安心・安全に暮らせるまち「藤沢市」をめざします
災害に強いまちづくりを推進します
東日本大震災から4年が過ぎました。犠牲者とそのご遺族の皆さまへ改めてお悔やみ申し上げるとともに、被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。
この大震災以降、国民の様々な視点が大きく変化したように感じます。計画停電の経験から、自然エネルギーへの関心の高まり、原発事故から原発の稼働に対する考え方、津波から逃げるための備えなど。
市民の生命と財産を守ることは自治体の最も重要な仕事のひとつです。東日本大震災を通じて明らかになった政策課題は、すべてが藤沢市単独で解決できるものではありません。しかし、これらの課題を把握・分析した上で、これまで私が掲げてきた政策をより具体的で、実効性のあるものとし、藤沢市を安心して生活できるまちにしていきたいと思います。
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藤沢市では、「災害対策基本法第42条」の規定に基づき、地震、風水害、都市災害など、さまざまな災害が発生した場合における、市の役割・救援体制・復旧計画などに関して定めた「藤沢市地域防災計画」を、東日本大震災を踏まえて見直しを行いました。更に、平常時から災害発生時まで、防災・災害に関する情報を市民の皆さんへ分かりやすく提供する「ふじさわ防災ナビ」を作成しました。今後は、特に津波浸水被害が想定される、片瀬・鵠沼・辻堂、3地区の住民や観光客などが速やかに避難できるための環境整備の進捗について、必要な対応を図っていきます。
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災害発生後、指揮命令を行う防災拠点や避難施設として役割を果たすのは、市役所や市民センター等の公共施設です。
藤沢市では、市役所新庁舎の整備を進めていますが、その他の公共施設も老朽化が進んでいます。藤沢市が策定した、藤沢市公共施設再整備基本方針及び、公共施設再整備プランの進捗をしっかりとチェックするとともに、今後、具体的な計画が示される施設についても、機能集約のあり方、住民との合意形成、市民の利便性などについて、必要な対応を図っていきます。更に、道路、下水道、橋りょうなどを含めた、藤沢市公共施設等総合管理計画を策定しましたが、計画に基づいた、施設の再整備について、効率的な整備が促進するよう対応を図ります。
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防災行政無線は、屋外スピーカー等によって、防災情報等を市民の方々へ迅速かつ、一斉にお知らせするために整備されている施設です。しかし、建築物の高層化などによって、放送されている内容が聞き取れない地域があります。防災に関する情報は、市民の生命・財産を守るために大変重要なものです。内容が聞き取れない地域を解消するため、子局の増設などを行う一方で、災害時等に自動的に緊急放送が流れる「防災ラジオ」を開発、頒布することとなりました。「防災ラジオ」が全ての地域で十分な機能が果たせているか検証を求めていきます。
- 神奈川県が2014年12月に新たな津波想定を発表しました。藤沢市が現在行っている津波対策について、変更が必要なのか、必要な場合はその整備を求めていきます。
核兵器廃絶や航空機騒音への対応など、静かで平和なまちづくりを推進します。
核兵器や戦争のない平和な世界は人類誰もの願いです。しかし、現在でも世界のどこかで争いがあり、核開発や核保有が行われています。日本国内でも、米軍基地が点在し、神奈川県は沖縄県に次ぐ第二の基地県と言われ、キャンプ座間への米陸軍第一司令部の配置、横須賀基地への原子力空母ジョージ・ワシントンの後継として「ロナルド・レーガン」が2015年夏頃に配備される予定、厚木基地の戦闘機による爆音など、多くの問題を抱えています。特に厚木基地の戦闘機爆音については、藤沢市の北部地域にも影響があります。核兵器の廃絶、米軍基地の撤去など、静かで平和な神奈川・藤沢に向け取り組みます。また、厚木基地における戦闘機騒音に対する、防音窓設置やNHK受信料減免区域拡大に向け、とりくみます。
- 平和理念の象徴である、憲法第9条を守ります。
- 非核三原則を堅持し、「藤沢市核兵器廃絶平和都市宣言」を推進します。
- 厚木基地における航空機騒音に対する、防音窓設置やNHK受信料減免区域拡大に向け取り組みます。
- 原子力空母の災害時における具体的対策を求めます。
地球環境優先のまちづくり、自然環境の保全に努めます。
今、日本政府は、2030年までの温室効果ガス削減目標を2005年比で20%台にする方向で議論がされています。これまでも温室効果ガス削減に向けて、様々な対策が講じられていますが、国は、自然エネルギーへの転換を中心としながら、原子力発電を重要なベースロード電源と位置付けています。しかし、3.11東日本大震災でも明らかになったように、原発への依存は、安全性の問題からも大変危険と考えます。主にヨーロッパで進んでいる、地域での自然エネルギー(太陽光・地熱・水力・風力など)の地産地消を推進するべきと考えます。
藤沢市では、2015年2月に「藤沢市エネルギーの地産地消推進計画」を策定し、太陽光発電の目標数値の設定などの他、様々な自然エネルギーの活用の可能性を追求するとしています。私は、市民一人ひとりの「地球温暖化防止」に対する意識が高まりが最も必要と考えます。国が実施していた「チャレンジ25」キャンペーンは、あまり浸透しないまま、低炭素社会の実現に向けた「Fun to Share」へと継承されました。なかなか知られていない知恵や技術をみんなでシェアしようという取り組みです。これも、なかなか知られていませんが、多くの企業・団体が参加しているのも事実です。地域住民・生活者の一人として、何が出来るのか?何をするべきなのか?そういった意識の浸透が第一と考えます。
