9月4日 15:30より、箱根において、連合神奈川議員団会議第4回研修会が開催され、私も推薦議員として参加しました。
研修会の内容は、「巨大地震に対する神奈川としての備え」をテーマに東京大学地震研究所の平田直教授が講演されました。講演の内容の抜粋については次の通りです。
1.地震と震災は別物
地震や地震動は自然現象。しかし、震災は社会・経済現象であり、仮に人がまったく住んでいない地域に大規模地震や大津波が起きても災害にはならない。
2.2011年3月11日発生の東北地方太平洋沖地震とは、どのような地震か
①太平洋プレートが日本海溝に沈み込み、東北地方を年間1cmほど押しており、GPS測定でも観測されている。
②GPSは、1995年の阪神淡路大震災の後、全国に1477台設置された。
③1995年の阪神淡路大震災=兵庫県南部地震において、ずれた断層は50kmでM7.3。東北地方太平洋沖地震では、500kmでM9.0。1000倍の地震だった。
④GPSデータによると、東北地方太平洋沖地震で、最大5.3m(牡鹿)太平洋側に動いた。年間1cm押されていたので、500年分が一気に戻ったといえる。
⑤この地殻変動は、現在も起きており、10年から数十年続くとも言われている。
⑥活発な余震活動は、M7.0以上が6回、M6.0以上が89回、M5.0以上が552回であり、この余震は、回数が減少しながら、あと数年続くと予想されている。
3.震災による死因
東日本大震災では、92.4%が溺死。阪神淡路大震災では、83.3%が建物倒壊によるもの。関東大震災では、87.1%が火災によるもの。
4.首都圏の地震予想
首都圏では、大地震が繰り返されている。元禄関東地震(M8級)1703年→安政江戸地震(M7級)1855年→東京地震(M7級)1894年→大正関東地震(M8級)1923年。M8級の間隔は220年あいている。
従って、南関東地域のM7級地震は、今後30年間で70%の発生確率。
5.神奈川県に影響する地震被害想定
①南関東地震(相模トラフ)M7.9 死者8,460人
②神縄・国府津-松田断層帯の地震M7.5 死者1,500人
③三浦半島断層群の地震M7.2 死者4,350人 ※30年以内にM6.7程度の確立11%
6.神奈川県の地震防災戦略
①三浦半島断層群の地震を対象として設定
②減災目標は、死者4,350人→2,020人 経済被害額40.4兆円→23.6兆円
③住宅の耐震化を平成27年度までに目標90%(平成15年度82%)
④防災拠点となる公共施設の耐震化を平成27年度までに90%(平成20年度87%)
⑤地震ハザードマップの作成を平成27年度までに33市町村(平成20年度17市町村)
⑥経済被害額の軽減として、上下水道の耐震化など
7.まとめ
地震を防ぐことは出来ないが、震災を防ぐことは出来る。