10月10日に開催された、本会議において、平成24年度決算認定に対して、各会派が決算討論を行いました。私が所属する「かわせみクラブ」からは、私が討論しました。討論の内容(全文)は、次の通りです。
【平成24年度決算討論】
認定第1号、平成24年度藤沢市一般会計歳入歳出決算の認定ほか8特別会計決算認定について、議案第29号 平成24年度藤沢市下水道事業費特別会計未処分利益剰余金及び資本剰余金の処分並びに決算の認定、ほか1議案について、すべて賛成の立場で、かわせみクラブの討論を行います。
平成24年度予算は、鈴木市長になって初めての予算であり、予算に賛成の立場で行った討論では、前市政がトップダウンで行ってきた市政運営から、市民に信頼される市政運営に向けて、藤沢の再生を進めてほしいと要望しました。また、そのために、地域経営会議のあり方やまちづくり基金を含めた地域予算のあり方を見直すこと、有機質資源再生センターの撤退に向けたプログラムを研究すること、百条委員会の報告に対して、しっかり対応することなど、いくつかの事業や、市政運営に関して、意見・要望もさせていただきました。
その点については、24年度の中、また、今年度の中で、着実に改善が進んでおり、評価をするところです。
私事ですが、自分の趣味は、温泉・食べ歩きです。そんなこともあって、温泉や食べ物を目的にいろんな所に行きます。そうやっていると、つくづく思うのですが、人は本当に食べることが好きで、新鮮で安全な野菜や加工品を買うことが好きなんだなあーと。そして、こういうのが藤沢にあったらなあーと思うのです。わいわい市は、そのあったらなあーに該当します。
人が集まる商店街にもよく買い物に行きますが、そこには共通点があります。新鮮で安い、八百屋さん、魚屋さん、肉屋さん、総菜屋さんを中心に喫茶店やパン屋さん、そこに雑貨屋さんや金物屋さんがあって、活気があるからお客も立ち寄る。雑誌や商店街の本に載ることで、そこは観光地となるのです。そういう意味で、商店街の活性化について、地元商店街をどのようにしていくか?というより、共通点を物理的に作り出し、観光地化していくという発想を持ってもいいのではと思います。外からの人が来ないとしても、市内での観光地でもいいと思うのです。
民営化した市場も、あれだけの敷地と駐車スペースがあるのに、もったいないなあーと思います。築地のもんぜき通りとは言いませんが、アイデアによっては、観光客も呼べる潜在力を持っていると思うのです。何が言いたいかというと、藤沢元気バザールに期待しているということです。元気バザールはぜひ、大いに賑わっている、各地の商店街を実際に見て、その雰囲気をたくさん経験して、多くの市民や観光客が立ち寄るような、元気バザールにしてほしいのです。藤沢にあればなあーと、もう思わないような元気バザールを大いに期待をしています。
少し、余計なことを言い過ぎましたが、本題に入りたいと思います。
それでは、平成24年度決算にあたり、いくつか意見・要望を申し上げます。
【総務費】
1.組織改正と新庁舎建設について
平成24年度の中で、25年度からの組織改正について、検討・調整がされました。市民に分かりやすい組織、ワンストップサービスの実現、課題解決のための組織強化など、市民の立場に立った検討がされ、この4月に組織改正がされました。しかし、本館・東館が閉鎖されているため、市役所機能が分散、市民にとって不便な状況となっています。組織改正の目的を達成するためにも、早期の新庁舎建設が必要です。平成29年度中の完成というスケジュールの前倒しは難しいとの事ですが、少なくとも遅れないよう、十分な調整と、市民の意見を聞く機会の担保をお願いします。
2.法とモラルを守る藤沢について
「藤沢市における法令の遵守に関する条例」が制定されました。しかし、制定後も懲戒処分が7件と根絶には至っていません。様々な研修の実施、決裁などの手続きの改善などを行っているとの事ですが、根絶に向けた取り組みを一層進めていただきたいと思います。市役所の職員だから当たり前、こんなの民間では当たり前というような声をよく聞きますが、公務員は全体の奉仕者でなければなりません。民間の感覚を持ってはいけない部分もあるわけです。全体の奉仕者として、民間感覚をどこの分野まで持つべきなのか、不祥事の根絶には、そういったことも考える必要があるのではと思います。
