普通交付税の交付について

 8月5日に「平成23年度普通交付税大綱」が国で公表され、藤沢市が昭和35年以来、51年ぶりに交付団体となることとなりました。その内容について、報告がありましたので、お知らせします。

1.交付税制度とは、所得税・法人税などの国税の一定割合を財源として、自治体間の財政力格差を解消する財政調整機能です。また、どの地域においても一定の行政サービスが提供できるための財政保障機能でもあります。

 普通交付税の算定は、需要額と収入額で算出されます。需要額は、標準都市(人口10万人規模)を基本として、国が定める行政運営に必要な経費、人口、面積、地域特性などを計算して算出します。従って、藤沢市が独自で行っている施策に伴う経費は需要額には反映されません。

 収入額についても、標準的な税収入などの一定割合で算出されるものであり、藤沢市の納税義務者数、課税標準額などをもとに国が算出した標準的な収入額です。従って、藤沢市の実際の税収額とは一致しません。

 このように算出された、需要額と収入額の比較により、需要額が収入額を下回れば不交付団体。逆に上回れば、財源不足(財政力指数1:00未満)とされ、交付団体となります。藤沢市は、今回の算出により、財政力指数が0.995となり、51年ぶりに交付団体となったわけです。

 財政力指数は、H21年度 1.146→H22年度 1.020→H23年度 0.995

 普通交付税額は、H21年度 0円→H22年度 0円→H23年度 289,532,000円

2.主な原因は、需要額が、生活保護費・社会福祉費・保健衛生費・臨時財政対策債振替相当額などの増により、前年比5.2%増に対して、収入額は、市民税所得割・市民税法人税割・地方消費税交付金などの増が、前年比2.6%だったこと。

※なぜ、このようになったのか?

 国の算定方法の見直しにより、臨時財政対策債振替相当額が、前年度の43億円から25億円へ減少したことが主な原因です。この見直しは、今までの人口を基礎として算出する方法を縮小して、財源不足額や財政力指数を考慮した新方式が導入されたためです。国は、平成25年度までに新方式へ完全移行を予定しています。

3.藤沢市の財政は大丈夫なのか?については、藤沢市としては、国の算定方式の見直しによって交付団体となったものであり、藤沢市の財政の健全性が損なわれたものではないとしています。財政健全化法に定める財政健全化基準値から見ても、藤沢市財政の健全性は堅持されていると考えられます。

実質公債費比率は、H20年度 8.4%→H21年度 6.9%→H22年度 6.3% 

実質公債費比率とは、標準財政規模に対する借入金返済の割合で、財政健全化法での「早期健全化基準」は25%。

将来負担比率は、H20年度 45.7%→H21年度 38.1%→H22年度 35.6% 

将来負担比率とは、標準財政規模に対する借入金の残高や、数年間にわたる契約により、約束された支払いなど、将来負担すべき実質的な負債の割合で、財政健全化法での「早期健全化基準」は350%。

 以上、ポイントの報告とします。

 私は、51年ぶりに交付団体へなったことについて、国の算定の見直しだけなのか?その仕組みや藤沢市の財政の詳細を十分把握しておく必要があると思います。また、交付団体になったことによる、国からの不当な圧力や指導がないか、注視をしておく必要もあると考えます。

 

 

 

 


おおや徹

藤沢市のためにがんばります!

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