2月10日 11:00より、藤沢市議会、藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会が開催され、傍聴しました。内容の抜粋は次の通りです。
1.「藤沢駅周辺地区再整備構想・基本計画に基づく事業計画案」の進捗について
平成25年10月28日に開催された、藤沢都心部再生・公共施設再整備特別委員会において、「藤沢駅周辺地区再整備構想・基本計画に基づく事業計画案」が示されましたが、今年度の進捗状況が報告されたものです。
(1)北口駅前地区の整備状況
①道路整備状況
藤沢駅北口通り線・北口東西線について、歩道整備、安全施設、照明灯の設置、国道467号線へ接続するための交差点改良工事を進めています。この交差点改良工事は、今年度末の完成を予定していましたが、入札の不調などがあり、年度内の完成は難しい状況となっています。
②照明灯スポンサー事業
北口通り線・東西線の道路及び歩道照明灯(13本)設置に関して、スポンサー募集を行った結果、6本(2事業者)の応募があり、事業費約850万円の縮減が見込まれます。なお、2月下旬に設置する予定です。
(2)北口駅前広場のリニューアルに向けた検討状況
①デッキ耐震強度調査について
リニューアルに向けた構造上の課題整理を行うことを目的に調査を実施しています。
②藤沢駅北口デッキなぎわいワーキングについて
北口ペデストリアンデッキ及び特殊街路のリニューアル後の運営・管理についての検討と、それを踏まえたリニューアル計画案を策定することを目的にワーキングを立ち上げまし た。来年度は、北口デッキのリニューアルや特殊街路(さいか屋南側)の活用を見据え、エリアマネジメント組織の準備に取り組む予定です。なお、エリアマネジメントとは、地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための住民・事業主・地権者等による主体的な取り組みで、施設(道路、駅前広場、デッキなどの公共施設)の維持管理、イベントの実施、情報発信、安全・安心の確保などを行うことをいいます。
③藤沢北口エスカレーター設計業務委託について
北口デッキと特殊街路(歩行者専用道)をつなぐ位置に、エスカレーターを設置するため、設計業務委託を進めています。平成27年度にエスカレーター設置工事と電線の地中化を予定、28年度には、景観に配慮した整備を行い、にぎわいの創出につなげていきたいと考えています。
(3)駅改良に向けた鉄道事業者との協議状況
昨年3月にJR・小田急と「自由通路の拡幅と小田急改札の橋上化に向けた検討を進める」ことについて合意し、本年度は、具体的に改札や駅務室の位置、エスカレーター、階段等昇降施設の配置、乗換方法について、具体的な案の検討を行っています。来年度は、今年度の検討を踏まえ、自由通路などの基盤施設、駅舎等の鉄道施設、駅内外の商業施設の配置も含めて、全体構想が想定できる段階までの検討を進め、地質調査や測量等の調査設計を行ったうえで、事業の実施に向けた鉄道事業者との協定の締結につなげていきたいと考えています。
市川委員
国道467号線への交差点改良工事が遅れることについて、商業施設への影響は?⇒スーパー、住宅兼店舗、ミナパークへの若干の影響はあると考える。各事業者と調整していくこととなるが、2月末までにミナパークまでの間は整備が完了する。
最終的な完成はいつになるのか?⇒早期完成をめざすが、約3か月ほど遅れる見込み。
駅の改良について、小田急の橋上化を進めているが、具体的内容は?⇒自由通路を現状の8mから16mへ拡幅を検討している。小田急の南口改札を橋上にするために、駅務室、改札などの検討を進めている。
柳沢委員
北口デッキについて、エリアマネジメントの組織をつくるとの事だが、擬態的組織の内容は?⇒先進都市を参考に、これから検討する。
エリアは、北口デッキと特殊街路が対象か?⇒その通り。
特殊街路の位置づけは?⇒銀座通り、多くのマンションからの動線となっており、重要なルートとして考えている。エスカレーターを先行して設置するが、遊行通りや新庁舎側も踏まえて検討していく。デッキから各商店街へのルートを検討していく。
