような行政施策を要望します。
また、有機農業を希望する方も多い新規就農者に対して、農地の斡旋を含め、積極的に受け入れるとともに、来年度から新たに実施する、農業技術習得のための研修支援など、担い手の育成に努めていただけますように要望いたします。
「新産業の森について」
新産業の森の開発計画は綾瀬スマートICにも近く、企業誘致は今後の藤沢市の発展のための大きな財源確保につながると思います。そのためには、迅速な事業展開が必要だと考えます。デジタル化やカーボンニュートラルの実現に向けた産業構造の変化、立地特性など今後の社会・経済情勢を踏まえて検討していただけますようにお願いいたします。
「いずみ野線延伸について」
いずみ野線延伸について、健康の森周辺に関しては「新たな活力創造の場を創出する都市拠点にふさわしいまちづくりの実現」とあり、相鉄いずみ野線延伸への期待が高まります。財政状況もより一層厳しさを増す中だと思いますが、広域アクセス性に優れる鉄道を選定し、鉄道会社、国、県と連携し、採算性を早期に検討を進め、北部地区の活性化に向け、着実に実行していただきますよう要望いたします。
「スケートパークの整備について」
現在、Park-PFI制度を活用し、鵠沼海浜公園の改修事業を推進しており、事業者と連携を図るなかで、令和5年秋頃のオープンを目指し、スケートパークをはじめとした公園施設の全面改修を行っていると聞きました、また、令和4年度には、秋葉台公園内にスケートボード広場の整備を予定しており、北部地域の愛好者を中心に受け皿となることを期待します。
「災害時等のドローン活用について」
災害時等における情報収集活動の充実・強化を図ることを目的に、一般社団法人藤沢市建設業協会と「災害時における無人航空機=いわゆるドローン、を活用した支援活動に関する協定」を締結しているとのことでした。
最新のドローンについては、情報収集や救助活動への支援だけではなく、大型機による物資搬送をはじめ、災害の予見や対処等を目的としたデータ収集とその分析や、3Dマップの作成など、高性能・多機能化されたものが開発されています。
この分野の技術革新は目覚ましいものがあります。動向を注視していないと、あっという間において行かれます。消防局におかれては、先進事例や産学官連携による最新の取組みを常に気にかけていただきたいと思います。ドローンは、事前の備えから復興対策まで、幅広い分野での活用が期待できます。消防局や庁内関係部局と連携して研究し、いつ起きるかわからない災害に対応するよう要望します。
「特別支援学級について」
これまで身体障害の児童生徒は、基本的には鎌倉養護や茅ヶ崎養護などの藤沢市外の学校に通うしかありませんでした。距離的に離れているわけではありませんが、親御さんたちからすれば、同じ学区の子どもたちと離れて「藤沢市外の学校に通わざるを得ない」と思えてしまい、心理的な抵抗があった、という声もあります。
今回、身体障害系でははじめて、難聴児の特別支援学級ができることは、「地域の学校で共に学ぶ」教育が一歩前進したものとして評価したいと思います。
なお、藤沢では障害のある児童生徒の就学に際して「本人や保護者の意向をできるだけ尊重する」という立場だったはずです。この点は、障害者権利条約の掲げる「私たち抜きに、私たちのことを決めないで」という基本的な考え方です。この方針は、ぜひ今後とも大切にしてくださるよう、要望します。
「教職員の働き方に関する課題について」
教職員の多忙の原因は、「仕事の多さ」と「人手の不足」が原因です。教職員に深刻な「欠員」や「未配置」が生じていることが、文部科学省の調査でようやく明らかになりました。今後とも教職員の「働き方改革」に加え、国・県とも連携して教職員の「欠員」「未配置」対策も進めてくださるよう要望します。
また「働き方改革」については、業務量の削減が欠かせません。それをせずに形式的な数値目標を設定すれば、「持ち帰り残業が増えるだけ」との懸念が現場からは聞こえてきます。論議に際しては、ぜひ現場の声を尊重しながら進められるよう要望します。
「開かれた学校について」
