12月7日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、副議長の立場で出席しました。内容の抜粋は次の通りです。
議案第67号 藤沢市障がい福祉手当条例の一部改正について
障がい者福祉手当の支給対象を見直し、65歳以上の者に対する支給を廃止するものです。
土屋委員
支給が廃止となる対象者数と金額は?⇒令和5年2月1日時点で、1,498人、7,190万4,000円。令和6年度からは毎年約432万円削減される。
65歳以上を対象とした理由は?⇒昭和43年からの制度で、当時は障がい福祉サービスが整っていなかったため、現金支給とした。その後、介護保険制度など、サービスが充実してきた。平成18年度からは新規申請を受け付けないこととし、経過措置を設けたもの。
障がい福祉手当の廃止はやめるべきだが?⇒同一の障がい、同一の年齢で障害認定の時期による不公平を是正するもの。来年度、障がい福祉プラン見直しの中で、障がい者福祉サービスの向上に資するよう検討していく。
塚本委員
申請時期により、対象になるならないとは、どういうことか?⇒例えば70歳の方が、64歳までに障害認定を受けた場合は対象となり、66歳で認定された場合は対象外となる。
70歳で、支給されている人数とされていない人数は?⇒65歳以上で、支給対象は1,500人で、対象外が2,200人。
原田委員
来年度、障がい福祉プランの中に、どのような方策が考えられるのか?⇒想定としては、移動支援で、ヘルパーが見つからないという課題があると聞いている。当事者に課題を聞いて、計画に反映させていきたい。
※この議案は、土屋委員が反対しましたが、賛成多数で可決すべきものと決定しました。
議案第68号 藤沢市廃棄物の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例の一部改正について
事業系一般廃棄物の分別の徹底を図るため、当該廃棄物の施設搬入に係る手続きについて条例で定めるものです。
塚本委員
条例改正をする背景は?⇒収集運搬業者が持ってきたとき、分別されているのに産廃が入っていたり、分別されていない場合があり、都度指導しているが、協力に対して良く思わない業者がいるので、搬入検査を徹底する必要があるため。
効力は?⇒受入れ基準を守らない場合は、受入れ拒否し、指導を排出事業者にも指導できる。
土屋委員
運搬事業者の金銭的負担は変わらないか?⇒分別ごとに明確化したもので、変わらない。
※この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。
陳情4第16号 介護保険制度の改善を求める陳情
この陳情は、次の項目について、国へ意見書提出を求めるものです。
(1)介護保険の利用に新たな困難をもたらす利用料の引き上げ、要介護1.2の生活援助などの保険はずし、ケアプランの有料化、貸与の福祉用具を購入に変更するなどの見直しをしないこと。
(2)全額公費により、すべての介護従事者の給与を全産業平均水準まで早急に引き上げること。介護従事者を大幅に増やし、一人夜勤の解消、人員配置基準の引き上げをすること。
(3)利用者が安心して介護を受けられることができ、介護事業所・従事者が不安なく介護を提供できるよう、新型コロナウイルス感染症対策を強化すること。
(4)介護保険料、利用料、食費・居住費などの負担軽減、介護報酬の改善など、介護保険制度の抜本的な見直しをすること。介護保険財政における国庫負担の割合を大幅に引き上げること。
※この陳情は、土屋委員と原田委員が賛同しましたが、採決の結果、趣旨不了承となりました。
陳情4第17号 医療・介護・保育・福祉などの職場で働くすべての労働者の大幅賃上げを求める陳情
この陳情は、次の項目について、国へ意見書提出を求めるものです。
(1)医療・介護・保育・福祉などの現場で働くすべての労働者を対象とした賃上げ補助を、全額国庫負担で事業所や施設に対する支援を行うこと。
(2)介護・保育・福祉などの現場で働く労働者の所定内賃金を、全産業平均の水準になるよう対策を講じること。
(3)医療の現場で働く労働者の賃金については、OECD平均以上の水準になるよう対策を講じること。
※この陳情は、土屋委員と安藤委員が賛同しましたが、採決の結果、趣旨不了承となりました。
陳情4第18号 安全・安心の医療・介護実現のため、人員増と処遇改善を求める陳情
この陳情は、次の項目について、国へ意見書提出を求めるものです。
