11月5日、議会運営委員会で名古屋市を視察しました。視察の目的は、現在、藤沢市議会で取り組んでいる議会改革について、先進事例として研究し、藤沢市議会の改革に活かすことです。名古屋市議会の議会改革の特徴的な取組内容(抜粋)は、次の通りです。
1.本会議における一問一答方式の採用
平成21年11月定例会から実施。
2.議会基本条例の制定
平成22年3月に制定。
3.市民3分間議会演説制度の実施
★平成22年2月定例会から、毎定例会、各常任委員会で実施。この制度は、市民が、名古屋市政に関することを議会で発言できる制度で、議事録など記録には残さないとの事でした。6常任委員会で各7名、計42名の枠を設けており、平成22年4月から9回の定例会で計78名が演説を行ったそうですが、希望者は減少傾向にあるとの事でした。
4.「市会の議決すべき事件等に関する条例」の制定
平成22年2月定例会で制定。市の総合計画等を議決事件指定。
★藤沢市議会においても、予算に反映される政策面に対して、議会がどのように関わるか、一連の不祥事や土地公社のあり方なども踏まえて、議論するべきではと考えます。
5.議会報告会の開催
★平成22年4月に5会場で、議会基本条例、減税、議員報酬などについて開催、530名が参加したとのことでした。しかし、市長対議会という構図があり、議会報告会で、議会側が市長批判をしたことから、市長が以降の開催に必要な予算を認めず、開催がされてこなかったとのこと。現在は、中立性の確保を前提として、11月に2会場で実施するとの事でした。
6.正・副議長の記者会見の実施
平成22年6月定例会から、定例会の開催前と終了後に実施し、ウェブサイトで動画を公開。
7.各議員の議案に対する賛否の公表
「市会だより」で、平成22年6月定例会から会派ごとの賛否を、平成23年3月定例会から議員ごとの賛否を掲載。
8.正・副議長選挙での所信表明の実施
平成23年3月定例会から、正・副議長選挙前に議員総会を開催し、所信表明を実施。
9.委員会のインターネット中継
平成23年3月定例会から実施。(本会議は平成17年9月定例会から実施)
10.委員会における委員間討議の実施
平成23年3月定例会から実施。
★藤沢市議会では、試行的に6月議会に実施しましたが、他の議員の批判や追求をしないことを前提としたところ、あまりかみ合わなく、討論の繰り返しみたいになってしまいました。討議がうまくいっているのか?と質問したところ、「私は、こう思いますが、あなたはどう考えますか?」のように、議員間で質問しあったりしているとのことで、これからの議員間討議の進め方におおいに参考となりました。
11.議員報酬の見直し
★平成23年3月定例会で議員報酬、年間約1,600万円を800万円とする議案が全会一致で可決されました。これにより、平成23年5月から民意による成案が出るまでの当分の間、年額800万円となりました。民意による成案が出るまでの当分の間とは、人口約220万人、特別会計を含めた予算規模約2兆6千億円の名古屋市議会として、議員報酬はどうあるべきか?について、様々な比較や議論をし、名古屋市議会議員に相応しい結論が出されるまでという事でした。
議員は、何をしているかわからない。議員が多すぎる。税金の無駄遣いなどと、言われることが多くあります。そう言われないように、議員の役割や活動が、市民に理解されるようにしなければなりません。藤沢市議会としても、議会改革により、議会に対する批判が、議会に対する信頼や要望に変わるよう、努力するべきだと思いますし、私も、そういう思いで、しっかりと努力していきたいと思います。
今回の名古屋市議会改革の取組については、その多くを参考にしながら、藤沢市議会としても改革の検討を行っていますが、実際に視察し、実情を伺うことで、より実践的な議会改革につながると思いました。
以上、報告とします。