自由通路が16mに拡幅となると、市が管理するのか?⇒現行の自由通路は鉄道事業者の管理となっているが、拡幅の部分も含めて協議しているところ。
財政負担は?⇒事業費全体として約250億円を想定。
250億円のうち、市の負担は?⇒国の交付金が40%、市債の活用を考えている。
有賀委員
デッキから北口通り線に降りるには、民間施設を利用して降りているが、どうなるのか?⇒リニューアル計画の中で検討していく。
北口通り線と遊行通りとのアクセスの考えは?⇒北口に整備している自転車等駐車場の所を2mほど開けている。民間建物があって遊行通りには抜けられないが、今後の調整となる。
特殊街路でのオープンカフェなどについて、規制緩和は受けられるのか?⇒特殊街路も道路法上の道路であり、設置できないが、平成27年度から、特殊街路、デッキなどの北口エリアを都市再生整備計画の認定を受ければ、法的に問題がなくなる。
松長委員
2020年のオリンピック・パラリンピックを踏まえて、スケジュールを前倒しすべきだが?⇒鉄道事業者との協議を進めており、今のところ、スケジュール通りに進んでいる。
駅上に商業施設ができると考えるが?⇒商業規模は、現段階では示されていない。ルミネ、小田急など事業者の判断もでてくると考えられる。
南口ロータリーは狭い。駅上に小田急百貨店をもってきて、ロータリーを広げることを考えられないか?⇒事業者にヒアリングを行った時点では、小田急百貨店は耐震化が済んでいるので、継続したい意向であった。
大野委員
市民への周知の考えは?⇒具体的素案が示せる段階でないが、今後、周知し意見を伺っていく。
平成35年度完成予定。藤沢駅のイメージ図を示すべきだが?⇒JRも小田急も財源を投じることとなるので、株主との兼ね合いもあり、適切な時期に示していく。
2.藤沢市新庁舎建設事業の進捗状況について
今回の報告では、実施設計をもとにCG(立体映像)が示されました。また、実施設計の進捗状況として、総事業費の変更も報告されました。
(1)総事業費について
【平成26年9月時点】 187億円
実施設計において、エレベーター、エスカレーターの仕様見直し、地下工事の工法の変更などにより、本体工事の縮減を図りましたが、建設物価指数が約2.3%上昇したことにより、平成27年1月時点での事業費は次の通りとなりました。
【平成27年1月時点】 187億円 ⇒ 190億2,800万円
(2)資金計画
【平成26年9月時点】 1億円(国庫補助金) + 124億円(起債) + 62億円(基金など) = 187億円
【平成27年1月時点】 1億円(国庫補助金) + 126億円(起債) + 63億円(基金など) = 190億円
(3)現新館整備について
現新館は、築33年が経過し、老朽化が進んでいるため、設備も含めた更新工事が必要となります。平成27年3月末までに基本方針を決定し、平成27年6月までに基本計画を定めます。なお、現新館には、建設3部及び各行政委員会を配置し、新たに位置付けるべき機能について検討を進めています。また、防災センターについては、消防局及びIT推進課の機能充実に向けた配置計画を行います。
(4)工事の発注方法(案)について
新庁舎建設工事は、これまでにない大規模な工事となることから、先例となる他市の発注方法等の調査を踏まえ、工期の厳守、工事の品質管理、市内企業の参加等について、本市にとって最も適した方法の検討を行いました。検討の結果、総合評価方式とし、また、施行中の管理体制、瑕疵担保責任等が明確化できる一括発注とします。なお、入札参加については、単独企業または共同企業体(JV)の参加を可能とし、多くの企業が競争入札に参加できる条件とすることで、公平性、公正性を担保する入札方式とします。
東木委員
最近の県内における入札の不調の状況は?⇒落札されない不調があると聞いている。
