2024.6.13 子ども文教常任委員会

 6月13日 9:30より、藤沢市議会子ども文教常任委員会が開催され、自宅にてインターネット中継を傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。

陳情6第5号 幼児教育についての陳情

 この陳情は、藤沢市の幼児教育施設が運営困難となり幼児の多様な受皿がなくならないよう、また多くの選択の幅がなくならないよう、市に施設が存続できるような支援を求めるものです。

※この陳情は、森井委員が趣旨不了承としましたが、採決の結果、趣旨了承となりました。

報告(1)待機児童の状況と今後の取組等について

1. 保育需要の状況と今後の対応について

(1)待機児童数の状況

 令和6年4月の藤沢市における、国基準の待機児童数は、11人と昨年同時期に比べて8人増加しました。

(2)保育需要への対応

 ①既存保育施設の施設整備による定員拡大

 二葉保育園の再整備により、定員5人増、令和6年4月30日開所。

 ②今後の施設整備

 西南地区において、地区内の保育需要を鑑み、旧辻堂保育園跡地を認可保育所の設置を条件として売却し、90人定員の予定で令和7年度中の開所に向けて準備を進めています。

 ③保育士不足への対応

 令和6年4月の保育所等利用申込において、保育士不足を理由に受入れができなかった定員枠は160人分(昨年度127人分)生じており、この定員枠で受入れをするためには52人(昨年度38人)の保育士が必要な状況となりました。

 今年度は、これまでの宿舎借上、奨学金返済、転入奨励、就労奨励補助等の保育士確保策の実施に加え、新たに保育士試験対策講座の実施や保育士試験受験料の助成など、市内の保育施設への就業につながる事業をしていきます。

 また、保育士配置基準の見直しについても、国の動向を注視し、引き続き検討していくとともに、子育て支援員研修を実施することにより、保育の担い手を増やし、保育士の負担軽減につなげていきます。

2. 放課後児童クラブの状況と今後の対応について

(1)待機児童数の状況

 令和6年4月の放課後児童クラブの待機児童数は184人となりました。

(2)今後の整備について

 令和6年度は、令和7年4月の開所を目指し、3小学校区(湘南台・辻堂・高砂)で新設を目指すとともに、浜見小学校区では、既存クラブを校内に移転します。なお、令和7年度以降は、「第2期藤沢市子ども・子育て支援事業計画」を今年度中に改定するため、すべての児童クラブの利用状況や待機児童数、今後の児童推計などを勘案し、整備方針を検討していきます。

3. 放課後児童対策について

(1)放課後子ども教室

 本市では、これまで地域子どもの家または児童館が整備されていない6小学校区(御所見・善行・天神・大清水・明治・新林)を中心に整備を検討してきました。検討の結果、令和6年4月からは、御所見・善行小学校区で開設し、秋以降に天神・新林小学校区での試行実施を予定しています。

 令和7年度以降の取組については、放課後児童の居場所の確保が急務となっていることを踏まえ、今後の計画改定の中で整備方針を検討していきます。

(2)児童館へのランドセル来館について

 小学校から直接児童館に来館して帰宅時間まで過ごす「ランドセル来館」について、今年度は9月から2カ所の児童館(大鋸・鵠洋)で試行を予定しています。なお、利用要件などの詳細について「藤沢市みらい創造財団」と調整して、本格実施に向けて検討していきます。

4. 令和7年度からの「藤沢市幼児教育施設保育料補助金」の移行について

 現在、本市が実施している「藤沢市幼児教育施設保育料補助金」については、当初の予定通り令和6年度末で終了し、令和7年度からは国が実施している「地域における小学校就学前の子どもを対象とした多様な集団活動事業の利用支援事業」に移行します。

 なお、令和6年度末時点で保育料補助金対象施設に在園し、保育料補助金の対象となる児童については、当該施設を卒園するまで、現行の補助水準を維持することにより、影響が及ばないよう対応していきます。

町田委員

 放課後児童クラブについて、浜見小学校区の校内移転先と児童の動線は?⇒1階にある図工室を4階に移転して活用する。いったん下校してから児童クラブ専用入り口から入室してもらう。