また、現場職員の多くはその職務に誇りを持ち、様々な市政の課題に日々真摯に取り組んでいることも、忘れてはならないと思います。この6月、労働会館において開催された講演会「若者支援における、これからの連携について」の場において、講師の小島貴子 さんは、藤沢市の現場の皆さんが「困難を抱えた若者」支援のために、献身的に取り組んできた経過を非常に高く評価してくれました。平成25年度に「ユースワークふじさわ」がスタートできた背景には、このような地道な努力の積み重ねがあったことにも、ぜひ光をあてていただきたいと思います。
精神障がい者の地域移行についても、保健所の職員の取り組みは、障がい者支援の現場からは高く評価されています。前市長時代の総括をふまえ、こうした現場の努力が実るような、風通しのよい開かれた環境の醸成を要望します。
3.平和都市宣言について
核兵器回絶平和都市宣言の主旨に基づき、核兵器廃絶と恒久平和の実現をめざす藤沢市として、広島・長崎への派遣を含めた平和事業を展開していますが、横須賀を母港としている原子力空母について、大地震や有事のことを考えると、取り組みを強化するべきだと思います。横須賀基地と藤沢の距離は直線で約20km。この状況を福島原発の事故に置き換えると、向きによっては、居住制限区域や帰還困難区域にもなるわけです。国に対して対策の強化を「神奈川県基地関係県市連絡協議会」において要望しているとのことですが、国に要望する一方で、事故が起きた場合に、藤沢市として何をするべきなのか、しっかりとした対策を構築しておくべきだと考えます。
4.職員の給与削減について
昨年の10月から職員給与の独自削減をしています。市長の公約である総人件費5%削減について、任期中の考え方が示されていますが、職員のモチベーション維持の観点からも、各年度において、関係団体との合意を持って進めていただきたい。そして、人件費については、第1次行革から3次行革での人員削減は760人、コスト削減500億円。一方で、時間外勤務は増大、年休は、なかなか取れない状況で、管理職に至っても、特に課長補佐や主幹クラスを中心に、時間外手当の対象とならない上、休日出勤も、大変多く見受けられる。毎月、約34,000時間、年間約41万6,000時間の時間外が生じており、年間の所定内労働時間1,891時間で、単純に割ると、約220人分、職員が足りないこととなる。単純計算なので、220人採用すべきとは言いませんが、職員数が不足していると言わざるを得ません。共済等の事業主負担、退職手当を含めた生涯賃金を考えれば、25%・50%増しの時間外手当を払ってでも、人件費の抑制になるわけです。このような状況の中では、地域手当を含めた各種手当について、今後どうしていくべきか、財政効果を比較すれば、おのずと答えは出るはずです。職員が、負担と感じながらも、なんとかモチベーションを維持し、より良い市民サービスを提供していく。そのためにも、一定の給与水準の確保に努めていただきたい。
【民生費】
1.障がい者就労について
障害者基本法の改正によって、「障がいの有無にかかわらず、すべての人々が共に生きる社会をめざす」という基本的な方向性が明確に位置づけられました。これは障がい者だけの問題ではありません。外国につながる人々やセクシュアル・マイノリティの人たち、そして男性も女性も、お互いがお互いの「違い」を認め合いながら「共に生きる」社会をめざさなければなりません。
この中で障がい者就労については、藤沢市が福祉団体やNPOなどと連携しながら、積極的な取り組みを進めてこられたことは、高く評価したいと思います。しかし先進自治体の取り組みから比べれば、まだまだ試行錯誤の段階にあるとも言えます。ぜひ、今後とも積極的な取り組みをお願いします。特に福祉的就労から一般就労への移行が課題となっており、障がい者就労をぜひ「労働政策」として位置づけていくことを要望します。更に、障がいを持つ人に限らず、困難を抱える人に対しても、乳幼児健診から、保育、学校、就労と、保健所、保育園、小中学校、福祉部門、経済部門が、情報を共有し、切れ目のない支援ができる仕組みの構築を望みます。
2.公立保育園について