労務単価改定の影響と不調対策は?⇒平成27年度の国が示す労務単価は4.2%増となっており、精査したうえで不調とならないよう、発注金額を設定していく。また、多くの企業が入札参加できるようにすることで、不調にならないようにしていく。
有賀委員
現新館と新庁舎との連絡通路がなくなるが?⇒新設歩道橋を拡幅し、庇を設けて対応する。
新庁舎の喫煙所の考えは?⇒県条例を遵守し、外構計画の中で囲いを設けて設置ていく。
柳沢委員
事業費について、3億を超える増となった。物価上昇だけが理由か?⇒設計内容の詳細を精査する中でコストの縮減を図ってきた。今回の増は物価上昇分。
具体的に何を縮減したか示すべきだが?⇒各工程で精査した。山留、電気システムの変更などを行った。機能を維持する中で、コスト縮減に努めていく。
最終的にいくらぐらいになるのか?⇒平成27年度の労務費単価の上昇分を見込んで精査ていく。
抜本的に見直すべきだが、理事者の考えは?⇒30年50年先を見据えて庁舎建設を考える必要ある。現新館と新庁舎を併用しながらとなるが、人口減や行政需要を踏まえて、将来的にスリム化ができるように考えていく。
一括発注とのことだが、少しでも分離発注すべきだが?⇒市内企業でできるものは市内企業へ発注していく。
市内企業を下請けに使う条件をつけるべきだが?⇒総合評価項目に加点項目として設定していく。
大野委員
トイレについての考えは?⇒業務と市民のゾーン分けをしている。県条例に基づいて、各フロアにみんなのトイレを設置する。
障がい当事者から意見を聞いて対応すべきだが?⇒利用者の視点から使いやすいトイレでなければならない。直接、障がい者団体から要望を聞いた。できる限り対応ていく。
3.藤沢市公共施設等総合管理計画の策定について
この報告は、平成26年4月に総務省より、公共施設等総合管理計画の策定に当たっての指針が示され、各地方自治体で策定を求められ、本市として、案を策定したので報告がされたものです。 本市としては、国の指針に先立ち、施設ごとの個別管理計画を策定していますので、個別計画の上位計画として、改めて位置付けたというものです。各施設別の取り組みは次の通りです。
(1)公共建築物
①平成26年3月 藤沢市公共施設再整備基本方針
②平成26年11月 藤沢市公共施設再整備プラン
(2)道路
①舗装修繕計画の策定に向けて検討中
(3)橋りょう
①平成25年3月 藤沢市の橋りょう管理計画(橋りょう長寿命化計画)
(4)下水道
①平成23年3月 湘南ふじさわ下水道ビジョン
(5)公園
①平成23年7月 ふじさわ緑の基本計画
②平成24年3月 藤沢市公園施設長寿命化計画
③平成26年5月 ふじさわ緑の実施計画
(6)準用河川
個別河川ごとの事業実施により対応
桜井委員
本市はすでに個別計画ができているが、影響は?⇒国の長寿命化計画は、笹子トンネルの事故を受けて取り組むこととなった。本市では、個別計画ができているが、単体で進めるのではなく、取りまとめてトータル的に運用するために策定するもの。
地方債の特例措置とあるが?⇒これまでは公共施設の取り壊しに起債は使えなかったが、使えるようになる。充当率は75%だが、複合化や転用には90%となるので、活用していく。
東木委員
道路だけに個別計画がない。(仮称)舗装修繕計画の考えは?⇒主要道路の路面調査を踏まえて修繕計画をつくる予定。
建物より道路の方が判断難しいのではないか?⇒国の要領では、5年に1度、調査を実施することとなっている。調査結果を見て、状況を把握できるので、修繕計画に反映していく。
柳沢委員
施設の統廃合について、市民の意見がどのくらい反映されるのか。意思決定がされてから市民に示されていると思うが?⇒施設整備の方向性を示し、意見をいただきながら進めていく。
道路について、既存道路の必要性について検討とあるが?⇒都市計画道路について、時代の変化から廃止する場合もある。
抜本的な道路の見直しが必要。住民の以降とっているか見直すべきだが?⇒状況を見ながら、不要なものは見直していく。
公園内の樹木の選定はどのくらいのスパンでているのか?⇒各地区の状況により対応している。