 いったん下校する意味は?⇒学校活動とは別のものなので切り分けをするもの。

加藤委員

 待機児童について、特定の保育施設を希望して209人が待機とある。兄弟と同施設への希望も含まれるのか?⇒含まれる。

 児童クラブについて、湘南台小学校区のでの事業者は?⇒市内で5つの児童クラブの運営をしている事業者で、湘南台小学校から南側に650mの所。

 児童館でのランドセル来館は、事前登録制か?⇒そう考えている。

原田委員

 現行の補助制度を継続できないか?⇒近隣他市の状況を見ても国の制度に移行していることも踏まえて制度移行をしていく。

 保育士の離職率は?⇒過去の調査では、だいたい1割ぐらい。

 奨学金返済の内容は?⇒1/2を市が補助する。

 奨学金返済の拡充の考えは?⇒県外から転入保育士への補助などもしているので、総合的に判断している。必要があれば検討していく。

 浜見小学校の図工室に一度下校して入ることに伴う施設修繕はあるのか?⇒動線上はない。

 放課後子ども教室について、見守る人の要件は?⇒年齢など、要件は特にない。

 児童館へのランドセル来館について、地域の縁側やNPOの地域の居場所へも広げていく考えは?⇒2館で試行して課題を整理したうえで検討していく。

平川委員

 待機児童対策として既存施設の有効活用とは?⇒0歳児、4-5歳児に余裕があるので、1-2歳児を受け入れるために0歳児、4-5歳児のところを活用するなど。

 児童クラブにおける小学校の学級閉鎖時の受入れについて、今後の対応は?⇒コロナも5類になったので、今後は、保護者、学校の意見を聞きながら、運営事業者と協議していく。

報告(2)(仮称)藤沢市こども計画の策定に係る基礎調査の結果について

 令和6年2月議会の当委員会に「(仮称)藤沢市こども計画」の策定に関するポイントの報告がされましたが、今回は計画策定に向けて、令和5年度に行った基礎調査の結果が報告されたものです。

1. 基礎調査の結果における特徴的なポイント

(1)世帯の生活状況

 ①母親のフルタイム就労率の増加。

 ②母親の就労をしていない割合の減少。

 ③世帯における共働きの割合の増加。

 ④母親の育児休業の取得率の上昇。

 ⑤父親の育児休業の取得率の上昇。

(2)保護者の状況

 ①ひとり親世帯(2世代同居/3世代同居)は相対的に困窮層及び周辺層に分布する割合が高い。

 ②困窮層に該当する保護者は生活満足度が低いと回答した割合が高い。

(3)子どもの状況

 ①インターネットやゲームの中を「ほっとできる居場所」と回答した割合が一定数存在している。

 ②生活満足度が低い子どもは、自分の家や学校などを「ほっとできる居場所」と回答した割合が低い。

 ③困窮層の子ども、生活満足度が低い子ども、ひとり親世帯(2世代同居)の子どもは学校の授業がわからないと回答した割合が高い。

 ④生活満足度が低い子どもは自己肯定感が低く、ひとりぼっちだ、家族の仲が良くない、家で落ち着いて勉強ができない、身近な人を相談相手にできないと感じている割合が高い。

(4)ウェルビーイング

 ①「生活満足度低位」は、5歳児保護者は8.2%、小学5年生保護者は10.2%、小学5年生子どもは5.2%、中学2年生保護者は13.3%、中学2年生子どもは11.6%。

 ②子どもの生活満足度は親の生活満足度と相関関係にあり、その傾向は中学2年生子ども及び保護者において、より顕著にあらわれる傾向がある。

(5)保護者の意見

 ①「保護者の就労、子育てとの両立に関する悩み・支援」「子どもの教育、進学、教育費に関する悩み・支援」「子育て世帯への経済的支援、家計の悩み」など経済的な側面に関する悩みや「子どもの居場所」「子育てに関する相談・講座・仲間づくり」などが、5歳児・小学5年生・中学2年生のどの層の保護者にも共通した悩みや要望としてあげられる。

(6)子どもの意見

 ①悩んでいる子どものために必要なこととして、「気軽に悩み相談できる場所・工夫」「学校内(先生・スクールカウンセラー等)の相談・いじめ・不登校対策」が小学校・中学校ともに上位にあげられている。

 ②困っていることについては、小学校では「友達との関係・いじめ・人間関係の悩み」、中学校では「勉強・授業・学校生活全般の悩み」が上位となっている。

(7)子どもの居場所運営者や支援者ヒアリング等での意見(今後、力を入れるべき施策・課題)

 ①「相談体制の充実」

 ②「不登校対策・支援」

 ③「関係機関・団体の連携」

 ④「民間団体に対する支援」

 ⑤「子育て世帯への支援」

 ⑥「子どもの預かり、保育に関する支援」

 ⑦「居場所の拡充」

 ⑧「公園や遊具の整備」

 ⑨「学びの環境整備・学習支援」

 ⑩「障がい・発達障がい児に関連する支援」

2. 今後の予定

(1)令和6年10月~12月 12月議会当委員会に計画(素案)を報告

(2)令和7年1月~3月 2月議会当委員会に計画(案)を報告~計画の確定

町田委員

 アンケートに回答できていない児童生徒、保護者への対応は?⇒貧困、困難を抱える家庭へは別途調査をしていく。

 アンケート結果で見えた課題に対して、具体的支援の取組の考えは?⇒割合として把握できるが、個人を特定できないので、今後、計画を策定していく中で、新たな施策を検討していく。