(1)安全・安心の医療・介護を実現するため、医師・看護師・介護職員などの配置基準を抜本的に見直し、大幅に増員すること。また、安定した人員確保のためにも、ケア労働者の賃上げを支援すること。
(2)医療や介護現場における「夜勤交替制労働」に関わる労働環境を抜本的に改善すること。
(3)新たな感染症や災害対策に備えるため、公立・公的病院を拡充・強化し、保健所の増設など公衆衛生体制を拡充すること。
(4)患者・利用者の負担を軽減すること。
※この陳情は、土屋委員、安藤委員、原田委員が賛同しましたが、採決の結果、趣旨不了承となりました。
報告(1)令和5年度以降のごみ処理体制について
令和5年度に北部環境事業所新2号炉の供用が開始されることから、令和5年度以降のごみ処理体制について報告がされたものです。
1. ごみ収集体制等について
北部環境事業所と石名坂環境事業所へのごみ搬入割合が大きく変更となるため、北部区域を市直営、南部区域を藤沢市興業公社が収集する体制に再編成します。
【収集日程変更に伴う周知】
(1)令和4年11月 変更対象自治会・町内会の会長および環境衛生部長、管理組合等へ通知
(2)令和5年1月下旬~2月上旬 変更対象者へポスティング
(3)令和5年2月下旬 令和5年度区域別収集日程カレンダー配布、広報ふじさわ2月25日号掲載予定
(4)令和5年3月 藤沢市ごみ分別アプリ(ポップアップ機能)、藤沢市公式LINEアカウント、ホームページ等で周知
2. ごみ処理施設体制について
(1)北部環境事業所
新2号炉が令和5年度から本格稼働することに伴い、焼却量が市域のゴミ排出量の7割程度に増加することにより、発電量も増え、市の施設の4割程度の電力を賄う予定です。
(2)石名坂環境事業所
令和4年度から「長寿命化総合計画策定」、「生活環境影響調査」等を行い、その後、令和6年度から大規模整備工事に着手し、令和11年度から施設を稼働する計画としています。
3. キャッシュレス化等について
(1)大型ごみについて
大型ごみの収集予約については、チャットポッドや画像検索機能での予約受け付けを11月から実施しました。令和5年4月からは、予約時にクレジット決済できる機能を追加します。また、ごみ処理施設に大型ごみを持ち込む場合についてもキャッシュレス化を実施します。
(2)ごみ処理施設での一般廃棄物処理手数料について
市民が直接処理施設へ可燃ごみ、不燃ごみ等を持ち込む際の手数料についても、令和5年10月を目途にキャッシュレス化を実施する予定です。
4. その他の取組
(1)ごみ収集システムのDX化
ゴミ収集車にGPS付タブレット端末を搭載し、収集作業を見える化します。これにより、事務の効率化が図られるとともに、市民対応や要望等にも迅速に対応できるなど効果が見込めるため、令和5年度の導入に向けて検討を進めています。
(2)プラスチックごみ削減の取組
買い物の際にレジ袋の代わりに指定収集袋を1枚ずつ購入できるよう、令和4年12月から本庁舎1階のローソンで試行実施していきます。
(3)事業系一般廃棄物の日曜日の受け入れについては、令和5年4月から開始します。
安藤委員
ごみ収集車にGPS付タブレット端末を導入するとのことだが、どのように活用していくのか?⇒収集の際に量を手作業で記入していたが、タブレット端末で効率化を図る。
収集データをとり、今後、どう活かしていくのか?⇒GPS付タブレット端末導入により、収集車の走行状況が確認できるので、市民へ情報提供など、分かりやすい収集体制としていく。
桜井委員
興業公社への南部収集事務所の建物と土地の売却について、中止となった経緯は?⇒南部収集事務所の建物をそのままにして、3億5,000万円としていたが、公社が建物を長期間使用することとし、修繕見積もりを取ったところ、資材の高騰で約6,000万円から8,000万円余計にかかることになり、公社で資金の確保が出来なかった。
収集に影響はないのか?⇒市直営は問題ないが、遠藤事業所と本社で南部地域を収集することとなるため、出勤体制を早めて対応すると聞いている。
市が買う予定だった、遠藤事業所はどう使用していくのか?⇒従来通り、公社の事務所として使用する。
南部収集事務所の用地を貸すことはできなかったのか?⇒貸付も公社に打診したが、修繕費が必要で、公社が断念した。
塚本委員
南部収集事務所の土地は普通財産か?⇒行政財産。
行政財産だと、事業目的が決まっていないと売却できないと思うが?⇒行政財産から普通財産に移行して売却を予定していた。
南部収集事務所が空くこととなる。どうしていくのか?⇒企画政策部から、全庁照会をかけているところ。
