2024.12.6 厚生環境常任委員会

 12月6日 9:30より、藤沢市議会厚生環境常任委員会が開催され、委員として出席しました。内容の抜粋は次の通りです。

議会議案第8号 ケアをされる人もする人も自分らしい生き方ができる藤沢づくり条例の制定について

 藤沢市議会改革の一環として、議会による政策条例提案・政策提案に向けた仕組みとして、政策検討会議が設置され、その中で「無償の家族介護者(ケアラー)支援について」をテーマに条例提案の検討を進めてきました。条例案としてとりまとめができましたので、提案するものです。

※この議案は、全会一致で可決すべきものと決定しました。

陳情6第16号 安全・安心の医療・介護実現のため、人員増と処遇改善を求める陳情

 この陳情は、次の項目について国に意見書の提出を求めるものです(要約抜粋)。

(1)医師・看護師・介護職員などの配置基準を抜本的に見直し、大幅に増員すること。また、ケア労働者の賃上げを支援すること。

(2)医療や介護現場における「夜勤交替制労働」に関わる労働環境を抜本的に改善すること。

(3)新たな感染症や災害対策に備えるため、公立・公的病院を拡充・強化し、保健所の増設など公衆衛生体制を拡充すること。

(4)患者・利用者の負担を軽減すること。

※この陳情は、大矢委員(私)、神尾委員、土屋委員が賛同しましたが、採決の結果、趣旨不了承となりました。

陳情6第17号 介護保険制度の抜本改善、介護従事者の処遇改善を求める陳情

 この陳情は、次の項目について国に意見書の提出を求めるものです(要約抜粋)。

(1)社会保障費を大幅に増やし、必要なときに必要な介護が保障されるよう、介護保険制度の抜本的な見直しを行うこと。

(2)訪問介護の基本報酬の引き下げを撤回し、介護報酬全体の大幅な底上げを図る再改定を支給行うこと。

(3)利用料2割負担の対象者の拡大、要介護1.2の保険給付はずしなど、介護保険の利用に重大な困難をもたらす新たな制度見直しを検討しないこと。

(4)全額国庫負担により、すべての介護従事者の賃金を全産業平均まで早急に引き上げること。介護従事者を大幅に増やし、一人夜勤の解消、人員配置基準の引き上げを行うこと。

※この陳情は、大矢委員(私)、神尾委員、土屋委員が賛同しましたが、採決の結果、趣旨不了承となりました。

陳情6第18号 政府の責任で医療・介護施設への支援を拡充し、全てのケア労働者の賃上げや人員増を求める陳情

 この陳情は、次の項目について国に意見書の提出を求めるものです。

(1)医療や介護現場で働くすべてのケア労働者の賃上げと人員配置増につなげるよう、政府の責任において、全額公費による追加の賃上げ支援策を実行すること。

(2)すべての医療機関と介護事業所を対象に、物価高騰や人件費増を補えるだけの診療報酬と介護報酬を抜本的に引き上げる臨時改定を実施すること。

※この陳情は、大矢委員(私)、神尾委員、土屋委員が賛同しましたが、採決の結果、趣旨不了承となりました。

陳情6第19号 藤沢市民病院の駐輪場(自転車・バイク)屋根設置の陳情

 この陳情は、藤沢市民病院の駐輪場に屋根を設置することについて、市への働きかけを求めるものです。

※この陳情は、土屋委員が賛同しましたが、採決の結果、趣旨不了承となりました。

陳情6第28号 マイクロプラゴミの定点観測条例をつくり環境都市宣言を求める陳情

 この陳情は、魚介類の海洋汚染が喫緊の課題であり、マイクロプラごみの定点観測条例の制定を求めるものです。

※この陳情は、全会一致で趣旨不了承となりました。 

報告(1)藤沢市民病院の西館等再整備に係る基本構想について(素案)

