5月19日 13時過ぎから、藤沢市みその台にある、児童養護施設「聖園子供の家」を会派のメンバーで視察しました。
園長から、各施設を案内していただき、最後に課題などを聞くことができました。この施設は、様々な事情で、家庭での生活が難しい子どもを、家庭に代わって養育する施設です。園長に現状を聞いたところ、親のいない子どもではなく、様々な事情で、親が養育できないとのことで、ここ数年は、100%親による虐待だそうです。
1.現状
定員は108人。年齢別の状況は次の通りです。
①3歳未満 男2人/女1人/計3人
②年少 男5人/女3人/計8人
③年中 男2人/女4人/計6人
④年長 男3人/女1人/計4人
⑤小学1年 男5人/女4人/計9人
⑥小学2年 男1人/女2人/計3人
⑦小学3年 男4人/女1人/計5人
⑧小学4年 男4人/女3人/計7人
⑨小学5年 男3人/女3人/計6人
⑩小学6年 男4人/女2人/計6人
⑪中学1年 男2人/女4人/計6人
⑫中学2年 男4人/女3人/計7人
⑬中学3年 男3人/女1人/計4人
⑭高校1年 男3人/女0人/計3人
⑮高校2年 男2人/女3人/計5人
⑯高校3年 男0人/女4人/計4人
※一時保護 男0人/女2人/計2人 合計88人。
2.課題
(1)人材不足
家庭の様々な事情をかかえて、この施設に入っている子どもたちなので、その面倒をみる支援員(職員)の精神的な負担も重く、平均勤続年数は約7年と短い。現場の職員不足が課題と言う。
(2)卒園者のフォロー
卒園者のフォローについては、県のあすなろサポートステーションによる、フォローについて、県から話があったが、聖園卒園者でない人が出入りすることによる課題を考慮して、断ったとのこと。卒園者に対するサポートを独自に考えているが、課題を抱える卒園者へのサポートには課題がある。この施設に来てくれればいいが、来られない卒園者へは連絡が取れないこともある。そこをどうしていくか?
(3)進学
高校卒業後の進学について、多くの子どもたちは、専門学校や大学などへの進学を希望するそうである。その場合、アルバイト+奨学金での進学となるケースが多いらしい。児童福祉法では18歳までの援助となっているので、高校卒業時で法的な援助は終了してしまう。この18歳までの援助が、20歳までとなれば、多くの子どもたちが自立できるようになるという。
(4)地域との交流
この施設の役割が、地域の住民になかなか認知がされていない。地域の住民との交流をこれからも進めていきたいという。
(5)受け入れる学校
施設の子どもたちを受け入れる学校について、中学校では第一中学校のみとなっているが、善行中学にも受け入れてほしい。市に要望していくとのこと。
3.視察して
視察して考えたことは、こういう施設が聖園の敷地の中にあったということを初めて認識したことを恥ずかしく思いました。ただ、聖園には、修道院や高校もあり、キリスト教施設という認識もあったため、中に入ることが出来ないと思っていました。基本的には、用がなければ入らないのですが、聖園と地域住民との交流という意味で、ホールや野球場が開放されているので、地域の方々には、知っていただきたいと思いました。
園長が課題だとした件について、人材確保については、議会や市では対応できないと思います。しかし、もともと市民ではなかった子どもたちですが、様々な事情で藤沢市民となり、市の学校で勉強し、更に進学するために課題があることが分かったので、本来、国や県で対処すべきものではありますが、市民の課題解決のために、市として何かできないか?会派として議論していく必要があると思いました。
6月1日(日)に、子ども祭りがあるとの事で案内をいただきました。園長からは、この施設の卒園者もくるので、是非、多くの議員や市関係者に現状を知ってもらう良い機会として、参加してほしい。との事でした。私は、今のところ予定が入っていないので、是非参加したいと思います。
以上、報告とします。