- 住宅用太陽光発電システムや電気自動車の購入補助の拡大など、環境負荷低減をめざした施策の充実を図ります。
- 環境負荷低減に向け、企業への積極的な働きかけを行うとともに、環境保全・公害防止などにおける設備導入に対する助成・優遇措置を求めます。
- CO2削減に向け、鉄道・バスなどの公共交通利用促進に向けた取り組みを行います。
- 藤沢市エネルギーの地産地消推進計画を推進します。
地産地消を推進するとともに、より安全・安心な学校給食をめざします。
食に対する安全意識は、ますます高まっており、「身近で顔の見える生産者の生産物を食卓へ」という地産地消のとりくみが進んでいます。
藤沢市においても、地産地消推進条例が制定されましたが、この条例がより実効性のあるものとなるようとりくみます。
とりわけ、心身の発達期である子どもの食生活は重要です。小学校や保育園等において積極的に市内の農水産物を用い、子ども達の安全・安心の食生活を支えるとりくみを推進します。
- 藤沢市の「地産地消推進条例」、よりが実効性のあるものとなるよう取り組みます。
- 小学校給食や保育園給食における市内農水産物の拡充し、子ども達の安全・安心の食生活を支える取り組みを推進します。
- 平成27年度から試行校を拡大する中学校給食については、持続性の観点から、全校実施には慎重な判断を求めます。
人に優しい公共交通をめざします。
地球環境問題や高齢化社会の進展への対応を考えると、これまでのマイカー中心の交通から、公共交通優先への交通体系への転換を図っていくことが重要です。マイカーを使わなくても、快適に移動ができるよう、情報提供を含めたきめ細かい公共交通機関の構築をめざします。また、自転車による交通事故が多発していることから、自転車走行のモラル教育を徹底することが必要と考えます。自転車や歩行者のモラルの改善を求めるとともに、藤沢市が策定した「ふじさわサイクルプラン」に基づいた環境整備を進めます。
- 高齢者や障がい者をはじめ、誰もがマイカーを使わなくても、快適に移動ができる、安全・安心・快適な公共交通機関の構築をめざします。
- 公共交通の活性化にむけ、渋滞のない道路環境をめざし、違法駐車の撲滅に取り組みます。
- ふじさわサイクルプランを推進し、快適で安全な自転車走行環境をめざします。
質の高い公共サービスを確保するため「公契約条例」の制定に取り組みます。
千葉県野田市において、全国で初めてとなる「公契約条例」が制定され5年が経過しました。この間、県内でも川崎市、相模原市、厚木市が公契約条例を制定、動きが広がっています。公契約条例とは、ILO94号条約(日本は未批准)に基づくもので、公共事業の契約に際して、その受注企業の労働者の労働条件(一定の水準)を確保することが義務づけられるものです。
例えば、1,000万円の予定価格の公共事業があるとして、競争入札で800万円で落札した場合、受注業者が利益を確保するなら、そのしわ寄せは労働者の人件費がカットされるのが現状です。ILO勧告の趣旨は、少なくとも公共が発注する事業において、受注側労働者の賃金・労働条件が競争にさらされてはならない、と言うものです。
藤沢市においては、入札制度における最低制限価格の引き上げなどで、質の確保を図っているとことに加え、労働条件は労働基準法で定められているなどを理由として、公契約条例の制定には否定的です。しかし、「公契約条例」を制定し、公共事業の受注企業の賃金・労働条件を一定水準で確保することにより、地場・地域労働者の賃金の底上げを図り、地場経済の活性化に寄与すると考えます。制定した他市の状況と藤沢市の入札制度を精査し、どこに課題があるか整理をする必要があります。
- 「公契約条例」を制定し、公共事業の受注企業の賃金・労働条件を一定水準で確保することにより、地場・地域労働者の賃金底上げを図り、地場経済の活性化に取り組みます。
的確な財政分析と情報公開により税の有効活用を一層進めます
自治体は、地域、住民に対する社会的セーフティネットの責任主体として、財政破綻を回避し、福祉、環境、教育、都市基盤整備などの新たな財政需要に的確に対応に対応していかなければなりません。そのためには、自治体の財政の実態情報を一部の部署だけの保有・管理とするのではなく、議員も住民も実態の共有を図り、それをシステム化することが何よりも重要であると考えます。財政分析の結果を基にして、職員、住民が参画する行財政運営と自治体改革を進めていかなければなりません。
2007年に制定された「自治体財政健全化法」では、財政計画の策定とともに、財政悪化の要因の把握を求めており、公共サービスの確保に向けて財政分析の重要性がさらに求められています。
つまり、財政分析は、住民の視点に立った「情報の開示」を求める作業であり、市民の皆さんからお預かりした税金の有効活用について、ともに考える基礎となります。
各事業の目的が市民ニーズに合っているのか?合っていれば、その目的を達成するための手段として、どのような体制で実施していくのか?実施する主体は、藤沢市の直営で行うべきか?民間に委ねるべきか?地域に協力を求めるのか?など、様々な角度から検討するべきだと考えます。そして、よくありがちですが、手段が目的とならないことが、最も重要です。