 昨年12月の当委員会で、建替えの必要性が報告されましたが、今回は、その後の基本構想策定に向けた取組状況が報告されたものです。

【西館再整備後の建物に設置する機能(予定)】

 ①エネルギー棟

 西館にエネルギーを供給している施設で、西館より古く老朽化が進んでいるため、建替えが急務になっています。

 ②救急ワークステーション

 一般会計施設であるため、救命救急センターとの連携の必要性など、消防局と協議し、敷地内移転を検討します。

 ③救急救命センター

 病院の主要機能を持つ西館と一体化して機能しているため、建替えが必要です。

 ④院内保育所

 2007年から10年間のリース契約終了後に無償譲渡されました。平屋建てで境川沿いに立地しているため、災害対策上、敷地内の移転を検討します。

【整備スケジュール(予定)】

 最短で令和13年度の開院を目標に整備事業を進めていきますが、計画内容や諸条件によりスケジュールが変更になる可能性があります。

小池委員

 コンストラクション・マネジメント方式のコンストラクションマネージャーとは、どのような方か?⇒1級建築士の資格を持つ者。

 導入するメリットは?⇒コスト縮減が期待できる。

 導入した自治体のコスト縮減の事例は?⇒小田原市の市立病院では40億円の縮減ができたと聞いている。

土屋委員

 西館について、大規模修繕での長寿命化は難しいのか?⇒給排水管の漏水が発生している。老朽化が進み縦管の改修が必要となった場合、病院機能を維持しながらの改修は困難。

 事業費について、いつ頃金額を示せるのか?⇒基本計画策定時に示す。令和7年度中に算出する予定。

塚本委員

 コンストラクション・マネジメント方式の検討について、いつ頃、判断するのか?⇒設計段階、施工段階で入れることを検討していく。

 基本構想の中に自立経営を前提として考えていく必要があると思うが?⇒令和6年度から4か年計画で健全経営に取組んでいる。その中で再整備も含めて進めていく。

 独立行政法人化も検討すべきだが?⇒今後も経営形態の見直しも含めて検討していく。

報告(2)藤沢市健康増進計画(第3次)の策定について(中間報告)

 現行の「元気ふじさわ健康プラン 藤沢市健康増進計画(第2次)」の計画期間が今年度で終了することから、現状や課題などを踏まえて、令和7年度から18年度までの12年間を計画期間とした、「元気ふじさわ健康プラン 藤沢市健康増進計画(第3次)」を策定するもので、その中間報告がされたものです。内容は割愛します。

報告(3)第4次藤沢市食育推進計画の策定について(中間報告)

 現行の第3次藤沢市食育推計画の計画期間が今年度で終了することから、現状や課題などを踏まえて、令和7年度から12年度までの6年間を計画期間とした、「第4次藤沢市食育推進計画(生涯現役!ふじさわ食育プラン)を策定するもので、その中間報告がされたものです。内容は割愛します。

 
報告(4)地域共生社会の実現に向けた取組の推進について

 2025年(令和7年)を1つの到達点として深化・推進してきた藤沢型地域包括ケアシステムの取組経過及び地域共生社会の実現に向けた取組の方向性について報告がされたものです。内容は割愛します。

土屋委員

 令和7年度から市民センターに福祉職の配置を検討とあるが、市民からの相談を受けるのか?⇒その通り。

 生活保護の利用手続き、保育料の減免手続き、滞納相談も受けるのか?⇒受け止めてつなぐことを基本とするもので、手続きを完結するものではない。

 民生委員の負担軽減にもつながるのか?⇒一定の負担軽減につながると考えている。

 地域での完結について、最終的には相談者が本庁に行かなくても、本庁から市民センターへ職員が来て対応すべきだが?⇒ICT活用なども合わせて検討していく。

報告(5)老人福祉センターのあり方及び今後の方向性について

 老人福祉センターは、開設当時と現在では、本市を取り巻く社会情勢が大きく変化しており、高齢者数が増加し続けているにもかかわらず、利用者数は減少傾向にあります。特にやすらぎ荘は施設の老朽化の問題もあり、将来的な継続使用が非常に厳しい状況になっています。このようなことから、本市の高齢者施策において、老人福祉センターの求められる機能と果たすべき役割について検討をしており、今回、現時点における今後のあり方や方向性について報告がされたものです。

【老人福祉センターの現状】

 ①運用コスト(令和5年度決算)

 ・いきいきシニアセンター業務委託費 2億5,048万5,188円

 ・いきいきシニアセンター施設整備費(施設修繕費・土地建物賃借料など) 1,381万5,110円

 ・湘南すまいるバス運行事業 4,185万1,020円  合計3億615万1,318円

 ②延べ利用者数 144,121人

 ③利用1回あたりコスト 2,124円

【老人福祉センターの課題】

 ①施設の老朽化

 ・やすらぎ荘

 老朽化が著しく、施設にはエレベーターが無いなど、バリアフリーに対応できていません。

 ・湘南なぎさ荘

 築年数は浅いものの、施設の構造上、主要設備が地下にあるなど、建物の構造が複雑になっているため、電気設備などの更新や大規模修繕や工事をするには、建物を除去しないと行えない状況となっています。

 ・こぶし荘

 上記2施設と比較しても場所が広く、築年数も浅く、浴室及び運動浴室を利用できる施設となっています。現時点では適切なメンテナンスを行うことで、支障なく運営を継続することが可能です。