4.藤沢公民館・労働会館等再整備基本構想(案)について
(1)複合化する施設
①藤沢公民館
②労働会館
③藤沢市民図書室
④藤沢地域包括支援センター
⑤地域生活支援センターおあしす
⑥藤沢子供の家(ふじっこ砦)
⑦藤沢西部地区ボランティアセンター
⑧放課後児童クラブ(新設)
⑨全市的な生涯学習を推進するための機能(学習文化センターの代替え機能を含む)
(2)新施設のフロア構成
1階 ボランティアセンター/地域生活支援センター/地域包括支援センター/駐車場/防災倉庫/駐輪場
2階 管理署室等/雇用労働相談室/市民図書室/地域相談活動室/多目的津(2室)/ホール
3階 会議室(5室)/談話室(4室)/和室/体育室
4階 放課後児童クラブ/保育室/藤沢子供の家/多世代交流スペース/屋上広場/公用車駐車場
5階 生涯学習活動推進室/多目的室/調理室/多世代交流スペース
6階 若年者就労支援事業/レストラン
(3)事業手法について
事業手法については、基本設計を発注した後、実施設計から施工までの一括発注方式を採用する予定ですが、詳細な内容については引き続き検討します。
(4)事業スケジュール
①基本構想 平成26年度
②基本設計 平成27年度
③実施設計 平成28年4月~29年9月
④解体工事 平成28年9月~30年3月末
⑤建設工事 平成29年4月~31年3月末
⑥供用開始 平成31年4月~
(5)整備コスト
藤沢市公共施設再整備プランでは概算45億円とていますが、資材費等が高騰している状況を踏まえて、今後の設計において事業費の積算を行っていきます。
東木委員
現在、労働会館で行っている事業の移転先は?⇒平成28年度~30年度の間の移転を想定し、移転先場所を調整している。
有賀委員
4階に子ども家が設置予定。憩いの森と公園との一体利用が必要。公園整備の考えは?⇒基本構想の中では一体利用を想定しているが、公園みどり課で地権者と交渉しているところ。今後、予定地の確保を進めていく。
進捗率は?⇒整備は0%。地権者との交渉状況は、4人のうち3人と接触している。
柳沢委員
談話室・会議室が11室から9室となる。大丈夫なのか?⇒現在の利用率や利用状況を分析し、利用者の増も加味したうえで、多目的室の整備、体育室の整備も予定しているので、対応できる計画だが、利用者の意見を聞いて基本設計を策定していく。
解体から3年間利用できなくなる。その間、どこの会議室を利用すればいいのか?⇒公民館の利用について、団体と相談ているところ。
一括発注予定となっている。地元企業で建設できると思う。分離発注すべきだが?⇒工期短縮、不整形の土地など課題あり、一定の技術力が必要。実施設計からの一括発注を考えている。
使用料・利用料は上がらないのか?⇒労働会館と公民館の料金体系違う。目的に沿って、公共料金の考え方をもとに設定ていく。急にあげることは考えていない。
囲碁・将棋コーナーはどこに設置するのか?⇒専用スペースを想定せず、多世代交流スペースの設置を考えていく。
藤沢子供の家の利用者の意見は批判的。場所が変わることが複合化のデメリット。子供の家の利用者から合意取れているのか?⇒2回意見交換している。小学校区に設置する市の方針を説明し、理解をいただいている。
松長委員
維持管理費や人件費がどれだけ削減されるのか市民に説明すべきだが?⇒管理運営形態は今後の検討なので、今は示せない。考え方としてはメンテナンス、貸館業務を一元化することでコストの縮減をしていく。
本町憩いの広場はどうしていくのか?⇒すでに用地を確保している。
藤沢宿の景観を踏まえると和風のコンセプトが必要では?⇒まちなみ継承地区に近いこともあり、基本設計の中で、配慮していきたい。
大野委員
地域生活支援センターおあしすが入る。様々な配慮が必要だが?⇒障がい特性への配慮が必要。入り口を別にするなど。今後も意見交換しながら進めていく。
おあしす関係者以外の人の理解が必要だが?⇒他の入居者の方に、障がい者に対する理解を深めていきたい。解体から供用の3年間の中で努めていく。
以上、報告とします。