「開かれた学校」とは、学校の教育理念や方針を積極的に示し、保護者や地域の声も取り入れながら信頼される学校を築いていくことです。「誰でも入れる学校」という意味ではけっしてありません。
しかし池田小学校事件の教訓をふまえて作成された「学校施設整備指針」などのガイドラインは、地域や市民の皆さんには必ずしも理解されているとは言えません。今後、学校開放や施設の複合化を進めるに際しては、このガイドラインの内容についての広報・周知を進め、学校を「開く」ことと「安全」をどのように両立させるかという視点に立った取り組みを進めてくださるよう要望します。
「スポーツ振興について」
昨年10月にスポーツ都市宣言を制定して、本市は増々スポーツの盛んなまちとして、そのプレゼンスはシティープロモーションにも直結していくものと理解していますが、各種目競技団体からは、練習場所が足りないとの不満が高まっています。しかし、肝心の施設がなければスポーツ振興も絵にかいた餅です。市民に身近な場所で競技に親しめるために施設整備をするよう、強く要望いたします。
「市民会館再整備について」
「市民会館」は機能だけでなく規模の点でも藤沢を代表する公共施設ですので、再整備に対する期待は大きいものがあります。そして、それゆえに、文化芸術の拠点としてのあるべき姿を論じるよりも、経済波及効果やまちのシンボルとしての役割についての議論が先行していると感じます。それは、「藤沢における文化芸術行政とは何か」ということが十分伝わっていないからではないでしょうか。
市民会館は、その名の通り、「市民の・市民による・市民のための」施設だと思います。私は、藤沢の文化は市民とともに作られてきたと思っています。図書館ボランティアに100名、生涯学習の人材バンクに300名が登録しており、市民オペラの出演者も優に100名を超えます。ここでの市民とは住民はもとより、藤沢の文化芸術を応援しよう、一緒につくっていこうという全ての人のことです。
併設が予定されている文書館や市民活動推進センターを含め、一人でも多くの市民が関わることにより、市民会館は名実ともに市民のものとなっていくのだと思います。生涯学習部におかれては、市民と手作りしてきた藤沢の文化行政の伝統を踏まえ、発展するよう取り組むことを求めます。
また、新施設が供用される頃にはSDGsの目標年次となっています。社会的包摂および地球温暖化対策は、行政運営の大前提です。「新」市民会館には、新しい時代に対応し、さらに先取りしていくことが求められ、そのためには市役所全庁の英智を結集しなければなりません。ぜひ、藤沢市の底力を発揮していただきたいと思います。
最期に、予算委員会の中で、「庁内連携をしっかりとしていく」という答弁が多くありました。課題達成に向け各職員が他人事ととらえない組織づくりが必要だと思っています。今後、理事者からのメッセージなどで、変革するとこに期待をします。
2. 予算議案採決
議案第112号 令和4年度藤沢市一般会計予算
※この議案は、共産党とアクティブ藤沢が反対しましたが、賛成多数で可決されました。
議案第113号 令和4年度藤沢市北部第二(三地区)土地区画整理事業費特別会計予算
議案第115号 令和4年度藤沢市国民健康保険事業費特別会計予算
議案第116号 令和4年度藤沢市介護保険事業費特別会計予算
議案第117号 令和4年度藤沢市後期高齢者医療事業費特別会計予算
議案第118号 令和4年度藤沢市下水道事業費特別会計予算
議案第87号 藤沢市職員定数条例の一部改正について
議案第92号 藤沢市手数料条例の一部改正について
※上記7議案は、共産党が反対しましたが、賛成多数で可決されました。
議案第114号 令和4年度藤沢市墓園事業費特別会計予算
議案第119号 令和4年度藤沢市民病院事業会計予算
議案第99号 藤沢市小児医療費助成条例の一部改正について
議案第101号 藤沢市江の島サムエル・コッキング苑条例の一部改正について
議案第102号 藤沢市江の島岩屋条例の一部改正について
※上記5議案は、全会一致で可決されました。
3. 人事案件
人権擁護委員候補者の推薦、藤沢市個人情報保護審査会委員の委嘱について、全会一致で市長依頼の通り決定しました。
※以上をもって、藤沢市議会2月定例会が閉会しました。