土屋委員
収集コースの見直しで市民への影響は?⇒日程、コースの見直しあるので、全戸ポスティングで周知していく。
キャッシュレス化について、従来の方法も残すのか?⇒残していく。
原田委員
GPS付タブレット端末導入は公社も導入するのか?⇒現時点では導入する計画はない。
収集エリアでサービスに違いが出てくる。全体化していくべきだが?⇒市での導入結果を見ながら、全体化に向けた課題としていく。
井上委員
レジ袋の代わりに指定収集袋を1枚単位で購入できるようになったが、ごみという表記をやめて、デザイン的なものにできないか?⇒今後、デザインの変更も検討していく。
収集袋への広告について、企業の貢献にもなると思うが?⇒今後、広告掲載を検討していく。
本庁舎1階のローソン以外にも1枚単位の販売をしていくべきだが?⇒商工会議所を通じて販売しているが、ばら売りはできない状況。今後、商工会議所と協議して検討していく。
報告(2)湘南東ブロックし尿処理広域化方針(素案)について
藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町で構成する湘南東ブロックにおいて、し尿処理施設が、藤沢市と寒川町にそれぞれ1カ所ありますが、各施設とも老朽化が課題となっています。そのため、令和3年度に湘南東ブロックごみ処理広域化調整会議にて、広域化を検討した結果、今年度、湘南東ブロックし尿処理広域化方針(素案)を策定したので、その内容が報告されたものです。
1. し尿処理広域化方針
藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町は、し尿処理施設を集約することにより効率化を図り、し尿処理の広域化を目指します。
(1)処理方式
処理方式は、環境省の交付金の対象となり、最も安価で経済性が有利となる「前脱水+汚泥助燃剤化+希釈放流」方式を候補とします。
(2)施設体制
2施設体制より建設費や維持管理において経済的に有利となる1施設体制とします。
(3)設置場所
施設維持管理の点では寒川町美化センターが有利となりますが、浸水想定範囲に位置し、浸水対策費の追加が必要となることから、事業費全体で経済的に有利となる藤沢市北部環境事業所とします。
(4)供用開始目標年度
施設整備には各種計画の見直し・策定・改定等が必要な事から、10年程度の期間が必要となるため、令和14年度を目標に供用を開始します。
2. これまでの経緯と今後の予定
(1)令和4年7月 広域化方針を定めることを決定
(2)令和4年10月 広域化方針(素案)を提示
(3)令和4年12月 市議会へ素案を報告・パブリックコメントの実施
(4)令和5年1月 広域化方針(案)を提示
(5)令和5年2月 市議会へ広域化方針(案)を報告
(6)令和5年3月 広域化方針を決定
(7)令和5.6年度 地方自治法に基づく事務委託手続きの実施及び経費負担の方針決定
(8)令和7年度 湘南東ブロックし尿処理広域化実施計画の策定等
(9)令和8~10年度 し尿処理施設整備基本計画の策定・事業方式の検討・環境アセスメントの実施等
(10)令和10~13年度 現し尿処理施設の解体・設計及び建設工事
(11)令和14年度 新施設の稼働
土屋委員
浸水想定範囲とのことだが、浸水想定は?⇒ハザードマップでは、最大浸水深は0.5mから3m。
追加的な浸水対策とは?⇒盛土して施設建設する必要がある。コンサルタントに確認したところ1億円以上かかる。
北部環境事業所での整備に48億2,400万円かかるとのことだが、2市1町の負担割合は?⇒し尿処理の規模が、藤沢市6割、茅ヶ崎市3割、寒川町1割なので、その割合とすれば、28億5,100万円となる。
環境省の交付金の見込みは?⇒建設費が対象で、28億7,100万円のうち、19億7,200万円。
解体費用は?⇒それぞれの自治体の負担となるため、北部環境事業所のし尿処理施設の解体費用は藤沢市となる。
原田委員
本市が茅ヶ崎市、寒川町との関りはし尿処理だけか?⇒将来的にはごみ処理の集約化も検討している。
塚本委員
環境負荷の観点からは生物処理も考えられる。下水道施設への負荷の視点での議論はされたのか?⇒下水部門と調整したが、放流基準であれば問題ないとのことだつた。生物処理となると施設規模が大きくなる。
北部環境事業所で2市1町分を処理するとなると、し尿処理だけではなく、下水への負荷分、Co2排出なども分析して、負担を決めるべきだが?⇒本日の意見を2市1町の会議で発言していく。
※以上、報告とします。