 ②利用者の減少

 老人福祉センターの3館合計利用者数は、平成23年度の308,960人をピークに緩やかな減少傾向となっています。令和5年度の利用者数は144,121人で、平成23年度の46.6%程度となっており、利用者数は回復傾向にはあるものの、コロナ過前の人数までには戻っていない状況です。

 ③利用者の固定化

 令和5年度の実利用者数は、やすらぎ荘1,267人、湘南なぎさ荘1,724人、こぶし荘2,020人で合計5,011人になっています。市内の60歳以上人口の利用率に換算すると全体の約3.7%にとどっまており、一部の高齢者の利用に偏っている状況で、利用者の固定化が課題となっています。

 ④入浴施設の運用にかかるコスト(光熱水費・修繕費・人件費(委託))

 やすらぎ荘1,058万1,857円で利用1回あたり801円/湘南なぎさ荘1,205万8,752円で利用1回あたり1,322円/こぶし荘1,098万3,877円で利用1回あたり660円。

【アンケート結果の考察】

 令和6年7月~8月に24,900人を対象に実施、355人からの回答を得ました。アンケートからの傾向は次の通りです。

※全体

・現状でのニーズは低いが将来的に必要性が認められる施設であり、時代に即した様々な事業展開を行っていくことが求められている。

・今後ますます特定の利用者に限定された施設になる。

・「講座・イベント」「健康づくり・介護予防」「生きがいづくり、社会参加・交流」の要望が多いことから、事業を継続し、更なる充実が求められる。

※世代別

・「今後のセンターのあり方としてふさわしいと思うもの」について、60歳以上は、「高齢者が無料もしくは安価で利用できる施設」の回答が最も多いのに対し、50歳代以下の方は「多世代が広く利用できる施設」の回答が最も多くなっています。

・「センターに必要と考える機能・サービス」について、60歳以上が「講座・イベント」が最も多いのに対して、50歳代以下は「健康づくり・介護予防」が最も多くなっています。

・「今後もセンターは必要と考えるか」について、60歳以上の方の約7割が「必要」と答えているのに対し、50歳代以下は約5割となっています。

【課題等を踏まえた整備の基本的な考え】

 ①老人福祉センターの再整備方針

 本市では、老人福祉センターについて、高齢者の生きがいと健康づくりの拠点施設として整備をしてきました。しかし近年、社会情勢の変化などから、より身近な場所で様々なサービスが受けられるよう、福祉サービス全般において地域支援の考え方にシフトしています。このような状況を踏まえて、今後の老人福祉センターの再整備については、これまでの拠点整備の考えから、より身近な地域において、機能別にサービスを享受できる方向に転換していきます。

 ②地域共生社会の実現をめざした施設整備

 今後の老人福祉センターについては、地域共生社会の実現をめざし、藤沢型地域包括ケアシステムを深化・推進させていく観点から、高齢者だけでなく全世代のあらゆる方に対する支援を視野に入れた施設の活用を進めていきます。
 この具現化として、湘南なぎさ荘と鵠沼市民センター等との複合化による再整備を進めます。

 ③入浴事業の廃止

 入浴事業については、ランニングコストが高額になっています。また、利用者が固定化していることから、サービスの公平性の観点からも課題となっているため、今後、施設の建て替え等のタイミングをもって入浴事業を廃止します。

【今後の方向性】

 ①やすらぎ荘

 老朽化が著しく耐震強度が施されていないため、部分的な修繕では対応が不可能な状況となっているうえ、高齢者施設でありながらバリアフリー化が未対応となっています。今後の方針については引き続き検討していきます。

 ②湘南なぎさ荘

 鵠沼市民センター等との複合化による再整備を進めていきます。

 ③こぶし荘

 現行の老人福祉センターを維持し、食や健康づくりなど、高齢者の生活支援としての機能を持つ施設として、当面、現状での運営を継続していきます。

神尾委員

 入浴廃止の方向性が示されたが、一人暮らし高齢者にとって衛生面、見守りの役割を果たしてきたと思う。今後の対応は?⇒一人暮らし高齢者は転倒のリスクもあり、必要性は高いと捉えている。他の施設を案内して、影響を少なくできるように対応を図っていく。

土屋委員

 こぶし荘、湘南なぎさ荘は指定避難場所になっているのか?⇒こぶし荘は指定避難場所に、なぎさ荘は指定避難所、指定避難所になっている。

 災害時の拠点機能も考える必要あるが?⇒現在の施設を考えるとなぎさ荘は津波浸水深は3-4mなので影響はある。鵠沼市民センターの再整備に合わせて複合化を検討しているところ。

※以上、報告とします。


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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