公立保育園のあり方については、委員会の質疑の中で、副市長から、公立が優れているから公立ではなく、他の運営を公立に合わせていくべき。その上で、公立の役割、指導がどうあるべきかを考える必要がある。平成27年度の新たな制度に向けて、需要調査も踏まえて考えていく。との答弁がありました。公立保育園は、基幹保育園、地域保育園、その他保育園と位置づけ、それぞれの役割を果たすこととなっていますが、どこの保育園をどの役割にしていくかが明確になっていません。そのような中で、高砂保育園の民営化が進められています。公立保育園16園をどういう位置付けにしていくのか、老朽化により建替えをする園をどうしていくか?という場当り的な進め方ではなく、保育所整備計画の中で、具体的な園を位置付けたうえで、保護者対応や職員の配置について、計画的に進めていくべきと考えます。ぜひ、早い段階で、具体的な計画を示していただくよう要望します。
【教育費】
1.教育全般について
平成24年度は、大津のいじめや大阪での体罰による、子どもの自殺という深刻な問題によって、教育のあり方が根本から問われた年でした。藤沢も例外ではありません。中学校では2件の体罰による処分が明らかになり、神奈川新聞はその特集の中で「いつ自殺が起きても不思議ではなかった」とまで指摘しました。
これらを「特定の個人の問題」とするのではなく、教育委員会や各学校は、この機会にあらためて、いじめや体罰のない学校づくりに向けて、真摯に取り組んでいただきたいと思います。そして、吉田教育長をはじめ教育委員会が、これらの問題への反省を踏まえ、「すべての子どもが支援を必要としている」という立場に立った「支援教育」の理念を、藤沢の教育の根幹に据えようとしていることについて、高く評価したいと思います。
困難な道だとは思いますが、あらためて「学校教育ふじさわビジョン」の理念に立ち返り、すべての子どもたちを包み込む「インクルーシブな学校」をめざしていただきたいと思います。
また、少子高齢化の流れにもかかわらず、藤沢の児童生徒数は依然として増加を続けています。教室不足は深刻化し、いまや小学校の1/3がプレハブ対応を迫られる状況です。
この問題は学校だけではなく、保育園の待機児童も深刻な状況であり、さらに児童クラブの逼迫にもつながっています。待機児解消を喫緊の課題として取り組むとともに、児童福祉法の改正に伴う学童保育の条例化に向けた論議を進めていただきたいと思います。
児童生徒の増加に対する即効薬はないかもしれませんが、「いずれ児童数は減少に転ずる」という認識だけではなく、今後の学校施設のあり方の論議を含めた中期的な展望に立った、対策の立案を求めます。
2.学校施設整備について
学校給食調理室のエアコン設置については、質疑の中で、夏場の調理室の過酷な現状、熱中症の現状も含めて、教育委員会として十分認識されていることが確認できました。今後、普通教室のエアコン設置に合わせて、調理室にも設置するとの事でしたが、学校によっては、その構造上、簡単に設置できないことも想定できます。
エアコン設置に向け、事前に対策が必要な学校があるかどうか調査し、必用であれば、その対策を講じて、決して、後回しにならないように取り組んでいただきたい。
【下水道事業】
雨水浸水対策について、貯留管の整備が進み、浸水被害の地区が減少していることは評価をします。しかし、下水道ビジョンの計画をみると、平成42年度までに浸水対策を必要としている地区はまだ多く存在しており、ゲリラ豪雨に対する、市民の不安も大きいものがあります。貯留管が整備されていても、その機能を超えるゲリラ豪雨には、別の備えが必要となります。基本的には、自助による対応が必要なのですが、どのように対策をしてよいか、多くの市民は知らないのではないかと思います。土のうを、きっちり積めば、床上浸水や床下浸水を防げるケースも多くあるはずです。
特に、浸水対策の必要がある地区の市民に対しては、何らかの方法で、自助による浸水対策を周知するべきと考えます。今は、必要に応じて、市民センターなどに土のうを取りに行くことになっていますが、そのことを知らない市民も多くいると思います。まして、高齢者、障がい者などは、土のうを取りにいけないわけです。自主防災組織が機能し、対応している地区や、前から水が出るからと土のう積みに慣れている地区、市民センターが積極的に対応している地区もあると聞きますが、市として、状況を把握し、少なくとも、土のうが積まれていれば防げたのに、とならないように、地域と連携した取り組みを要望します。
以上で、かわせみクラブの討論を終わります。