原田委員

 潜在的困窮層という指標をなくしてウェルビーイングの視点としたことについて、国からの指示などがあったのか?⇒前回調査は、貧困対策のための調査で、今回の計画は貧困対策だけでなく、全体の子ども政策としていくもので、現在の生活に満足していない人が、どのような生活をしているのかを把握するため。

 不登校児童生徒と保護者にアンケートは渡っているのか?⇒学校での配布なので、渡っていない。

 別に不登校児童生徒と保護者を対象に調査するのか?⇒新しく社会資源調査をする中で、不登校児童生徒を支援する団体ヒアリングをした。

山口委員

 今後のスケジュールにある令和6年6月の追加調査とは?⇒15-39歳の若者世代を対象として、こども計画の中の少子化対策について、結婚、就労などの意識調査をするもの。

 追加調査の手法は?⇒対象年齢の市民を無作為抽出して、郵送しウェブでの回答を予定している。

報告(3)辻堂小学校改築事業に係る基本設計の進捗状況について

 今回は、基本設計業務において実施した劣化状況調査の結果を踏まえて整備方針案がまとまりましたので報告がされたものです。

1. 実施計画における整備手法

(1)屋内運動場(体育館)⇒建替え

(2)校舎棟1・2⇒建替え

(3)校舎棟3⇒既存改修

2. 整備方針案について

(1)新グラウンドの位置・新校舎棟の位置とも現状と変わらない配置

【A案】校舎棟を現在の位置に建替える案(仮設校舎(大))

【B案】校舎棟を現在の位置に建替える案(仮設校舎(小))

(2)新校舎棟を現在のグラウンドの位置に、新グラウンドを現在の校舎棟の位置に配置

【C案】校舎棟を既存のグラウンドエリアに建替える案(仮設校舎なし)

3. 今後のスケジュール

(1)令和6年7月 整備方針案の絞り込み

(2)令和6年8月~11月 基本設計内容の詳細検討/学校関係者・保護者代表・隣接住民との意見交換

(3)令和6年12月 基本設計の検討結果を当委員会に報告

(4)令和7年1月 基本設計の結果説明会を実施

加藤委員

 余裕のある教室数としていくのか?⇒将来的な規模を想定する中、学校適正規模・適正配置実施計画との整合を図りながら、必要な教室数を確保していく。

 体育館への空調整備の予定は?⇒設置に向けた検討をしていく。

 長寿命化で何年使用できるのか?⇒長寿命化改修により新築と同等の機能とするもので、鉄筋コンクリート造では80年の使用年数と言われている。

 プールについて、消防水利の役割は?⇒消防水利として指定されている。今後、消防局、防災安全部と協議して必要な設備の設備の設置について検討していく。

 給食配膳用通路に屋根はつくのか?⇒設置を前提に検討していく。

報告(4)鵠沼中学校改築事業に係る基本設計について

 昨年12月の当委員会において、整備方針案の報告がされましたが、今回、基本設計がまとまったので、その報告がされたものです。

1. 配置計画について

【A案】校舎棟を現在の位置、北側に建替える案/【B案】校舎棟を現在のグラウンドエリアの南側に建替える案/【C案】校舎棟を既存のグラウンドエリアの中央に建替える案の3案について比較検討した結果、仮設校舎を必要としないため、費用の削減、工期の短縮が見込まれる【B案】を採用することとしました。なお、概算工事費は約79億円を見込んでいます。

2. イメージ図

3. 今後のスケジュール

 新校舎建設、体育館等の改修を令和8-9年度に行い、令和10年度に移転、その後、既存校舎等の解体、令和11-12年度にグラウンドを実施する予定です。

町田委員

 南西側の歩道整備の検討はされたのか?⇒検討したが、敷地の状況からして、歩道の確保に至らなかった。

加藤委員

 体育館へ空調設備は整備されるのか?⇒設置に向けた検討をしている。

原田委員

 7つの基本コンセプトは、今後の再整備に共通するのか?⇒今回は鵠沼中のコンセプトとなる。再整備基本方針の中に教育委員会としてのコンセプトある。また、文科省の整備指針も踏まえて学校ごとに検討することとなるが、大きな考え方にかわりないものと考える。

 学校図書館がメディアセンターとなる。図書専門員の配置はどうなるのか?⇒今後、何が必要かについて検討していく。

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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